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2009年7月29日 (水)

プリンスホテルに約3億円賠償命令 日教組集会使用拒否 - 社会

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「プリンプリンスホテル(東京都豊島区)が日本教職員組合(日教組)の集会への会場使用を拒否した問題をめぐる訴訟で、東京地裁(河野清孝裁判長)は28日、日教組側の請求をすべて認め、約2億9千万円の支払いと謝罪広告の新聞各紙への掲載を同社側に命じる判決を言い渡した。プリンスホテル側は「認定は納得できない」などとする談話を公表し、控訴の方向で検討するとした。」そうです。

 判決は、日教組の求めに応じて会場使用を認める仮処分命令を東京地裁が出し、東京高裁も抗告を棄却したのにプリンスホテル側が従わなかった点を厳しく非難。「命令に従うことなく、日教組の使用を妨げた。司法制度の基本構造を無視するもので違法性は著しい」と述べた。同社の渡辺幸弘社長に対しても「日教組に会場を使用させる義務があることを認識しながら、悪意でその職務を怠り、損害を与えた」として、会社法上の損害賠償責任を負うと認めた。
 あまりにも当然な判決ですね。プリンスホテル側は、「住民や利用者のご迷惑を防ぐためにやむなく使用をお断りした」と主張したようですが、そういう問題ではない。確かに過去に街宣車を建物に突入させたような右翼団体から具体的な妨害予告がなされたというのであれば契約解除の理由にならないでもない(それでも集会の自由とホテルの公共性の観点から微妙だが)。しかしこのケースでは東京地裁がホテル側の主張を聞いた上でなお日教組の会場使用を認めるという仮処分決定を出し、東京高裁もその決定を支持したのである。もし裁判所の決定であっても、自分の考えとは違うから無視してよいということが罷り通るなら法治国家は成り立たない。裁判所がその点を厳しく非難したのは当然である。
 それにしてもプリンスホテルには当然顧問弁護士がいるのであろうに、その弁護士は裁判所の仮処分を無視してよいという助言をしたのであろうか。そうだとすれば明白な弁護過誤である。損害賠償の訴えを起こされた後も、仮処分を無視した事案で勝てるはずないのに勝つ見込みがあるなどと言ったとすれば、それも弁護過誤であろう。プリンスホテルは控訴の方向で検討するなどと言っているが弁護士の感覚としては正気の沙汰とは思えない。
 私も数年前、仙台市が金剛山歌劇団という在日朝鮮人で構成される歌劇団の公演について、いったん仙台市民会館の使用を許可しておきながら、後日右翼の妨害が懸念されるとして使用許可を取り消した事件を担当した。当時は北朝鮮がミサイルを発射した直後で、梅原市長の個人的信念からそのような行為に及んだのであろう。しかし過去の最高裁判例に照らしても、そのような取り消しが認められるはずもなく、不許可処分取り消しの仮処分が出された。その時も思ったが、弁護士は頼まれたからどんな事件でもやってよいというものではない。もし自らの判断で違法と考えた場合にはやめるよう助言すべきだし、その助言に従わないのであれば事件を受任すべきではない。ことに公共団体や大企業であれば社会的影響も大きいのであるから、顧問弁護士にはコンプライアンスを徹底させる責任があるのではなかろうか。

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