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2010年1月 9日 (土)

<日弁連>会長選きょう公示 法曹人口問題が争点に 主流派VS著名弁護士(毎日新聞) - goo ニュース

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<日弁連>会長選きょう公示 法曹人口問題が争点に 主流派VS著名弁護士
 6日公示の日本弁護士連合会の会長選が、かつてない盛り上がりをみせている。立候補するのは、現執行部の路線を継承する前副会長の山本剛嗣(たけじ)氏(65)と、多重債務問題への取り組みで知名度の高い宇都宮健児氏(63)。従来は主流派の事前調整で擁立された候補の信任投票の様相だったが、今回は激戦模様。法曹人口問題への対応が最大の争点で、若手弁護士の支持取り込みもカギだ。会長選は全国約2万7000人の弁護士全員が投票権を持つ。投開票は2月5日。任期は4月から2年間。これまでは大規模弁護士会の主流派が調整し、東京の3弁護士会や大阪弁護士会の会長経験者を「統一候補」として擁立するのが通例。その流れで今回は元東京弁護士会会長の山本氏が推された。これに対し宇都宮氏は「政権交代など政治・社会情勢が変化する中、市民のための日弁連をつくる好機」と挑む。東京弁護士会所属でオウム真理教犯罪被害者支援機構の理事長を務め、08年末の「年越し派遣村」で名誉村長になった。日弁連の最大課題は法曹人口増員。政府は司法試験合格者を10年までに段階的に年3000人に増やし、18年に法曹人口を5万人とする計画を立てた。しかし、質の低下や過当競争への懸念が弁護士の間に強く、日弁連は09年3月「今後数年間の合格者数は現状の年2100~2200人を目安に」とペースダウンを提言した。山本氏はこの提言作りにかかわり、会長選にも同様方針で臨む。「09年の合格者数2043人を当面の目安とする」と強調。一方、宇都宮氏は「合格者数を1500~1000人に減らすべきだとの一部弁護士会の決議に耳を傾け、現状より合格者を減らす」と現執行部との違いを鮮明にしている。「組織票」による票読みが難しくなってきた中で、若手弁護士の投票動向がカギになり、両陣営とも若手の支援強化を掲げる。【銭場裕司、伊藤一郎】

 私は仙台弁護士会の執行部にいたときに日弁連の定期総会に出たことがあるが、その内容のなさにびっくりしたものだ。会員の質問に対する日弁連執行部の木で鼻をくくったような内容のない答弁と、反対派の感情的な反対討論だけで、実のある議論はなされない。まるで議案を通すための儀式のように思えた。毎年のように白熱した討論がなされ、時には執行部が議案の撤回に追い込まれたり議案が否決される場合もある仙台会の定期総会とは比べものにならないと感じたものだ。記事にあるような「大規模弁護士会の主流派が調整し、東京の3弁護士会や大阪弁護士会の会長経験者を統一候補として擁立する」という日弁連会長選挙の在り方自体がこのような中味のない日弁連総会につながっているような気がする。長年会務にどっぷりはまって雑巾掛けをしないと東京3会や大阪弁護士会の会長にはなれない、そういう人間でないと日弁連の会長にもなれない。すると、会長になったときにはしがらみにがんじがらめになって、従前の執行部の路線を踏襲するほかないということになるのだろうか。
 折しも政府は、司法試験の年間合格者を「2010年ごろに3000人に増やす」という計画を下方修正する方向で見直す方針を固め、有識者会議を設置し、法曹人口の全体数や合格者数の目標を作成し、改めて閣議決定することになった。見直しの理由は、このまま計画を進めたのでは「法曹の質が確保できず、弁護士の就職難が深刻になる」ということだ。
 山本候補は、日弁連の「今後数年間の合格者数は現状の年2100~2200人を目安に」とのペースダウンの提言作りにかかわり、会長選にも同様方針で臨むとのことだ。しかし合格者が2043名の現在においてすら法曹の質の低下が危惧され、弁護士の就職難が深刻化しているのであるから、これでは全く解決にならないことは明らかだ。せっかく政府が従前の無謀な弁護士増員の閣議決定を見直して、法曹人口の全体数や合格者数の目標を改めて閣議決定しようとしているのに、このような考え方の候補者が会長になったら2100~2200人への見直しにしかならないことは火を見るよりも明らかだろう。
 法曹の質の低下を防ぐには増員見直しもさることながら、司法研修所における研修の在り方の見直しも不可避である。修習生の話では現在のロースクールでは判決起案はなし、起訴状の起案もなし、訴状の起案は模擬裁判の時に1回だけというのが教育の現状とのことだ。これで前期修習がなくいきなり実務修習が始まる。しかも就職が決まるまでは遠方の事務所も含めて数十箇所の事務所訪問をするのが当たり前というのでは実務修習に専念することなどできるはずもない。今の修習制度は根本的に改めるべきで、少なくとも前期修習は復活すべきで、さらに修習期間を1年6ヶ月に戻すべきである。ところが研修所の収容能力の限界は1500名であり、新たに研修所を造らない限り(財務省がそんなこと認めるはずもないが)2100~2200人では修習制度の見直しも不可能となる。
 山本候補はおそらくこのようなことは分かった上でなお従前の執行部の路線との整合性に拘泥して思い切った増員見直しを言い出せないでいるのだろう。今度の新会長は、就任後直ちに法曹人口の全体数や合格者数の目標を作成し直す有識者会議や政府への対応を迫られるのであって、従前の執行部路線の踏襲ではなく、思い切った政策変更を実行しうる者でなければならない。この期を逃しては行き過ぎた増員政策を見直す機会は二度と訪れない。宇都宮候補は「合格者数を1500~1000人に減らすべきだとの一部弁護士会の決議に耳を傾け、現状より合格者を減らす」というが、実際に決議を上げたのは一部弁護士会であるが、他の弁護士会も日弁連に気兼ねして決議を上げていないだけで、本音は「合格者数を1500~1000人に減らすべき」というのが会内世論であろう。このような玉虫色の表現ではなく「少なくとも合格者数を1500名に減らす」と明言すべきだろう。
 それにしても、いかなる職業よりも自由で独立した存在であるべき弁護士によって構成される弁護士会にあって、「組織票」なるものが存在するというのは誠に嘆かわしい。本来日弁連会長選挙は、弁護士会の将来にとって誰が最も望ましいかを、会員一人一人が自らの判断で決定して投票すべきものである。そうではなくどの派閥に属しているかとか、自分の先輩・後輩・同期が支持しているとかいう理由で候補者を決めて投票するがごときは弁護士として恥ずべきことだ。そういう人間は投票することなく棄権して欲しい。

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