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2010年1月30日 (土)

仙台市民オンブズマンの検察裏金追求

 仙台市民オンブズマンは、平成13年から平成17年にかけて検察庁の調査活動費を利用した裏金作りを追求しました。結局検察は裏金の存在を認めず、政府も国会も大手マスコミも追求しようともしなかったため、この問題は闇に葬られてしまいました。昨年発覚した千葉県庁の裏金問題をはじめ未だに行政機関の裏金作りは後を絶ちません。裏金作りは公金横領というれっきとした犯罪です。それを取り締まるべき検察や警察自身が巨額の裏金にまみれて私腹を肥やしているのですから裏金が日本からなくなることはないのでしょう。現在東京地検特捜部が民主党の小沢幹事長の裏献金疑惑の捜査を行っています。裏献金はあるのかもしれませんし、事実とすれば政治資金規正法に違反する違法なものです。しかしそれは企業からの献金であって税金ではありません。検察に裏献金の捜査を行う資格などないと思っています。自らの裏金を見逃してくれた自民党政権への恩返しで小沢をつぶそうとしているとしか思えません。裏金をなくすには徹底した情報公開しかありません。しかし今の情報公開法では、一定の情報については捜査の秘密、外交の秘密、防衛の秘密など行政庁が○○の秘密と言いさえすれば一切情報を公開しなくてよいことにされています。これでは裏金はなくなりません。内閣府の官房機密費、外務省の外交機密費、警察の捜査報償費は今でも裏金の温床になっているとされています。以下仙台市民オンブズマンの検察裏金追求の過程を紹介します。                     

検察調査活動費の情報公開訴訟(仙台地裁平成15年12月1日判決)について
 
 仙台市民オンブズマンは、情報公開法施行に当たり、仙台高検、地検の平成10年度調査活動費について開示請求した。支払明細と領収書は不開示だったが、開示された月別の支払額を見ると毎月きれいに使い切られていた。使い切りの陰に裏金ありというのは幾多の不正支出問題追求から得た経験則であり、この時点で裏金作りを確信した。次に調活費の支出の推移を見るため、11年度、12年度の調活費についても開示請求したところ、高検は10年度960万円が12年度297万に、地検は10年度840万円が12年度346万円に激減していた。しかも11年度から突如として翌月への繰り越しや端数が出始めた。内部告発に基づく検察調活費裏金疑惑が週刊誌上に掲載された(平成11年5月)ことへの対応と推測された。さらなる裏付けのため全検察庁の10年度から13年度の調活費について開示請求したところ、10年度の使い切りと11年度以降の総額の激減、繰り越し・端数出現が例外なく見られた。以上の調査から10年度まで裏金として使い放題だった調活費について、裏金の内部告発を受けて11年3月以降疑惑隠蔽工作を行い始めたことは明白と思われた。そこで平成13年6月1日仙台高検検事長を被告として不開示処分取消訴訟を提起した。
 本来情報公開訴訟における不開示事由の主張立証責任は処分庁にあるが、被告は情報公開法5条4号が「支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」と規定していることを理由に、不開示事由の不存在についての主張立証責任が原告にあると主張し、具体的な主張立証をしようとしなかった。調活費の使途についても「調活費は適正に使用された。そうでないというなら原告が立証せよ」の一点張りで、調活費の急減の理由についてはコンピューター整備費用に流用したからと主張した。
 情報公開訴訟は普通処分庁が不開示事由を主張立証し、原告がそんなことは理由にならないと反論する形で進むのであるが、処分庁が何も言わない何も出さないとなると原告としても主張立証に難渋することとなる。本件では幸運にも、内部告発直前で口封じのために逮捕された元大阪高検公安部長の三井環氏と法務大臣の裏金否定のコメントに義憤に駆られて内部告発した元検察事務官(副検事)の高橋徳弘氏という2人の証人を立てることができた。三井証人は大阪拘置所内での所在尋問であった。しかも高橋氏がたまたま所持していた高検事務局長の公印の押印された調活費領収書偽造依頼文書を証拠として提出することができた。
 さらに訴訟進行中に平成14年の調活費について開示請求したら驚くなかれ、高検はなんと140万に、地検も97万円に激減していた。もともと検察は公安情報についての独自の情報収集などやってはいないのだから、裏金として使うのをやめたら使い途がなくなるのは当然であろう。高検は不開示処分当時の高検総務部長を証人として出してきたが、検事歴20数年にもかかわらず「仙台高検に来るまで一度も調査活動費を使ったことはない、私の知る範囲では私の周りでも使った人はいないと思う」と言い出す始末であった。
 結局判決では原告の請求は棄却されたものの、判決理由中で「少なくとも昭和58年から平成5年にかけて、仙台高検の調査活動費に関して、本来協力者が作成すべき領収書が偽造されていたことが認められ、あえて偽造までしていることからして、調査活動費が何らかの不正な使途に流用されていたものと推認されるところである。」「しかしながら平成10年度の本件調査活動費に関して不正流用があったことについて・・・これを直接に認めるに足りる証拠はない・・・・これらによれば仙台高検の調査活動費について、平成5年頃までに少なくともその一部が不正に流用されていた事実は認められ、平成10年度の本件調査活動費の不正流用についても疑いとしては濃厚であるけれども、これを認めるまでの証拠は存しないというべきである。」と判示して平成5年頃までの検察庁の調活費不正流用の事実を認めた。そもそも仙台市民オンブズマンの目的は領収書などを開示させてそこから検察調活費の不正流用を暴く点にあった。訴訟には負けたものの図らずも審理の過程で調活費の不正流用を明らかにすることができ、実質的には目的を果たし得たものと考えている。
 本判決は、情報公開訴訟として見た場合には、①情報公開法5条4号の不開示事由の(不存在の)立証責任を原告に負わせ、不開示処分が裁量権の逸脱・濫用に当たらない限り取り消せないと判示した点、②「調査活動費を支払った年月日、金額、目的などの一連の記述は独立した一体的な情報をなすものであってそれぞれについて個別に4号該当性を検討すべきではない」として、いわゆる情報の一体性論を認めた点において、情報公開法の解釈としては評価できない。しかし後難を恐れてか国会も会計検査院もマスコミも及び腰、あまつさえ疑惑隠しのためになりふり構わず検察幹部まで逮捕・起訴してしまう検察に対し、正面から不正流用の事実を認めた勇気は称賛に値する。


平成15年7月5日検察調査活動費シンポジウム発言メモ(坂野)
① 検察調活費開示請求、提訴の経緯
  情報公開法の13年4月1日施行に当たりオンブズマンとして何をターゲットにするか議論。11年5月に内部告発に基づく検察調活費裏金疑惑が週刊新潮に掲載されていたこと、県警報償費を追求していたことから高検、地検の平成10年度調活費について開示請求。他に外務省機密費、公安調査庁調活費も開示請求。
  支払明細と領収書は不開示だったが開示された月別の金額を見ると毎月きれいに使い切り。使い切りの陰に裏金ありというのは宮城県の不正支出問題追求から得た経験則。裏金作りを確信。
  検察を相手にすることに慎重論もあったが勢いで提訴。この時点では某検察幹部の内部告発のうわさは聞いていたが実際に三井証言や高橋証言を得られるとは思っていなかった。
⑦ 調活費の支出の推移を見るため11年、12年の調活費についても開示請求。結果は高検10年960万円が12年は297万に、地検10年840万円が12年は346万円に激減。しかも11年から突如として翌月への繰り越しや端数が出始めた。裏金内部告発への対応と推測された。
  さらなる裏付けのため最高検を含む全検察庁の10年から13年の調活費開示請求。結果は10年度の使い切りと11年度以降の総額の激減、繰り越し・端数出現が例外なく見られた。
  念のため8年、9年分も開示請求。むしろ総額は増加傾向、全額使い切りが判明。
  結論として10年まで裏金として使い放題だったのが裏金の内部告発を受けて11年3月以降疑惑回避のための減額、繰り越し、端数処理を行い始めたことは明白。
⑩ 告発直前での三井逮捕を知り拘置所での所在尋問検討。三井弁護団を通じて訴訟記録を拘置所に差し入れ三井氏に依頼。快諾。
  三井逮捕の時点での検察の主張は公安情報の場合は検察庁の長に裁量権の逸脱がなければ不開示事由の立証は不要というもの。原告はだったら裏金隠蔽のための不開示決定であって裁量権の濫用だと主張。裏金隠しのための不開示決定であることを立証趣旨として三井証人申請。この立証趣旨では裁判所も採用せざるを得なかった。
  三井尋問では実際の調活費の支出の流れ、裏金として検察庁トップの遊興費、来庁する検察幹部の接待費に使われている実態、裏金作りに協力させられていた職員のぼやき、内部告発後の隠蔽工作等を体験に即して詳述。検察側の反対尋問は全く奏功しなかった。訟務検事の尋問能力の欠如を露呈。
  高橋証言は全く予想外の出来事。調活費の支払があったことを偽装するための偽造領収書作成を自ら行ったとの証言。しかも高検事務局長の公印の押捺された偽造依頼の文書を所持。検察側は依頼した事務局長の証人申請に反対。文書の存在も確認できないの一点張り。事務局長の証人申請が却下されたら公印の鑑定申請でもしようかと思っている。
⑬ 被告は調活費は適正に使用された。そうでないというなら原告が立証せよとの一点張り。調活費の減少についてはコンピューター整備費用に流用したからとの主張。11年以降端数が出始めたのは外部の者との情報交換会を行うようになったからとのこと。
  しかし平成14年の調活費開示請求したらさらに驚くべき事実。高検はなんと960万から140万に激減。しかも弁当代(情報交換会費用)はゼロに逆戻り。10年まで毎月大差なかった支出額が極端にでこぼこで8月はゼロ。8月全部夏休みとはさぼりすぎではないか。
  地検は840万円がなんと97万円。弁当代同じくゼロ。しかも支出のほとんどが1月2月3月に集中。年度末の予算消化のための道路工事とはよく聞くが予算消化のための調活とはなさけない。
  このまま行くと間違いなく数年先に調活費はゼロになる。裏金として幹部が遊興費に使っていたことを自白しているようなもの。ちなみに高検総務部長の高井尋問ではコンピューター整備は既に完了しているとのこと。だったら元に戻るはずがゼロに近づいている。
  高検の高井尋問では自分は仙台高検総務部長になるまで調活費を使った調査を行ったことは一度もなく自分の知る限りそんなことをやっている同僚はいないとのこと。地検の元次席北村証人の証言でも現在東京地検公安部長なので現在のことは言えないがそれ以外の時期に調活費を使った調査活動などやったことはないとのこと。北村は調査活動の結果を記載した文書はなく調査活動の結果の引き継ぎもされていないとのこと。やってないことを自白しているようなもの。2人とも偽証罪に問われるのは避けたいらしい。
  現在支出当時の検事長と検事正、高橋氏に偽造を依頼した事務局長の証人申請中。採用されれば裁判所は原告を勝たせるつもり。
⑯ 僅か4年間で10分の1近くに減るような調活費が真実調査活動に使用されていたなどということを信じる人間がいるのか。百の理屈よりもこの数字が全てを物語っている。一部についてでも裏金として使われていればそれを隠蔽しようという意図での不開示決定だと認定することは可能。裁判所には常識が問われている。この裁判は単なる情報公開訴訟ではない。検察の暴走を止める最後の戦いだと位置づけるべき。検察には今カウンターパートがいない。政治家は汚職の摘発を恐れて検察には何も言わないし、マスコミも捜査情報欲しさに検察には何も言えない。日弁連も今や法務官僚の言いなり。せめて裁判所には頑張ってもらいたい。しかし裁判所から出向している訟務検事の無能ぶりを見るとそれも無理か。第一線の検察官は清潔だしよくやっていると思う。それだけに幹部の腐敗は許せない。カラ出張・カラ懇談を認めても宮城県は信頼を失ってはいない。是非とも勝訴して検察が自ら非を認める切っ掛けとしたい。

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