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2010年1月の10件の記事

2010年1月31日 (日)

仙台高裁管内医事鑑定人推薦ネットワークについて

1  平成17年7月に仙台高裁管内医事鑑定人推薦ネットワークができた。医療過誤訴訟で鑑定を行う場合に、医療機関から鑑定人候補者の推薦を受ける制度だ。ネットワークに参加している医療機関は、東北大学、福島県立医科大学、山形大学、岩手医科大学、秋田大学、弘前大学、秋田赤十字病院、秋田県立脳研センター、青森県立中央病院、八戸市民病院、八戸赤十字病院の11施設となっている。大阪、名古屋、福岡など現在ではほとんどの地域で同様のネットワークが作られている。
   利用状況を見ると、平成17年が2件、平成18年が6件(内1件は推薦されず)、平成19年が2件(内1件は推薦されず)、平成20年が13件(内7件は推薦されず、1件は推薦されるも採用せず)、平成21年が6件(内2件は推薦されず)というものだ。依頼した裁判所の内訳を見ると仙台地裁本庁は5件(内1件は推薦されず)、高裁が2件だから、事件数からすれば仙台地裁本庁以外の地裁が多く利用しているようだ。依頼先を見ると(但し平成21年の6件は依頼先不明)東北大学が9件、山形大学4件と比較的多く、大学病院以外は1件のみだ。
2  これをどう評価するかだが、私の場合は鑑定を行う場合東北6県の医療機関は全て不可とする意見を述べている(1件だけ山形大学に依頼されてしまったことがあるが、それは出すと言った私的鑑定を出せなかったので文句を言えなかったケース)。何故なら公立病院や一定規模以上の民間病院の場合、一部の例外を除けば大学の医局を頂点とする系列に属している(医局から医師が派遣される関連病院)。しかもそれは県の垣根を越えているので、とてもじゃないが病院相手の事件で東北6県の大学病院を利用する気にはなれない。
   裁判所は従来は理解を示してくれており、東北6県以外の大学や医療機関から鑑定人を選任してくれていた。要は鑑定の中味であり、関与した医師の出身大学でなければ構わないという考え方もあろうが、それは医療の世界の庇い合いの実態を知らない考えだ。実際の鑑定書を見ると医学的知見の部分で嘘をいう場合はあまりないが、事案への当てはめの部分では医療側擁護の書き方がされているものは少なくない。裁判の生命は公正であるが、それを担保するのは「公正らしさ」であろう。特に東北の場合には東北大学病院の力が圧倒的に強いという現実がある。系列病院とまでは言えなくとも何らかの地縁あるいは、学会での繋がり(これは地域性とは直接関係ないかもしれないが)の存在が危惧される以上、やはり鑑定人は、東北6県以外の医療機関から選任されるべきだろう。
3  この意味で私は、この仙台高裁管内医事鑑定人推薦ネットワークは評価していない。むしろ裁判所が、ネットワークができた以上これを使うのが原則だという考えを持ってしまうという意味で非常に危険性を感じている。事実私が現在担当している山形地裁の案件では、裁判所から鑑定人の選任にこのネットワークを使いたいと言われている。私の場合は現在東北大学病院と5件の医療過誤事件が係属中で、それ以外にも医療過誤事件が係属中の大学病院がある。過去を含めればネットワークに参加するほとんどの医療機関を相手方にしたことがある。江戸の敵を長崎で、ではないがそういう医療機関の医師が鑑定人では私の依頼者に対して鑑定の公正らしさを担保できないと考えるのは当然のことだろう。
4  もちろん医事鑑定人推薦ネットワークが無意味だというつもりは毛頭ない。せっかく他の高裁管内にも同様のネットワークができたのだから、相互乗り入れすればよい。例えば名古屋高裁管内の事件については仙台高裁管内医事鑑定人推薦ネットワークを利用して鑑定人を選任する、仙台高裁管内の事件ではその逆をやるということにすれば、非常に合理的で公正らしさも担保しうる。最近は鑑定人質問はあまり行われず、せいぜい書面での補充質問がなされる程度なので地理的に離れていることは特段支障にはならない。
   なぜやらないのか分からないが、おそらく自分の管内の事件で依頼しても必ず推薦してもらえるとは限らないのに、他の高裁管内の推薦依頼に応える余裕などないということだろう。しかしそれは相互乗り入れであることを医療機関によく説明すれば解決できることだ。私的鑑定を依頼するときの経験からしても、むしろ遠くの病院についての事件の方が鑑定人としても心理的に楽なはずだ。
5  さらに言えば、現在も鑑定人は一人しか選任しないというのが多くの裁判所の運用だが、この点も改善する必要がある。判断を丸投げするような詳細な鑑定意見を求めるのではなく、本当に裁判所が知りたい医学的知見に鑑定事項を限定し、その代わり複数の鑑定人を選任するというのがよいと思う。そうすれば鑑定人の負担も軽減されるし、引き受ける上でも複数でやるなら心理的にも非常に楽になると思う。一石二鳥なのだが現在は千葉地裁で行われているだけのようだ。ちなみに東京地裁で行われている3名の医師によるカンファレンス鑑定は裁判所や代理人の能力の点で他の地裁では難しいかもしれない。
   私は鑑定には否定的な評価であり、なるべく鑑定なしで解決する方針をとっている。それは専門家の知見が不要ということではなく、現在の一人の医師に判断の全てを任せてしまう可能性のあるやり方に反対なだけだ。本当にその鑑定人が有能で中立公正ならなにも問題はないのだが、それを担保する手段が講じられない以上、代理人にとっては裁判所による鑑定はいつまで経っても「博打」でしかない。
   裁判所は、現在専門委員の積極的活用を考えているようだが、専門委員についても既に述べたことが全て当てはまる。そうではなく、裁判所には、是非仙台高裁管内医事鑑定人推薦ネットワークの運用改善に取り組んでもらいたい。

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2010年1月30日 (土)

仙台市民オンブズマンの検察裏金追求

 仙台市民オンブズマンは、平成13年から平成17年にかけて検察庁の調査活動費を利用した裏金作りを追求しました。結局検察は裏金の存在を認めず、政府も国会も大手マスコミも追求しようともしなかったため、この問題は闇に葬られてしまいました。昨年発覚した千葉県庁の裏金問題をはじめ未だに行政機関の裏金作りは後を絶ちません。裏金作りは公金横領というれっきとした犯罪です。それを取り締まるべき検察や警察自身が巨額の裏金にまみれて私腹を肥やしているのですから裏金が日本からなくなることはないのでしょう。現在東京地検特捜部が民主党の小沢幹事長の裏献金疑惑の捜査を行っています。裏献金はあるのかもしれませんし、事実とすれば政治資金規正法に違反する違法なものです。しかしそれは企業からの献金であって税金ではありません。検察に裏献金の捜査を行う資格などないと思っています。自らの裏金を見逃してくれた自民党政権への恩返しで小沢をつぶそうとしているとしか思えません。裏金をなくすには徹底した情報公開しかありません。しかし今の情報公開法では、一定の情報については捜査の秘密、外交の秘密、防衛の秘密など行政庁が○○の秘密と言いさえすれば一切情報を公開しなくてよいことにされています。これでは裏金はなくなりません。内閣府の官房機密費、外務省の外交機密費、警察の捜査報償費は今でも裏金の温床になっているとされています。以下仙台市民オンブズマンの検察裏金追求の過程を紹介します。                     

検察調査活動費の情報公開訴訟(仙台地裁平成15年12月1日判決)について
 
 仙台市民オンブズマンは、情報公開法施行に当たり、仙台高検、地検の平成10年度調査活動費について開示請求した。支払明細と領収書は不開示だったが、開示された月別の支払額を見ると毎月きれいに使い切られていた。使い切りの陰に裏金ありというのは幾多の不正支出問題追求から得た経験則であり、この時点で裏金作りを確信した。次に調活費の支出の推移を見るため、11年度、12年度の調活費についても開示請求したところ、高検は10年度960万円が12年度297万に、地検は10年度840万円が12年度346万円に激減していた。しかも11年度から突如として翌月への繰り越しや端数が出始めた。内部告発に基づく検察調活費裏金疑惑が週刊誌上に掲載された(平成11年5月)ことへの対応と推測された。さらなる裏付けのため全検察庁の10年度から13年度の調活費について開示請求したところ、10年度の使い切りと11年度以降の総額の激減、繰り越し・端数出現が例外なく見られた。以上の調査から10年度まで裏金として使い放題だった調活費について、裏金の内部告発を受けて11年3月以降疑惑隠蔽工作を行い始めたことは明白と思われた。そこで平成13年6月1日仙台高検検事長を被告として不開示処分取消訴訟を提起した。
 本来情報公開訴訟における不開示事由の主張立証責任は処分庁にあるが、被告は情報公開法5条4号が「支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」と規定していることを理由に、不開示事由の不存在についての主張立証責任が原告にあると主張し、具体的な主張立証をしようとしなかった。調活費の使途についても「調活費は適正に使用された。そうでないというなら原告が立証せよ」の一点張りで、調活費の急減の理由についてはコンピューター整備費用に流用したからと主張した。
 情報公開訴訟は普通処分庁が不開示事由を主張立証し、原告がそんなことは理由にならないと反論する形で進むのであるが、処分庁が何も言わない何も出さないとなると原告としても主張立証に難渋することとなる。本件では幸運にも、内部告発直前で口封じのために逮捕された元大阪高検公安部長の三井環氏と法務大臣の裏金否定のコメントに義憤に駆られて内部告発した元検察事務官(副検事)の高橋徳弘氏という2人の証人を立てることができた。三井証人は大阪拘置所内での所在尋問であった。しかも高橋氏がたまたま所持していた高検事務局長の公印の押印された調活費領収書偽造依頼文書を証拠として提出することができた。
 さらに訴訟進行中に平成14年の調活費について開示請求したら驚くなかれ、高検はなんと140万に、地検も97万円に激減していた。もともと検察は公安情報についての独自の情報収集などやってはいないのだから、裏金として使うのをやめたら使い途がなくなるのは当然であろう。高検は不開示処分当時の高検総務部長を証人として出してきたが、検事歴20数年にもかかわらず「仙台高検に来るまで一度も調査活動費を使ったことはない、私の知る範囲では私の周りでも使った人はいないと思う」と言い出す始末であった。
 結局判決では原告の請求は棄却されたものの、判決理由中で「少なくとも昭和58年から平成5年にかけて、仙台高検の調査活動費に関して、本来協力者が作成すべき領収書が偽造されていたことが認められ、あえて偽造までしていることからして、調査活動費が何らかの不正な使途に流用されていたものと推認されるところである。」「しかしながら平成10年度の本件調査活動費に関して不正流用があったことについて・・・これを直接に認めるに足りる証拠はない・・・・これらによれば仙台高検の調査活動費について、平成5年頃までに少なくともその一部が不正に流用されていた事実は認められ、平成10年度の本件調査活動費の不正流用についても疑いとしては濃厚であるけれども、これを認めるまでの証拠は存しないというべきである。」と判示して平成5年頃までの検察庁の調活費不正流用の事実を認めた。そもそも仙台市民オンブズマンの目的は領収書などを開示させてそこから検察調活費の不正流用を暴く点にあった。訴訟には負けたものの図らずも審理の過程で調活費の不正流用を明らかにすることができ、実質的には目的を果たし得たものと考えている。
 本判決は、情報公開訴訟として見た場合には、①情報公開法5条4号の不開示事由の(不存在の)立証責任を原告に負わせ、不開示処分が裁量権の逸脱・濫用に当たらない限り取り消せないと判示した点、②「調査活動費を支払った年月日、金額、目的などの一連の記述は独立した一体的な情報をなすものであってそれぞれについて個別に4号該当性を検討すべきではない」として、いわゆる情報の一体性論を認めた点において、情報公開法の解釈としては評価できない。しかし後難を恐れてか国会も会計検査院もマスコミも及び腰、あまつさえ疑惑隠しのためになりふり構わず検察幹部まで逮捕・起訴してしまう検察に対し、正面から不正流用の事実を認めた勇気は称賛に値する。


平成15年7月5日検察調査活動費シンポジウム発言メモ(坂野)
① 検察調活費開示請求、提訴の経緯
  情報公開法の13年4月1日施行に当たりオンブズマンとして何をターゲットにするか議論。11年5月に内部告発に基づく検察調活費裏金疑惑が週刊新潮に掲載されていたこと、県警報償費を追求していたことから高検、地検の平成10年度調活費について開示請求。他に外務省機密費、公安調査庁調活費も開示請求。
  支払明細と領収書は不開示だったが開示された月別の金額を見ると毎月きれいに使い切り。使い切りの陰に裏金ありというのは宮城県の不正支出問題追求から得た経験則。裏金作りを確信。
  検察を相手にすることに慎重論もあったが勢いで提訴。この時点では某検察幹部の内部告発のうわさは聞いていたが実際に三井証言や高橋証言を得られるとは思っていなかった。
⑦ 調活費の支出の推移を見るため11年、12年の調活費についても開示請求。結果は高検10年960万円が12年は297万に、地検10年840万円が12年は346万円に激減。しかも11年から突如として翌月への繰り越しや端数が出始めた。裏金内部告発への対応と推測された。
  さらなる裏付けのため最高検を含む全検察庁の10年から13年の調活費開示請求。結果は10年度の使い切りと11年度以降の総額の激減、繰り越し・端数出現が例外なく見られた。
  念のため8年、9年分も開示請求。むしろ総額は増加傾向、全額使い切りが判明。
  結論として10年まで裏金として使い放題だったのが裏金の内部告発を受けて11年3月以降疑惑回避のための減額、繰り越し、端数処理を行い始めたことは明白。
⑩ 告発直前での三井逮捕を知り拘置所での所在尋問検討。三井弁護団を通じて訴訟記録を拘置所に差し入れ三井氏に依頼。快諾。
  三井逮捕の時点での検察の主張は公安情報の場合は検察庁の長に裁量権の逸脱がなければ不開示事由の立証は不要というもの。原告はだったら裏金隠蔽のための不開示決定であって裁量権の濫用だと主張。裏金隠しのための不開示決定であることを立証趣旨として三井証人申請。この立証趣旨では裁判所も採用せざるを得なかった。
  三井尋問では実際の調活費の支出の流れ、裏金として検察庁トップの遊興費、来庁する検察幹部の接待費に使われている実態、裏金作りに協力させられていた職員のぼやき、内部告発後の隠蔽工作等を体験に即して詳述。検察側の反対尋問は全く奏功しなかった。訟務検事の尋問能力の欠如を露呈。
  高橋証言は全く予想外の出来事。調活費の支払があったことを偽装するための偽造領収書作成を自ら行ったとの証言。しかも高検事務局長の公印の押捺された偽造依頼の文書を所持。検察側は依頼した事務局長の証人申請に反対。文書の存在も確認できないの一点張り。事務局長の証人申請が却下されたら公印の鑑定申請でもしようかと思っている。
⑬ 被告は調活費は適正に使用された。そうでないというなら原告が立証せよとの一点張り。調活費の減少についてはコンピューター整備費用に流用したからとの主張。11年以降端数が出始めたのは外部の者との情報交換会を行うようになったからとのこと。
  しかし平成14年の調活費開示請求したらさらに驚くべき事実。高検はなんと960万から140万に激減。しかも弁当代(情報交換会費用)はゼロに逆戻り。10年まで毎月大差なかった支出額が極端にでこぼこで8月はゼロ。8月全部夏休みとはさぼりすぎではないか。
  地検は840万円がなんと97万円。弁当代同じくゼロ。しかも支出のほとんどが1月2月3月に集中。年度末の予算消化のための道路工事とはよく聞くが予算消化のための調活とはなさけない。
  このまま行くと間違いなく数年先に調活費はゼロになる。裏金として幹部が遊興費に使っていたことを自白しているようなもの。ちなみに高検総務部長の高井尋問ではコンピューター整備は既に完了しているとのこと。だったら元に戻るはずがゼロに近づいている。
  高検の高井尋問では自分は仙台高検総務部長になるまで調活費を使った調査を行ったことは一度もなく自分の知る限りそんなことをやっている同僚はいないとのこと。地検の元次席北村証人の証言でも現在東京地検公安部長なので現在のことは言えないがそれ以外の時期に調活費を使った調査活動などやったことはないとのこと。北村は調査活動の結果を記載した文書はなく調査活動の結果の引き継ぎもされていないとのこと。やってないことを自白しているようなもの。2人とも偽証罪に問われるのは避けたいらしい。
  現在支出当時の検事長と検事正、高橋氏に偽造を依頼した事務局長の証人申請中。採用されれば裁判所は原告を勝たせるつもり。
⑯ 僅か4年間で10分の1近くに減るような調活費が真実調査活動に使用されていたなどということを信じる人間がいるのか。百の理屈よりもこの数字が全てを物語っている。一部についてでも裏金として使われていればそれを隠蔽しようという意図での不開示決定だと認定することは可能。裁判所には常識が問われている。この裁判は単なる情報公開訴訟ではない。検察の暴走を止める最後の戦いだと位置づけるべき。検察には今カウンターパートがいない。政治家は汚職の摘発を恐れて検察には何も言わないし、マスコミも捜査情報欲しさに検察には何も言えない。日弁連も今や法務官僚の言いなり。せめて裁判所には頑張ってもらいたい。しかし裁判所から出向している訟務検事の無能ぶりを見るとそれも無理か。第一線の検察官は清潔だしよくやっていると思う。それだけに幹部の腐敗は許せない。カラ出張・カラ懇談を認めても宮城県は信頼を失ってはいない。是非とも勝訴して検察が自ら非を認める切っ掛けとしたい。

2010年1月28日 (木)

検察リークは明らかな犯罪行為だ

リンク: 石川容疑者 小沢氏に収支説明 16年報告書の提出前(産経新聞) - Yahoo!ニュース.

 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件で、衆院議員の石川知裕容疑者(36)が東京地検特捜部の調べに、平成16年分の政治資金収支報告書の提出前に、陸山会など関連政治団体の収支一覧表を作成し、小沢氏に内容を説明したと供述していることが28日、関係者への取材で分かった。元私設秘書の池田光智容疑者(32)も19年分の収支報告書について小沢氏に同様の説明をしたと供述しているという。

 またまた検察リークですか。「石川知裕容疑者が東京地検特捜部の調べに、・・・と供述していることが28日、関係者への取材で分かった」です。特捜部の取調に対しての供述内容は、絶対に少数の特捜検事にしか分かりません。もちろん直接の取調担当検事は、捜査キャップと副部長には報告するでしょうが、トップシークレットとしてそれ以上漏れることは考えられません。それが産経新聞に伝わるということは、特捜の担当検事ないし報告を受けた幹部が、国家公務員法の守秘義務に違反して秘密漏洩罪を犯しているということです。産経新聞の記者がそれを唆したのであれば同罪の共犯です。このような犯罪行為が堂々と紙面に書かれ、それについて誰も何も言えないというのは民主主義の危機でしょう。
 これは小沢が犯罪を犯したかどうかとは全く別の次元の話です。小沢の容疑の捜査であれば守秘義務など守らなくてよい、法律を犯しても構わないという検察の順法精神の欠如を如実に示しています。検察の正義を振りかざす前に、少なくとも国家公務員法は守って欲しいものです。
 法務省は検察リークについて、そのようなことはないと答弁しました。しかしではどうして取調担当検事らしか知り得ない供述内容が報道されるのか、その理由については全く答えていません。確かに逮捕時期がいつになるかとか、起訴されるか不起訴になるかということであれば、積極的なリークがなくとも取材で書けるかもしれません。しかし供述内容については取調担当検事以外の者に対する取材で書けるものではありません。もしこれが検察リークでないのなら、マスコミは取材もせずにいい加減な記事を書いていることになるのでしょう。マスコミは取材源の秘匿を盾に説明しようとしませんが、取材源自体を明かさなくとも、取材の手法くらいは説明できるはずです。それすらしないとなれば検察と組んで秘密漏洩罪を犯していると言われても仕方ないでしょう。
 マスコミは国民の知る権利を持ち出して正当化するのかもしれませんが、それならば検察自身が一定の結論を出した段階できちんと記者会見して捜査の経過を説明すればよいことです。
 私は今回の検察の捜査は、参院選で民主党が過半数を占めることと取調の可視化を妨害するための国策捜査だと思っています。しかし、仮にそれが当たっていないとしても、世論を誘導し、あるいは世論の動向を知るために秘密を漏洩するような捜査手法は許されるべきではありません。
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仙台水族館の需要予測

リンク: 河北新報 東北のニュース/松島水族館移転に10億円 仙台市が出資固める.

 マリンピア松島水族館(宮城県松島町)の仙台市への移転計画で、市が経営主体の新会社に10億円を出資する方針を固めたことが24日、分かった。経済波及や社会教育の面で出資以上の効果が期待できると判断した。25日以降、事業内容や出資の枠組みなどを市議会に説明し、2010年度一般会計当初予算案に盛り込む方向で調整を進める。市の出資が正式決定すれば、移転計画は大きく進展する。
 移転地は、宮城野区の仙台港背後地にある市有地「高砂中央公園整備地」(14万5000平方メートル)の一部。移転計画では、公園内の約3万6000平方メートルの敷地に、鉄筋コンクリート2階、延べ床面積約1万平方メートルの新水族館を建設する。東北初の屋外イルカプールや大水槽などを設置し、展示も現在の300種4000個体から、400種3万個体に大幅拡充する。 
 新会社への出資は、仙台市の10億円のほか、仙台急行が11億円、国土交通省の外郭団体「民間都市開発推進機構」(東京)が9億円、宮城県内の民間企業などが計約10億円を計画する。移転の総事業費は約83億円で、残りの約40億円は都銀や地元金融機関から融資を受ける。用地は市が事業者に有償で貸与する。

 悪い話ではないと思っていたが、需要予測を聞くととんでもない。収支計画では初年度入場者数150万人、4年後が83万人で以後持続するとされている。しかし松島水族館はピーク時が83万人、現在は33万人だ。首都圏からの集客も可能でより規模の大きいアクアマリン福島ですら初年度116万人、3年後は70万人台だ。仙台水族館の需要予測はどう考えても過大だろう。仙台市はこれまでアエル、あすと長町を始めことごとく甘い需要予測で失敗を重ねてきた。地下鉄東西線も間違いなく需要予測ははずれるはずだ。宮城県も仙台空港アクセス線が需要予測の65%しか乗客がなく破綻に瀕している。これまで需要予測が外れなかった公共事業があっただろうか。仙台市や宮城県はいったいいつになったらまともな需要予測に基づいた事業をするようになるのだろう。
 需要予測が外れて赤字になっても抽象的な「公益性」を理由に税金で補填すればよいと思っているのだろうか。それとも需要予測が外れた時には決めた市長や幹部はもう引退しているからそんなことは気にならないということだろうか。
 仙台水族館自体に反対ではないが、需要予測をやり直して、堅く見積もった規模に縮小すべきだろう。民間保育所の休日保育が仙台市の補助金増額で継続されることになったそうだが、税金はそういうことにこそ使ってもらいたい。

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2010年1月27日 (水)

検察はこれでも正義のヒーローなのでしょうか

リンク: 検察審査会、初の起訴議決=元県警副署長、刑事裁判に-明石歩道橋事故・神戸(時事通信) - Yahoo!ニュース.

検察審査会、初の起訴議決=元県警副署長、刑事裁判に-明石歩道橋事故・神戸
 兵庫県明石市で2001年7月、花火大会の見物客ら死者11人、負傷者247人を出した歩道橋事故で、業務上過失致死傷容疑で書類送検され、神戸地検が嫌疑不十分で不起訴とした榊和晄・元兵庫県警明石署副署長(62)について、神戸第2検察審査会は27日、法的強制力を持つ「起訴議決」をした。今後、裁判所が指定した検察官役の弁護士が業務上過失致死傷罪で起訴する。
 昨年5月に制度が導入された改正検察審査会法の施行後、初の起訴議決。地検はこれまで元副署長を4回不起訴としてきたが、一般市民から選ばれた検察審査会の「民意」によって、初めて法廷で刑事責任が問われる。
 遺族は改正法施行に合わせ審査請求し、神戸第2検察審査会が昨年7月、地検は起訴すべきだとする「起訴相当」を議決。しかし、地検は同9月に再び不起訴とした。

 検察の無謬性に対する執着と警察幹部とのもたれ合い、庇い合いを如実に示している。検察審査会は、裁判員と同じように一般市民から無作為に選ばれる審査員によって審査される。その審査会が起訴相当の議決をしているのに検察は4度にわたって不起訴にした。二度目で考え直せばよかったものを、2度不起訴にした以上その後はもう後に引き返せなかったのだろう。この件では下っ端の警察官(地域官)は既に起訴され有罪になって上告中だ。下の者に罪を背負わせて幹部を護ろうとしたのだろうが無駄だったようだ。検察審査会は議決において「榊元副署長は同署の警備本部副本部長として事故を予見できたのに、不十分な雑踏警備計画を理解せず、是正しなかったうえ、当日も歩道橋の状況を把握しなかったため、事故が発生した」と指摘したが、当然の判断だろう。
 それにしても警察も検察も一切補充捜査には協力しないだろうし、証拠だって全部見せるかどうか分かったものではない。これから検察官役を務める弁護士は大変だろう。多分この副署長の弁護人には大物ヤメ検(検察官を辞めて弁護士になった者のこと-特捜部を辞めたヤメ検は何故かとっても犯罪者に人気がある)が付いて法廷で徹底抗戦するだろう。検察官役の弁護士には頑張ってもらいたい。
 検察庁にとって一般市民の声は雑音程度にしか聞こえていないのだろう。その検察が市民の代弁者、正義の権化のような顔をして小沢潰しに狂奔しているのだから滑稽だ。もし検察が本当に政治資金の適正化を目指して捜査しているなら、小沢だけということはないだろう。多くの政治家の政治資金報告書に、多かれ少なかれ虚偽記載があることは常識であり、小沢だけをねらい打ちにするのはそれなりの理由があると考えるべきだ。おそらく参院選で民主党が過半数を獲得するのを阻止したいのだろう。検察は、民主党が衆参両院で過半数をとれば、取調過程の可視化法案は通るだろうし、これまで検察だけで決めてきた検察や法務省の人事にも手を突っ込まれかねないと危惧しているのだろう。
 検察庁の裏金作りを告発しようとして直前に逮捕起訴され有罪判決を受けた三井環氏が今月出所した。マスコミは検察の裏金について全く報道しないが、検察の裏金は民事裁判でも刑事裁判でも判決理由の中では認定されているのである。当時の自民党が庇って結局うやむやにされてしまったが、検察の裏金に目を瞑って検察を正義の味方に仕立て上げているマスコミの責任は重大だ。検察が正義で政治家は金にまみれた悪党という単純な図式は国民受けするのだろうが、そんな単純なものでないことはマスコミも承知のはずだ。検察権力の行使の在り方が問われている現在、もう一度検察の裏金を検証する記事を書くマスコミが一社くらいあってもよさそうなものだが、一切口をつぐんでいる。小沢の説明責任を言うなら、検察の裏金についても検察の説明責任を問うべきだろう。

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2010年1月21日 (木)

裏金にまみれた検察を怖がるな

リンク: <鳩山首相>「熱っぽい行動控えるべきだ」 党内検察批判に(毎日新聞) - Yahoo!ニュース.

<鳩山首相>「熱っぽい行動控えるべきだ」
 党内検察批判に鳩山由紀夫首相は20日夜、民主党内で高まる検察批判について「党も捜査の行方を冷静に見守るべきだ。あまり熱っぽく行動することは控えて冷静にした方がいい。そう求めたい」と述べ、党代表として沈静化を図る考えを示した。首相官邸で記者団に語った。

 やっぱり鳩山はボンボンだね。今戦わないと小沢も民主党は検察庁に潰される。石川容疑者の供述内容が次から次へと報道されているが、取調官以外誰も知りようがないのだから検察庁がリークしていることは明らかだ。これは国家公務員法に違反する秘密漏洩罪であり犯罪であることは間違いない。検察庁はこの秘密漏洩罪で今までいったい何人の公務員と共犯とされる民間人を逮捕起訴して口封じしてきたと思っているのか。被疑者の供述内容をリークして、それに対する世論の反応を見ながら捜査方針を決めるのは検察の常套手段だが、秘密漏洩罪に該当する以上そんなことは許されるべきではない。
 そういうことをやっておいて自らの情報について情報公開を求められるととたんに「捜査の秘密」を盾に一切の情報公開を拒んできたのが検察だ。そうやって自らの100億円に上る調査活動費を名目とした裏金を隠し続け、幹部の遊興費に費消してきたのである。
 国家公務員の義務である守秘義務違反が明白である以上きちんと検察幹部を国会で証人喚問して追求すべきだ。戦わなければ小沢は逮捕起訴されるだろう。悪人面の小沢がそうなれば国民は拍手喝采するかもしれないが、もう二度と検察には手が出せなくなる。取り調べ過程の録画などは吹き飛んで、これまで同様検察の自白強要による冤罪が繰り返されることになる。
 今の検察には政治的野心がないのでまだ救われるが、戦前において体制を批判する者を片っ端から治安維持法違反で逮捕起訴し、戦争に導いたのは当時の検察である。いつ昔のような思想検察に逆戻りするか分かったものではない。誰も怖くて手が出せない、批判もできない、裏金は使い放題というような組織を存続させるべきではない。検察は政治家が考えているほど強い組織ではない。私は検察と警察の裏金疑惑をめぐる裁判で検察官と警察官の証人尋問を経験した。しかし、両者の対応には歴然とした違いがあった。検察官は賢いし組織防衛の意思も強固ではないから決して後で偽証罪に問われかねないような嘘は言わない。「私の知る範囲ではありません。それ以外のことは分かりません」と答えるだけだ。警察官は違う。平気で嘘を言う。地べたを這いずり回って生きている警察はやはり強い。それだけ利権構造も強固なのだが。検察の場合は幹部の国会への証人喚問と人事権発動をちらつかせるだけで必ず勝てる。民主党には民主主義を護るために頑張ってもらいたい。その上で民主党には是非最も腐敗した官僚組織である警察にメスを入れてもらいたい。

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2010年1月17日 (日)

検察権力に幻想を抱くべきではない

リンク: 小沢氏「検察と戦う」、首相「戦ってください」 異常事態、批判に同調(産経新聞) - Yahoo!ニュース.

 鳩山由紀夫首相は16日、「(検察と)戦っていく」と宣言した民主党の小沢一郎幹事長の続投を認めたばかりか、「小沢氏を信じています。どうぞ戦ってください」と検察当局との全面戦争を容認した。行政の長である首相が、行政機関の一つでもある検察批判に同調することは極めて異常な事態と言わざるを得ない。首相は野党時代、検察当局の捜査を「国策捜査」と批判した過去もあり、最高権力者としての資質が問われている。(船津寛)
と産経新聞は言っている。

 何が極めて異常な事態なのか分からない。与野党を問わず政治資金が透明だなどと考えている国民はいないだろう。それでよいとは思わないが政治と金の問題は今に始まったことではない。政治資金の虚偽記載など立件しようと思えばいくらでも立件できる。問題はどの時期に誰をターゲットにしたかだ。昨年の西松建設事件は衆院選で自民党を有利にするための国策捜査と考えるのはごく自然なことだろう。
 検察の思惑ははずれて選挙では民主党が圧勝した。振り上げた拳を下ろせなかった検察は、政治資金規正法違反の在宅起訴でお茶を濁そうとしたが、小沢氏はそれに従わなかった。この上参院選で民主党に圧勝でもされようものなら検察が最も嫌がる取調の可視化法案が通ってしまうし、検察や法務省の幹部人事にも手を突っ込まれかねないので小沢の側近逮捕に踏み切ったのだ。検察の利益を護るための国策捜査そのものであり、批判されて当然だろう。鳩山総理は検察批判ではないと釈明したようだが、仮に検察批判の意図があるとしてもそれのどこが悪いのか。では一体誰が検察を批判するのか。
 産経新聞は検察の裏金疑惑については追及しようとすらしなかった。検察庁から刑事ネタをもらえなければ商売にならないからだ。国民はともすれば検察という存在に実際の姿とは異なる幻想を抱きがちだ。政治や金の問題から超然とした正義の味方であってほしいという願望であろう。もちろん第一線の検察官は清廉で有能だと思う。しかし検察組織となるとそうはいかない。民主主義社会にあってはアンタッチャブルな行政機関は存在させてはならない。本来検察権力の行使についても法務大臣の指揮権、裁判所による令状審査、会計検査院による検査などのチェック機能が予定されている。しかし実際にはそれらは機能せず、マスコミの監視も極めて手ぬるいため事実上検察庁は誰からも批判も監視もされないアンタッチャブルな存在になってしまっている。だから100億円に上る検察裏金問題もうやむやにされてしまった。
 贈収賄ならいざ知らず、政治資金の問題は検察が介入すれば解決できるという性格のものではない。基本的に政治が解決しなければならない問題だ。政治が解決しないなら国民が選挙で厳しい審判を下せばよいことであって特定の意図を持って検察権力が介入すべきことではない。戦前の思想検事がどのような政治的役割を担い、日本を戦争に導いたかを忘れるべきではない。

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小沢(裏献金疑惑)VS検察庁(裏金疑惑)

リンク: 石川容疑者、5000万円口座へ 水谷建設から「裏献金」の3日後(産経新聞) - Yahoo!ニュース.

 水谷建設から「裏献金」の3日後民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入に絡む事件で、政治資金規正法違反容疑で逮捕された元会計事務担当の民主党衆院議員、石川知裕容疑者(36)が、水谷建設側から現金5千万円を受け取ったとされる日から3日後の銀行の翌営業日に、陸山会の口座に同額を入金していたことが16日、関係者の話で分かった。石川容疑者はこの分を含む4億円を土地代金の原資にしていた。この状況から東京地検特捜部は水谷建設の裏献金が土地代金の一部に充てられたとみている。一方、石川容疑者が特捜部に「わざと記載しなかった」と一転して容疑を認めていることも関係者への取材で分かった。「小沢先生の指示ではない」としながらも、虚偽記載の理由については「今は言えない」とも供述している。

 ここでいう「関係者の話」とは誰の話なのだろう。石川容疑者の供述内容がどうして産経新聞に分かるのだろう。答えは簡単で、東京地検がマスコミにリークしているのだ。リークといえば聞こえがいいが、立派な犯罪である。国家公務員は職務上知り得た秘密を漏洩してはならず(国家公務員法100条1項)、漏洩した場合には1年以下の懲役に処せられる。被疑者の供述内容など取り調べに当たっている検察官以外に分かるはずはないのであって、それが新聞に載るということはその担当検察官が秘密漏洩行為を行っていることに間違いない。検察はこの秘密漏洩罪をよく使って情報封じをやる。古くは沖縄返還時の密約を報じた西山記者をこの手で逮捕起訴している。自分のしていることを棚に上げてよくできるものだ。
 自分のことを棚に上げるといえば、検察の調査活動費を思い出す。検察庁は平成10年まで毎年5億円を調査活動費として予算計上し使っていた。調査活動費の使途は捜査協力者から情報を得る際の謝礼金とされていたが、実際にはお金で情報を提供してくれるような捜査協力者は存在しない。もちろん捜査協力者はいるが情報提供に当たって謝礼を払うことはない。調査活動費は全て裏金とされ検察幹部の遊興費や餞別に使われていたとされている。およそ20年間は続いたであろうから合計100億円の裏金を検察庁は使ったことになる。小沢氏の裏献金などは、仮に事実だとしても検察庁のやったことに比べればかわいいものだ。
 調査活動費はマスコミや仙台市民オンブズマンの追求によって今ではほとんど予算計上されておらず、検察庁は裏金作りはやめたようだが、やめればいいというものではない。小沢氏を追求するなら自らの100億円の裏金を返してからにして欲しい。警察はマスコミの(手ぬるい)追求やオンブズマンの追求にもかかわらず捜査活動費や旅費を使った裏金作りをまだやめていない。それに比べれば検察庁は自浄能力がまだあると言えるが、裏金にまみれた組織が裏献金の捜査を行うというのはブラックジョークのようなものだ。
 検察の裏金問題では、元大阪高検公安部長だった三井環氏が裏金問題を告発するテレビ番組出演前日に逮捕された。この時も検察は三井氏についてあることないことマスコミにリークして暴力団と結託した極悪人に仕立て上げた。検察権力とは本当に恐ろしいものだ。鈴木宗男議員の件にしろライブドア事件にしろ最近の検察庁の国策捜査は目に余る。しかし今の日本には検察権力に正面から対抗できるものが存在しない。刑事ネタで食べているマスコミは検察や警察に睨まれたらひとたまりもないので、不祥事が起きようが冤罪が起きようが通り一遍の批判ですましてしまう。逮捕が怖いから政治家も検察には手が出せない。公安委員会は全くの飾り物だ。裁判所も逮捕状請求を却下することはほとんどなくチェック機関としての機能を果たしていない。汚職がはびこっていないだけ日本の捜査機関はまともだとは思うが、今のような実効性のあるチェック機関が存在しない状態はよくない。
 この問題では多分世論は検察の味方をするのだろう。しかし検察権力行使の在り方という点から私は小沢氏を支持したい。私は小沢氏によい感情を持っていないし、枝野氏が仕切る事業仕分けをぶち壊すなど、その専横ぶりは目に余ると感じている。しかし検察に正面から戦いを挑めるのは小沢氏くらいしか今の日本には見当たらない。検察権力の暴走を止めるという意味で今回は頑張ってもらいたい。

 検察の裏金問題と言っても多分もう忘れ去られているだろうから、以下に昔書いたものを掲載する。

検察調査活動費の情報公開訴訟(仙台地方裁判所平成15年12月1日判決)

 仙台市民オンブズマンは、情報公開法施行に当たり、仙台高検、地検の平成10年度調査活動費について開示請求した。支払明細と領収書は不開示だったが、開示された月別の支払額を見ると毎月きれいに使い切られていた。使い切りの陰に裏金ありというのは幾多の不正支出問題追求から得た経験則であり、この時点で裏金作りを確信した。次に調活費の支出の推移を見るため、11年度、12年度の調活費についても開示請求したところ、高検は10年度960万円が12年度297万に、地検は10年度840万円が12年度346万円に激減していた。しかも11年度から突如として翌月への繰り越しや端数が出始めた。内部告発に基づく検察調活費裏金疑惑が週刊誌上に掲載された(平成11年5月)ことへの対応と推測された。さらなる裏付けのため全検察庁の10年度から13年度の調活費について開示請求したところ、10年度の使い切りと11年度以降の総額の激減、繰り越し・端数出現が例外なく見られた。以上の調査から10年度まで裏金として使い放題だった調活費について、裏金の内部告発を受けて11年3月以降疑惑隠蔽工作を行い始めたことは明白と思われた。そこで平成13年6月1日仙台高検検事長を被告として不開示処分取消訴訟を提起した。
 本来情報公開訴訟における不開示事由の主張立証責任は処分庁にあるが、被告は情報公開法5条4号が「支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」と規定していることを理由に、不開示事由の不存在についての主張立証責任が原告にあると主張し、具体的な主張立証をしようとしなかった。調活費の使途についても「調活費は適正に使用された。そうでないというなら原告が立証せよ」の一点張りで、調活費の急減の理由についてはコンピューター整備費用に流用したからと主張した。
 情報公開訴訟は普通処分庁が不開示事由を主張立証し、原告がそんなことは理由にならないと反論する形で進むのであるが、処分庁が何も言わない何も出さないとなると原告としても主張立証に難渋することとなる。本件では幸運にも、内部告発直前で口封じのために逮捕された元大阪高検公安部長の三井環氏と法務大臣の裏金否定のコメントに義憤に駆られて内部告発した元検察事務官(副検事)の高橋徳弘氏という2人の証人を立てることができた。三井証人は大阪拘置所内での所在尋問であった。しかも高橋氏がたまたま所持していた高検事務局長の公印の押印された調活費領収書偽造依頼文書を証拠として提出することができた。
 さらに訴訟進行中に平成14年の調活費について開示請求したら驚くなかれ、高検はなんと140万に、地検も97万円に激減していた。もともと検察は公安情報についての独自の情報収集などやってはいないのだから、裏金として使うのをやめたら使い途がなくなるのは当然であろう。高検は不開示処分当時の高検総務部長を証人として出してきたが、検事歴20数年にもかかわらず「仙台高検に来るまで一度も調査活動費を使ったことはない、私の知る範囲では私の周りでも使った人はいないと思う」と言い出す始末であった。
 結局判決では原告の請求は棄却されたものの、判決理由中で「少なくとも昭和58年から平成5年にかけて、仙台高検の調査活動費に関して、本来協力者が作成すべき領収書が偽造されていたことが認められ、あえて偽造までしていることからして、調査活動費が何らかの不正な使途に流用されていたものと推認されるところである。」「しかしながら平成10年度の本件調査活動費に関して不正流用があったことについて・・・これを直接に認めるに足りる証拠はない・・・・これらによれば仙台高検の調査活動費について、平成5年頃までに少なくともその一部が不正に流用されていた事実は認められ、平成10年度の本件調査活動費の不正流用についても疑いとしては濃厚であるけれども、これを認めるまでの証拠は存しないというべきである。」と判示して平成5年頃までの検察庁の調活費不正流用の事実を認めた。そもそも仙台市民オンブズマンの目的は領収書などを開示させてそこから検察調活費の不正流用を暴く点にあった。訴訟には負けたものの図らずも審理の過程で調活費の不正流用を明らかにすることができ、実質的には目的を果たし得たものと考えている。
 本判決は、情報公開訴訟として見た場合には、①情報公開法5条4号の不開示事由の(不存在の)立証責任を原告に負わせ、不開示処分が裁量権の逸脱・濫用に当たらない限り取り消せないと判示した点、②「調査活動費を支払った年月日、金額、目的などの一連の記述は独立した一体的な情報をなすものであってそれぞれについて個別に4号該当性を検討すべきではない」として、いわゆる情報の一体性論を認めた点において、情報公開法の解釈としては評価できない。しかし後難を恐れてか国会も会計検査院もマスコミも及び腰、あまつさえ疑惑隠しのためになりふり構わず検察幹部まで逮捕・起訴してしまう検察に対し、正面から不正流用の事実を認めた勇気は称賛に値する。

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2010年1月 9日 (土)

<日弁連>会長選きょう公示 法曹人口問題が争点に 主流派VS著名弁護士(毎日新聞) - goo ニュース

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<日弁連>会長選きょう公示 法曹人口問題が争点に 主流派VS著名弁護士
 6日公示の日本弁護士連合会の会長選が、かつてない盛り上がりをみせている。立候補するのは、現執行部の路線を継承する前副会長の山本剛嗣(たけじ)氏(65)と、多重債務問題への取り組みで知名度の高い宇都宮健児氏(63)。従来は主流派の事前調整で擁立された候補の信任投票の様相だったが、今回は激戦模様。法曹人口問題への対応が最大の争点で、若手弁護士の支持取り込みもカギだ。会長選は全国約2万7000人の弁護士全員が投票権を持つ。投開票は2月5日。任期は4月から2年間。これまでは大規模弁護士会の主流派が調整し、東京の3弁護士会や大阪弁護士会の会長経験者を「統一候補」として擁立するのが通例。その流れで今回は元東京弁護士会会長の山本氏が推された。これに対し宇都宮氏は「政権交代など政治・社会情勢が変化する中、市民のための日弁連をつくる好機」と挑む。東京弁護士会所属でオウム真理教犯罪被害者支援機構の理事長を務め、08年末の「年越し派遣村」で名誉村長になった。日弁連の最大課題は法曹人口増員。政府は司法試験合格者を10年までに段階的に年3000人に増やし、18年に法曹人口を5万人とする計画を立てた。しかし、質の低下や過当競争への懸念が弁護士の間に強く、日弁連は09年3月「今後数年間の合格者数は現状の年2100~2200人を目安に」とペースダウンを提言した。山本氏はこの提言作りにかかわり、会長選にも同様方針で臨む。「09年の合格者数2043人を当面の目安とする」と強調。一方、宇都宮氏は「合格者数を1500~1000人に減らすべきだとの一部弁護士会の決議に耳を傾け、現状より合格者を減らす」と現執行部との違いを鮮明にしている。「組織票」による票読みが難しくなってきた中で、若手弁護士の投票動向がカギになり、両陣営とも若手の支援強化を掲げる。【銭場裕司、伊藤一郎】

 私は仙台弁護士会の執行部にいたときに日弁連の定期総会に出たことがあるが、その内容のなさにびっくりしたものだ。会員の質問に対する日弁連執行部の木で鼻をくくったような内容のない答弁と、反対派の感情的な反対討論だけで、実のある議論はなされない。まるで議案を通すための儀式のように思えた。毎年のように白熱した討論がなされ、時には執行部が議案の撤回に追い込まれたり議案が否決される場合もある仙台会の定期総会とは比べものにならないと感じたものだ。記事にあるような「大規模弁護士会の主流派が調整し、東京の3弁護士会や大阪弁護士会の会長経験者を統一候補として擁立する」という日弁連会長選挙の在り方自体がこのような中味のない日弁連総会につながっているような気がする。長年会務にどっぷりはまって雑巾掛けをしないと東京3会や大阪弁護士会の会長にはなれない、そういう人間でないと日弁連の会長にもなれない。すると、会長になったときにはしがらみにがんじがらめになって、従前の執行部の路線を踏襲するほかないということになるのだろうか。
 折しも政府は、司法試験の年間合格者を「2010年ごろに3000人に増やす」という計画を下方修正する方向で見直す方針を固め、有識者会議を設置し、法曹人口の全体数や合格者数の目標を作成し、改めて閣議決定することになった。見直しの理由は、このまま計画を進めたのでは「法曹の質が確保できず、弁護士の就職難が深刻になる」ということだ。
 山本候補は、日弁連の「今後数年間の合格者数は現状の年2100~2200人を目安に」とのペースダウンの提言作りにかかわり、会長選にも同様方針で臨むとのことだ。しかし合格者が2043名の現在においてすら法曹の質の低下が危惧され、弁護士の就職難が深刻化しているのであるから、これでは全く解決にならないことは明らかだ。せっかく政府が従前の無謀な弁護士増員の閣議決定を見直して、法曹人口の全体数や合格者数の目標を改めて閣議決定しようとしているのに、このような考え方の候補者が会長になったら2100~2200人への見直しにしかならないことは火を見るよりも明らかだろう。
 法曹の質の低下を防ぐには増員見直しもさることながら、司法研修所における研修の在り方の見直しも不可避である。修習生の話では現在のロースクールでは判決起案はなし、起訴状の起案もなし、訴状の起案は模擬裁判の時に1回だけというのが教育の現状とのことだ。これで前期修習がなくいきなり実務修習が始まる。しかも就職が決まるまでは遠方の事務所も含めて数十箇所の事務所訪問をするのが当たり前というのでは実務修習に専念することなどできるはずもない。今の修習制度は根本的に改めるべきで、少なくとも前期修習は復活すべきで、さらに修習期間を1年6ヶ月に戻すべきである。ところが研修所の収容能力の限界は1500名であり、新たに研修所を造らない限り(財務省がそんなこと認めるはずもないが)2100~2200人では修習制度の見直しも不可能となる。
 山本候補はおそらくこのようなことは分かった上でなお従前の執行部の路線との整合性に拘泥して思い切った増員見直しを言い出せないでいるのだろう。今度の新会長は、就任後直ちに法曹人口の全体数や合格者数の目標を作成し直す有識者会議や政府への対応を迫られるのであって、従前の執行部路線の踏襲ではなく、思い切った政策変更を実行しうる者でなければならない。この期を逃しては行き過ぎた増員政策を見直す機会は二度と訪れない。宇都宮候補は「合格者数を1500~1000人に減らすべきだとの一部弁護士会の決議に耳を傾け、現状より合格者を減らす」というが、実際に決議を上げたのは一部弁護士会であるが、他の弁護士会も日弁連に気兼ねして決議を上げていないだけで、本音は「合格者数を1500~1000人に減らすべき」というのが会内世論であろう。このような玉虫色の表現ではなく「少なくとも合格者数を1500名に減らす」と明言すべきだろう。
 それにしても、いかなる職業よりも自由で独立した存在であるべき弁護士によって構成される弁護士会にあって、「組織票」なるものが存在するというのは誠に嘆かわしい。本来日弁連会長選挙は、弁護士会の将来にとって誰が最も望ましいかを、会員一人一人が自らの判断で決定して投票すべきものである。そうではなくどの派閥に属しているかとか、自分の先輩・後輩・同期が支持しているとかいう理由で候補者を決めて投票するがごときは弁護士として恥ずべきことだ。そういう人間は投票することなく棄権して欲しい。

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司法試験「年3000人合格目標」見直し : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

リンク: 司法試験「年3000人合格目標」見直し : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

 政府は、司法試験の年間合格者を「2010年ごろに3000人に増やす」という計画を下方修正する方向で見直す方針を固めた。無理に実現を目指せば、法曹界の質が低下しかねないためだ。法務、文部科学両省が今春にも有識者会議を設置し、適正な合格者数の検討を始める予定だ。「3000人計画」は02年3月に閣議決定され、裁判員制度の導入とともに司法制度改革の柱の一つとなっている。法務省の司法試験委員会は毎年、合格者数の目標を設定し、段階的な増員を図っている。06年に1009人だった旧司法試験を除く合格者は08年には2065人と倍増したが、09年は2043人と頭打ちになっている。これ以上のペースで合格者数を増やすと試験の質や合格最低点を下げることになるため、計画自体を見直すことにした。
 また、法科大学院も74校と当初の想定より増えており、教育水準の低下を指摘する声が強い。大学院修了生の7~8割が合格すると見込まれていたが、09年の合格率は27・6%にとどまり、合格率低迷が優秀な人材を確保する妨げになることへの懸念も出ている。
 有識者会議では、適正合格者数のほか、〈1〉法科大学院のカリキュラムの見直し〈2〉成績評価と修了認定の厳格化――などを検討し、11年にも結論を出す。政府は法曹人口の全体数や合格者数の目標を作成し、改めて閣議決定する方針だ。
[解説]合格目標下げ 司法の質低下懸念
 政府の司法試験合格者数の計画見直しは、「質の低下」を懸念する法曹界の声を反映したものだ。日本弁護士連合会は現行計画について、「法曹の質が確保できず、弁護士の就職難が深刻になる」と指摘している。合格者増加を見込んだ法科大学院の乱立についても、「優秀な教員を確保できず、教育内容が不十分な大学院が多い」という声が出ている。ただ、地方には、弁護士が足りない地域も多い。青山学院大法科大学院の宮沢節生教授は「国民が弁護士を容易に利用できるようにするためにも、法曹の人的基盤の整備は欠かせない」と語る。合格者数と法曹人口計画の見直しでは、こうした点にも目配りをすることが必要だ。(政治部 横山薫)(2010年1月5日  読売新聞)

 変われば変わる世の中だ。2年前、日弁連が法曹人口増員のペースダウン(決して合格者数の見直しではない)を言ったときは、全マスコミをあげてやれ弁護士の保身だの、身勝手だの、国民への裏切りだのと悪口雑言の総バッシングされたものだ。新自由主義者が唱えた構造改革万能論、自由競争至上主義の悪夢から覚めて正気に返ったのだろうが、マスコミ論調のいい加減さには今更ながら辟易する。
 失敗に学んで増員計画の下方修正をしようという政府の姿勢は高く評価されるが、何故誤ったのかを総括しないと同じ過ちを繰り返すことになりかねない。
 読売が指摘する「地方には、弁護士が足りない地域も多い」というのは事実だが、その解消は弁護士総数の単純増によって達成できるものではなく、公設事務所の増設や過疎地で開業する弁護士への支援を強化することによって達成されるものである。従前増員論の論拠とされた被疑者国選や裁判員制度への対応についても、現に対応できているのであるから見直しに当たっては考慮要素にはならない。法曹人口はあくまで需要予測によって決められるべきことで、法の支配を津々浦々にとか市民に身近な弁護士とかの精神訓話で左右されるべき性質のものではない。諸外国との比較についても、日本には諸外国にはない(諸外国では弁護士がその業務を行っている)税理士、司法書士、行政書士、土地家屋調査士、社会保険労務士など多数の隣接業種が存在しているのであって、それを考慮しない比較は無意味である。またアメリカには法学部は存在せず(従って法学士は存在しない)、アメリカの弁護士の大半は日本で言えば法学部を卒業したのと大差ないレベルであり、大多数の弁護士は弁護士業務ではなく企業や官庁で働いている。同じ弁護士と名がついても国によってその在り方が大きく異なる以上単純な国際比較はあまり意味がないというべきだろう。
 従前弁護士人口問題については、弁護士会内部ですら感情的と言ってもいい対立があり、不毛の論争が繰り返されてきた。論点を整理せず、本来考慮すべきでない事情を過大視したり、データの裏付けを持たない希望的観測や精神論が横行し、冷静な需要予測がなされてこなかった。増員論者は法曹人口は、供給者側が決めることではなく国民の需要が決めることだと言いながら、本来なされるべき法的需要についての基礎データの収集やその冷静な分析を行ってこなかった。その結果が誰の目にも過大と思われる年間合格者数3000人という数字である。需要予測というのは民間企業であれば設備投資に当たって日常茶飯事に行っているもので、リサーチ会社にはそのノウハウがある。希望的観測を廃して現に存する数字を基に議論をするなら需要予測において本来それほど大きな違いが出てくるはずはないのである。
 今後設置される有識者会議ではくれぐれも司法審の失敗の轍を踏むことなく、現実の数字に即した冷静な議論を期待したい。その際忘れてならないのは、今のロースクール生と既にロースクールを卒業した者の救済策の検討である。彼らは合格者数3000人、ロースクール生の8割が合格するという謳い文句を信じてロースクールに入ったのであるから、政策を変更するに当たっては当然その救済が図られるべきであろう。もっとも合格水準に達していない者に下駄を履かせて合格させるわけにはいかないが、現在の5回受験して3回落ちれば受験資格を失うという制度を改め、受験回数制限を撤廃することによって救済を図るべきだろう。
 日弁連も3000人増員を支持してきた今までの立場やメンツにこだわることなく現実に即した意見を述べるべきだろう。この点で今度の日弁連会長選挙は極めて重要な意味を持つ。派閥順送りで従前の執行部の政策を引き継ごうとする候補者には期待できない。何の根拠もなく2043名の現状維持を主張しているようだが、このような合格者数の水準によって現に法曹の質の低下が危惧され、就職難がもたらされているということを全く理解していないようだ。今回は派閥順送りではない新しい日弁連を築こうという候補者に是非頑張ってもらいたい。

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