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2008年2月 9日 (土)

日弁連会長選挙の結果

 2月8日日弁連会長選挙の投票が行われ、仮集計の結果は宮崎誠候補9402票、高山俊吉候補7043票で宮崎候補の当選が確実となりました。前回の選挙は三つ巴でしたので、前々回の選挙と比較してみます。前々回は宮崎氏同様歴代執行部の流れを汲む梶谷氏と高山氏の一騎打ちで梶谷氏9157票、高山氏4622票でした。これを見る限り歴代執行部の方針、ことに弁護士人口大増員政策に対する批判票が顕著に増えたと言えるでしょう。この票差は、会内で高山氏の先鋭的な政策に対するアレルギーが強いこと、派閥の締め付けの影響などを考えると、実質的には宮崎氏が掲げた従前の執行部路線の踏襲は信任されなかったと評価すべきと思います。特に札幌、仙台、愛知、広島といった地方の中規模会と横浜、埼玉、千葉という東京近郊の中規模会でいずれも高山氏支持が上回ったことは驚くべきことです。日弁連新執行部は今回の選挙の結果を真摯に受け止め直ちに政策転換を行うべきでしょう。
 そもそも弁護士人口大増員を中核とする司法改革路線は、当時の規制緩和、構造改革という国策に沿ったものでした。しかし規制緩和、構造改革路線が地方の切捨てと極端な格差社会を生み出し、高度成長によって克服したはずの貧困という事態を21世紀の日本にもたらしたのです。規制緩和、構造改革路線が既に市民の支持を得ていないことは昨年の参院選の結果を見れば明らかです。このように新自由主義思想に基づく規制緩和、構造改革が失敗に帰した以上、その司法版である弁護士人口大増員を中核とする司法改革路線もまた見直されるべきは当然でしょう。
 需要に見合った弁護士人口の増加は必要ですし、司法改革の諸政策には正しい指向を持ったものもあります。しかし裁判員制度も、法テラスも、被疑者国選も、法曹養成制度の変更も余りに短い期間で十分な議論も行われないままに拙速に決められてしまったがために極めていびつな制度設計になってしまっています。決まったことだからと諦めないで、今こそ「改革」の熱からさめて、それぞれの政策について冷静に見直し、直すべき所は政策変更を提言してゆくことが日弁連に求められているのだと思います。

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