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2010年3月の9件の記事

2010年3月24日 (水)

<政調費>任期満了前の支出、必要性なければ違法 最高裁

リンク: <政調費>任期満了前の支出、必要性なければ違法 最高裁(毎日新聞) - Yahoo!ニュース.

 次の選挙に出馬しない市議が任期満了前、政務調査費でパソコンなどを購入したのは違法な支出か--。地方議員の「第2の報酬」と呼ばれる政務調査費を巡り、最高裁第3小法廷(近藤崇晴裁判長)は23日、「調査研究のための必要性に欠ける場合、特別な事情がない限り違法と判断される」との判断を示した。そのうえで「特別な事情があったかどうか審理が尽くされていない」として、支出を合法とした1、2審判決を破棄し審理を東京高裁に差し戻した。政務調査費を巡っては、前橋市議会で国会議員のパーティー券購入やラケット代などへの支出(08年度分)が発覚し議長が辞任した。京都市議会でも06年度分の支出で約1億1800万円が目的外使用と監査委員に認定されるなど各地で問題化している。
 原告は茨城県かすみがうら市の住民。市議14人が任期満了(07年1月)1~4カ月半前にパソコン、電子辞書、ビデオカメラなど計約150万円分を購入した是非が争われた。小法廷は「『在職10年以上にわたるのに高額で手元に残る物を初めて購入した』という原告の主張が事実なら必要性に欠けることがうかがわれる。その場合、特別な事情がない限り違法」と述べた。1、2審判決は「裁量権を逸脱していない」などと違法性を否定し、原告の請求を棄却していた。【銭場裕司】

 これはかなり意味のある判決だと思う。原審の東京高裁が、「政務調査費の支出は市政と何らかの関連性を有することが必要であるが, その関連性の要件の判断においては議員の裁量権が尊重されなければならず, 一見して明らかに市政とは無関係であるとか, 極めて不相当なもの以外は関連性を認めるべきである。」としたのに対し、最高裁は「議員の調査研究活動は多岐にわたり, 個々の経費の支出がこれに必要かどうかについては議員の合理的判断にゆだねられる部分があることも確かである。 しかし, (中略) 上記のような主張に係る事実が認められるのであれば, 本件各支出は調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれるというべきであり, その場合,特段の事情のない限り,本件各支出は本件使途基準に合致しない違法なものと判断されることとなる。」として破棄差し戻しした。
  つまり、住民側が「調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれるという」事実を立証すれば、議員の方で「特段の事情」を立証できない限り「違法なものと判断される」という判断枠組みを最高裁が採用したことになる。
  どの程度立証すれば「必要性に欠けることがうかがわれる」とされるのかという問題は残るが、従来裁判所は,行政庁や議員に一定の裁量が認められている場合には、「一見して明らかに無関係であるとか, 極めて不相当なものでない限り裁量権の逸脱・濫用はないから違法でない」という枠組みで判断してきた。しかし一見して明らかに無関係な支出は、使途基準に違反するどころか「横領行為そのもの」であって、そのような判断枠組みがおかしいことはそれこそ一見して明らかであった。裁量権の逸脱・濫用論に逃げ込んで厳密な司法判断を回避する傾向にあった下級審に対して警鐘をならす判決と言えよう。
  それにしても議員が任期満了間際に政務調査費を使ってパソコン, プリンター, ビデオカメラ等を買い込むなどというのは浅ましい限りだ。これらの議員は恥という観念を持たないのであろうか。

判決全文は以下の通り

主 文
    原判決を破棄する。
    本件を東京高等裁判所に差し戻す。
理 由
  上告代理人鍛治利秀の上告受理申立て理由について
1 本件は, かすみがうら市の住民である上告人が, かすみがうら市議会議員14名が平成1 8年度に被上告人から交付を受けた政務調査費について使途基準に違反する違法な支出を行っており, 上記各議員は同市に対して上記支出額に相当する金員を不当利得として返還すべきであるのに, 被上告人はその返還請求を違法に怠っているとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,被上告人に対し,上記各議員に対して上記不当利得の返還請求をすべきことを求めている事案である。
2 原審の確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである。
  (1) かすみがうら市では,地方自治法(平成20年法律第69号による改正前のもの) 100条13項の規定を受けて,かすみがうら市議会政務調査費の交付に関する条例(平成17年かすみがうら市条例第6号。以下「本件条例」 という。)を制定し, 議会における会派及び議員に対し政務調査費を交付することとしている。
   本件条例7条は, 会派及び議員は, 政務調査費を別に定める使途基準に従い使用しなければならないと定めている。 これを受けたかすみがうら市議会政務調査費の交付に関する規則(平成17年かすみがうら市規則第5号)は, その5条及び別表第2により,議員に係る上記使途基準(以下「本件使途基準」 という。) として,資料購入費につき 「議員が行う調査研究のために必要な図書・資料等の購入に要す る経費(書籍購入代,新聞雑誌購読料等)」,事務費につき 「議員が行う調査研究に係る事務遂行に必要な経費 (事務用品, 備品購入費, 通信費等) 」 などと規定している。
  (2) 被上告人は,本件条例に基づき,平成18年5月2日,平成18年度の政務調査費(ただし, 平成19年1月27日の任期満了までの分) として,別表の「氏名」欄記載の14名の議員(以下「本件議員ら」 という。)に対し, それぞれ12万5000円を交付した。本件議員らは,交付を受けた政務調査費から,平成18年9月15日から同年12月25日にかけて,別表の「年月日」欄記載の各日付けで, 「項目」欄記載の経費として,パソコン, プリンター, ビデオカメラなど「品名」欄記載の各機器又は書籍(以下「本件物品」 という。) を購入するため,「金額」欄記載の各金額を支出した(なお,本件議員らのうちA, E, F及びNの各議員は,政務調査費から他の支出も行っており, その総額は12万5000円を超過している。以下,別表記載の支出を「本件各支出」 という。)。
(3) 本件議員らは,任期満了による平成19年1月21日施行の市議会議員選挙に立候補することなく, 同月27日に市議会議員としての任期を終えた。なお,本件議員らの任期中の最後の議会 (平成18年度定例議会第4回定例会) の会期は,平成18年12月7日に終了している。
(4) 本件訴訟に先立つ住民監査請求において, 監査委員が本件議員らに対し本件物品の購入目的や用途につき書面による回答を求めたところ, その回答 (以下「本件回答」 という。)は, 「調査研究に必要が生じたため購入し,有効利用した」 , 「文書等を作るために利用した」 などと抽象的な内容にとどまるものがほとんどであった。
(5) 上告人は,本件各支出に関し,本件議員らは, 10年から20年以上にわたる議員としての経歴があるところ, その在職期間中には本件物品と同種の機器や書籍を使用してこなかったにもかかわらず任期満了近くになり初めてこれを購入したり, 緊急の必要性もなく買い換えたりしており, 購入した本件物品が手元に残ることから, その私的使用をもくろんだものにすぎず, 本件使途基準に違反する違法な支出であると主張している。
原審は, 上記事実関係等の下において,次のとおり,本件各支出は本件使途基準に反するものとはいえないと判断して, 上告人の請求を棄却すべきものとした。政務調査費の支出は市政と何らかの関連性を有することが必要であるが, その関連性の要件の判断においては議員の裁量権が尊重されなければならず, 一見して明らかに市政とは無関係であるとか, 極めて不相当なもの以外は関連性を認めるべきである。 本件各支出については, 本件回答に照らしても無関係又は極めて不相当なものとはいえず, 支出の時期を考慮したとしても, 裁量権の範囲を逸脱するものであったとまではいえない
しかしながら, 原審の上記判断は是認することができない。 その理由は, 次のとおりである。
   本件使途基準は, 前記2(1)記載のとおり, 資料購入費につき 「議員が行う調査研究のために必要な図書・資料等の購入に要する経費」 , 事務費につき 「議員が行う調査研究に係る事務遂行に必要な経費」 と定めるなど, 調査研究のための必要性をその要件としている。 議員の調査研究活動は多岐にわたり, 個々の経費の支出がこれに必要かどうかについては議員の合理的判断にゆだねられる部分があることも確かである。 そして, 本件物品は, その機能, 一般的用途からして, 議員の調査研究活動に用いられる可能性はあり, それがパソコンやビデオカメラなどの比較的高額な物品であるからといって, 直ちに上記の必要性を欠くものとはいい難い。しかし, 前記事実関係等によれば, 本件物品は, 本件議員らの任期満了1ないし   4か月半前という時期に購入されており, 任期中の最後の議会の会期後に購入されたものも少なくない。 また, 本件議員らは, 任期満了による選挙に立候補することなく,市議会議員としての任期を終えたというのである。そして,上告人は,本件議員らは10年から20年以上にわたる議員としての経歴を有するところ, このような手元に残る物品を在職中初めて購入したり, 緊急の必要性もなく買い換えたり   したと主張している。 前記の事実に加えて, 上記のような主張に係る事実が認められるのであれば, 本件各支出は調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれるというべきであり, その場合,特段の事情のない限り,本件各支出は本件使途基準に合致しない違法なものと判断されることとなる。 この点, 住民監査請求における本件議員らの監査委員の調査に対する本件回答の内容は, 前記のとおり, そのほとんどが抽象的なものにとどまるところ, 本件において, このような抽象的な回答をせざるを得ないような合理的な理由があるか否かは定かではなく,本件回答があるだけで上記の特段の事情があるということは困難である。そうすると, 上告人の上記主張に係る事実の存否や上記の特段の事情の有無について十分に審理することなく,単に本件物品の品名を認定し,上記のような本件回  答を参酌するだけで, 直ちに本件各支出は本件使途基準に反するものとはいえないとした原審の判断には, 判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるというべきである。
5 以上によれば,論旨は理由があり,原判決は破棄を免れない。そして,上記の点について更に審理を尽く させるため, 本件を原審に差し戻すこととする。
   よって, 裁判官全員一致の意見で, 主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 近藤崇晴 裁判官 藤田宙靖 裁判官 堀籠幸男 裁判官那須弘平 裁判官 田原睦夫)

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2010年3月22日 (月)

河北新報 日弁連指針は独禁法違反と弁護士 債務整理業務で申し立てへ

リンク: 河北新報 内外のニュース/日弁連指針は独禁法違反と弁護士 債務整理業務で申し立てへ.

  債務整理を望む依頼者との直接面談を求めた日弁連の指針は、弁護士間の自由競争を阻害し独禁法違反に当たるとして、東京都内の弁護士が、公正取引委員会に排除措置命令を出すよう近く申し立てることが21日、分かった。過払い金返還請求など債務整理業務は、弁護士らに多額の報酬をもたらすが、報酬目当てに依頼者を募っているとの批判があり、日弁連は規制を強めている。申し立ては、自由競争を求める弁護士と、トラブル多発を懸念して一定の制限をしたい日弁連の立場の違いが顕在化した形だ。申し立てることを明らかにしたのは、債務整理件数が国内最大規模の「法律事務所MIRAIO」(旧法律事務所ホームロイヤーズ)代表の西田研志弁護士。
  日弁連は昨年7月、債務整理の依頼者とは原則として直接面談し、意向を尊重するよう弁護士に求める指針を策定した。西田弁護士は指針を「電話やメールによる相談を排除するのは利用者のニーズの無視で、特に地方の人の相談場所を奪う」と批判。「指針に拘束力はないが、弁護士会は強制加入団体で懲戒権もあり、事実上業務を束縛し、自由競争の機会を奪っている」としている。

  日弁連の規制強化は必要性があってのことだろうが、これまでの司法改革路線との整合性はとれるのだろうか。弁護士を大幅に増員し、広告を自由化し、弁護士報酬規定を撤廃すれば、弁護士間の競争が促進されて法的サービスの質が向上し、弁護士費用も低廉化する。これによって国民が全国どこでも身近に気軽に、安価で良質な法的サービスを受けられるようになる、というのが司法改革路線論者の持論だったはずだ。しかし現実には多重債務事件の中の過払い金返還事件だけ摘み食いしたり、返還額に見合わない多額の報酬をとる弁護士が現れて市民とのトラブルが増えている。
  消費者金融会社の過払い金返還額は年間約5000億円規模と思われる。司法書士会のアンケート結果では過払い金返還事件の平均報酬は約27%とされている。弁護士のそれは不明だが大差ないだろう。つまり1350億円の過払い市場が存在するわけだ。 しかも過払い金返還事件はほとんど労力がいらない。業者に取引履歴を開示させて、利息制限法の金利に引き直して過払い額を算出する(これも自分でやるのではなく外注する)、あとは業者に請求して入金を待つだけだ。こんなぼろい商売はなかなかない。テレビCMをバンバン打って儲けようというのはビジネスとして考えれば当然のことだろう。
  そして司法改革路線は、司法試験に受かったから弁護士になれるとは限りません、弁護士になったからといって仕事があるとは限りません、自分たちで需要を掘り起こして競争して生き残っていきなさい、生き残った弁護士だけが国民に安価で良質な法的サービスを提供できるのです、頑張って下さい、という考え方だ。テレビCMで需要を掘り起こし、24時間コールセンターを作って無料で相談を受け付ける、そういう競争をして勝ち抜いていこうとする大手クレサラ事務所は正に司法改革路線の申し子だろう。いまさら日弁連がそれを規制しようというのは筋が通らないような気がする。
  指針では「依頼者との直接、個別面談が必要」とするようだが、被害者が多数に上る集団事件では個別面談をせずに説明会方式で受任する場合も少なくない。弁護団事件では全ての依頼者との間で委任関係が生じるが、だからといって依頼者全員と個別面談することはない。また相続人の一人が外国にいる場合直接面談などありえない。このような事件は例外にするのだろうが、例外を認めるということは直接個別面談以外の方法でも依頼の趣旨、意思を明確に確認できるという前提があるからだ。だとすれば要は、依頼の趣旨、意思を明確に確認できるかどうかであって、確認方法の問題ではないということになる。また過払いだけの摘み食いはいけないというが、相談を受けた中の特定の事項だけを受任することはそれほど珍しいことではない。取り敢えず過払い金を回収するだけでも多重債務者にとってはメリットがあるのだから、禁止する合理性はないだろう。
  そもそも過払い金返還などというものは、サラ金業界から献金を受けた政治家が貸金業規制法に利息制限法の抜け穴を作ったことによって起きた人災である。きちんと利息制限法を適用していれば起きなかったのであり、そのような被害をもたらしたのは国の誤った立法政策である。従って、本来なら特別立法によって国がサラ金業界から回収して、払いすぎた国民に配分すべきなのだ。国がサラ金業者に全ての取引履歴を開示させて過払い額を確定し、いったん国庫に帰属させそれを国民に分配すればよいだけだからそんなに手間のかかることではない。費用は回収金から差し引いても構わないだろうが、弁護士費用や司法書士費用より遙かに低い金額で済むはずだ。サラ金が破綻した場合には、サラ金に貸し付けして高利の上前をはねていた銀行に返還させればよい。このような方法をとれば1350億円もの弁護士費用や司法書士費用をかけずに過払い金返還が実現する。そのかわり今盛んにテレビCMをやっている事務所は軒並み倒産するだろうが。
  日弁連の主観的意図としては、多重債務者の弁護士による二次被害を防止しようというものなのだろう。しかし大手クレサラ事務所がテレビCMで多重債務事件を囲い込み、弁護士会の法律相談センターへの相談が減少しているという現実がある。弁護士が増えすぎて一人当たりの事件数が減少しているのも事実だ。市民の目からは弁護士会と大手クレサラ事務所が過払いバブルを巡って縄張り争いをしているようにも見えるだろう。1350億円の過払い市場は所詮失政が招いたバブルであって早晩消失する。弁護士にしかできない業務があるのだから、司法書士や大手クレサラ事務所との縄張り争いに見えるようなことはしなくても良いように思うが。
 
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2010年3月18日 (木)

びっくり仰天 ある医療過誤訴訟 準備書面は医者が書く? 

 某大学病院相手の医療過誤訴訟が結審した。1週間前に原告、被告双方が最終準備書面を提出して弁論終結とすることが決まっていたのだが、被告は準備書面を提出しなかった。被告代理人は、弁論当日になって、今原告の最終準備書面を医師に送っているので被告の準備書面は次回に提出したいと言い出した。私が提出期限はとっくに過ぎているからそんなことは認められないと言うと、被告代理人は「準備書面は医師が書くので」と答えた。私が準備書面は弁護士が書くものでしょうと言ったところで裁判所が合議するという。合議の結果は本日弁論は終結して判決期日を指定する、但し被告が証拠弁論として何か言いたければ事実上見るので出すようにとのことだった。弁論を再開しなければ弁論の全趣旨としても斟酌できないのだからおかしな話だとは思ったが、終結はしてくれたのでそれで結構ですと答えた。
 その後裁判長が今後のこともあるので提出期限は守るようにという趣旨のことを言ったら、被告代理人は「原告も医師が準備書面を書いているんだから」と言ってきた。原告と被告を言い間違えたのだと思って、私が「被告」がでしょうと言うと、「いや原告がです」と言ってきた。どうやらこの弁護士は医療過誤事件の準備書面は原告も全て医師が書いているものと思い込んでいるようだ。この代理人は、準備手続きで準備書面の内容について質問をしても、「次回書面で回答します」というだけだが、その理由がよく分かった。自分で書いてないからその場で即答はできないわけだ。
 この弁護士とは今まで何度も医療過誤訴訟の相手をしてきたが、今まで私が書いた書面は全て原告の協力医が書いていると思っていたようだ。そんな風に誤解してくれるのはむしろ喜ぶべきことなのかもしれないが、匿名のコメントを得ることすら苦労しているのにそんなことあるはずない。たしかに私の場合は提訴前に必ず協力医からコメントをもらって、私の考えが医学的に間違っていないことを確認してから提訴するようにしている。しかしその後は訴状も準備書面も全て私が自力で書いているのであって協力医に書いてもらっているのでもないし、いちいち相談もしていない。そんな親切な協力医がいたらどんなによいかと思うが、現実にはいない。苦労してカルテを読み込み、文献をしらみつぶしに検索して一つ一つ裏付けをとりながら、膨大な時間と労力をかけて書いているのだ。どうしても分からないことがある場合は改めて協力医にコメントを求めたり、私的鑑定書を依頼する場合もあるが極めて例外的だ。
 それにしても医療機関側の代理人がこんなに楽をしているとは驚いた。尋問だって医師の陳述書をなぞるわけだし、それで代理人が勤まるのだから羨ましい限りだ。
 もっとも医療機関側の代理人の中には、毎回毎回論文のような詳細な準備書面を書いてくる方もいる。それはそれで辟易するのだが、正面から議論を戦わせることができるのでやり甲斐はある。

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監査法人も真っ青 東北文化学園大補助金住民訴訟

控訴審も勝訴!

東北文化学園大の補助金支出に関し会計士、監査法人の責任を追及している裁判の判決がありました。

事案の概要

オンブズマンメンバーが、学園大が文部大臣に虚偽の財産目録を提出して大学設置認可を受けて四年制大学を開設したことについて、財産目録の監査を担当した会計士・監査法人に過失があり、そのため、仙台市が、大学設置認可がなければ支出しなかったはずの学校法人に対する補助金相当額の損害を被ったとして、仙台市に対し、会計士らに損害賠償請求をするように求めた事案です。

なんと!1審(仙台地裁)に引きつづき、控訴審(仙台高裁)でも勝訴です!!

高裁の判断は、1審とほぼ同じであり、
ずさんな会計監査の実態を指摘し会計士・監査法人の責任を認めたものでした。

※高裁で認められた会計士の責任の内容:

預金残高及び借入金残高の確認に際しては、学園大の不正を出来る限り排除するために、会計士は学園大に任せず自ら残高確認依頼書用紙等を金融機関あて直接投函するなどして学園大を介さずに残高確認依頼書用紙などが金融機関に届くようにする義務があるところ、会計士はそれを怠った過失(会計士は、金融機関への投函を学園大担当者に任せた)。

②会計士が、学園大担当者に対し、残高確認書について必要数に余部を加えた数を交付した過失。(→残高確認書は金融機関が作成するための用紙であり学園大に余部を交付する必要性はない。むしろ学園大による残高確認書の偽造を招く。

③スクールバスの自動車登録の確認を怠った過失

会計士らによる因果関係がない旨の主張も、高裁では全て排斥されました。

従って、会計士と監査法人には、仙台市に対して損害金を支払うべきであると判断されました。

さらに会計士らは、仮に責任があるとしても本件補助金の交付という結果に向けて関与したのは会計士・学園大だけではなく、第三者も含まれるのだから全責任を会計士に負わせるべきではないと主張しました。

しかし・・・

高裁は、

「会計士の過失のうち、
少なくとも残高確認依頼書を直接投函せずに学園大に任せた過失(過失①)、
残高確認書の余部を交付した過失(過失②)については、
被監査人が介在することによる不正を出来る限り防ぐという
残高確認の趣旨に反した
単純かつ基本的な過失

「監査制度の趣旨に照らせば、
会計士に単純かつ基本的な義務違反が認められる本件において、
会計士、監査法人らが負う損害額について
特に軽減しなければならない事情があるとまでは認められない。」

「仮に他の第三者が本件偽装工作に関与しているとしても、
加害者側の事情は加害者間の求償により解決すべき問題であって、
被害者に対する関係で参加人らが責任を負う損害額を
限定すべきであるとまでは言えない。」

と判断しました。

1審に引きつづき結論は妥当で、非常に論理的、説得的な判決でした!

ちなみに、監査法人・会計士は仙台市からどのくらいの金額の返還請求をされることになるのか・・・興味ありますか?
なんと、遅延損害金を含めれば、11億円以上を仙台市に返還することになるそうです・・・。
上告をしてさらに支払を滞らせれば、一体いくらになるのでしょうか・・。
 ・・・余計なお世話かもしれませんが、心配してしまいます(^_^;)
早めに仙台市に返還していただき、結果として仙台市に有効に活用されることを願っています。

それから、
今回問題となった監査法人は、全国4分の1のシェアを有する法人だそうです。
4分の1の企業全てに対し、
これまで本件のようなずさんな監査をしていたとまでは言いませんが、
今回の判決を教訓にして、今後は適切な監査をし、会社自体や株主、社員、社会の利益を守って欲しいと思います。

文責;みうら

イソ弁の記事第二弾。三浦じゅん弁護士の記事です。あっという間に4年目です。ストレスフリーのじゅんちゃんらしい文章です。

なんと時給108万5535円 宮城県行政委員報酬差止訴訟 

【裁判報告】県行政委員報酬差止訴訟

本日午前10時00分から、仙台地方裁判所第1民事部において、宮城県行政委員報酬差止訴訟の期日が開催され、期日間に提出した原告準備書面を陳述しました。
行政委員とは、選挙管理委員会や労働委員会、教育委員会等、行政官庁の一種でありながら、それとは独立した機関に属する委員のことを指します。これらの行政委員の中には、年間にたった数日しか働いていないにもかかわらず、年間200万円以上の報酬を受け取っている者もいます。
現在、仙台市民オンブズマンでは、この労働に見合わない高額な報酬を支出することが違法であるとして、公金支出差止を求める訴訟を提起しています。
本日原告が陳述した準備書面では、宮城県の各行政委員の時給を算出した上で、それが如何に常軌を逸して高額であるかを指摘しています。
この算出結果によると、平成19年度の行政委員の平均時給額は11万0373円、平成20年度は8万7891円となっています。宮城県の経験年数20年の大学卒程度の一般行政職時給額が約2051円(※平均給料月額及び勤務時間から勤務日数月22日として算出)であることと比較してみれば、この報酬額が如何に高額なものであるかは明らかです。
ある労働委員には、年間勤務時間がたった2時間ほどであるにもかかわらず、年242万4000円の報酬を受け取っている者もおり、その時給は108万5535円であるという信じがたい結果がでています。
宮城県の財政状況は、現在非常に厳しいものとなっています。切迫した現在の財政状況を打開するためにも、不当に高額な報酬を委員に拠出し続けている元凶である月額報酬制は廃止し、直ちに日額報酬制に切り替えられるべきです。
                                                          くまがい

 うちのイソ弁の熊谷優花弁護士の記事です。弁護士になってまだ3ヶ月ですが頑張っているようです。

2010年3月16日 (火)

高検検事、盗撮の疑い 任意捜査で容疑認める

リンク: 東京新聞:高検検事、盗撮の疑い 任意捜査で容疑認める 名古屋:社会(TOKYO Web).

 名古屋高検刑事部の男性検事(44)が、成人女性のスカート内を盗撮しようとしたとして、愛知県警が県迷惑防止条例違反容疑で任意捜査していることが分かった。高検が十五日に会見して明らかにした。検事は容疑を認めており、県警は今週中に書類送検する。高検も懲戒処分を検討している。名古屋高検によると、この検事は出勤日の八日朝、名古屋市千種区のバス停で、バスを待っていた女性のスカート内をカメラ機能付きの携帯電話で撮影しようとした疑いが持たれている。近くにいた人が犯行を目撃したとして警察に通報した。検事は盗撮行為を認めた上で、上司に電話で報告した。
 検事は一九九五年に任官。東京地検特捜部や法務総合研究所などを経て、二〇〇八年から現職。
 名古屋高検の松井巌次席検事は「検察に対する信頼を大きく損ない、誠に遺憾であり、深くおわびする」と陳謝。検事の名前や所属部については「捜査中なので言えない」と明らかにしなかった。

 どうして高検の検事だと逮捕されないのか。被害者に接触して証拠隠滅をはかる可能性は十分あるはずだ。一般人なら平気で逮捕するのに。検事なら盗撮ではなく痴漢でも多分逮捕されないのだろう。
 8日に本人が認めて上司に報告したのにどうして発表が15日なのか。この間なんとかもみ消そうとしたのではないのか。多分記者が県警からネタをもらって検察庁に取材したので隠しおおせないと覚悟したのだろう。
 どうして検事の名前や所属部について「捜査中なので言えない」のか。捜査中だから名前を言えないなら容疑者は全員匿名になってしまう。書類送検されたってどうせ当の検察庁が不起訴にするのだろう。名前も出さないのでは社会的制裁すら受けないことになる。検察庁は一般人なら平気で名前を発表するくせに、不平等にもほどがある。高検検事の犯罪行為は公の関心事であるから一般人なら匿名にするような場合であっても公表されるべきだ。ちなみに不倫で更迭された警視庁の捜査一課長ですら実名で発表されている。不倫が実名で、犯罪が匿名はないだろう。
 マスコミは報道しただけましだが、公表が遅れたことや所属と名前を隠していることについて批判すべきだろう。国会議員が同じことをしたらこんな報道ではすまないだろう。検察を甘やかすのはやめた方がよいのではないか。
 つい最近まで正義の権化のように国策捜査をしていた元東京地検特捜部の検事さんでしたか。裏金の次は盗撮とは検察庁も落ちたものだ。弁護士もどこかの副会長が覚醒剤で捕まったり、脱税したりしているから偉そうなことは言えないか。

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2010年3月15日 (月)

河北新報 東北の歯科技工士、嘆息 薄利と長時間労働で若手離職

リンク: 河北新報 東北のニュース/東北の歯科技工士、嘆息 薄利と長時間労働で若手離職.

 歯科医の注文を受け、歯の詰め物やかぶせ物を製作する歯科技工士が苦境に立たされている。東北でも歯科医が急増し、経営難などのあおりで製作委託料が大幅にダウン。技工士は一本でも多く受注しようと早朝から深夜まで作業に追われる。薄利、長時間労働で若手の離職が絶えず、業界関係者は「10年後にはなり手がいなくなり、患者の歯の健康が維持できなくなる」と訴える。(編集委員・大和田雅人)
 仙台市泉区の50代男性は約20年前に自宅で開業して以来、年々、手取りが減っている。前歯の歯冠修復費(技工料)は保険適用で1万1740円(歯科医と技工士で分ける)。だが、手元には40%弱の4500円ほどしか残らない。
 厚生省(当時)は1988年、技工料の取り分を技工士70%、歯科医30%と告示したが、拘束力がなく早々に崩れた。男性は「ダンピングが起き、買いたたかれる。年収は開業時の半分以下。歯科医に改善を求めたら、『ほかに頼むから』と取引を打ち切られた」と渋い表情だ。
 日本歯科技工士会(東京)の昨年の調査では、技工士の82%が「7対3は守られていない」と回答。平均年収は45歳で432万円だった。
 88年の宮城県内の歯科医師数は1160人だったが、口腔(こうくう)ケアブームに乗って2008年には1745人に増えた。技工士数は700人台のまま。受注先を広げて稼ごうとするが、1本の製作にも精密な技術と時間を要するため、納期を横目に1日14時間労働はざらだという。
 歯科医側にも事情がある。医療費抑制で収入源の診療報酬は本年度まで10年以上横ばい。不況で1軒当たりの患者数は減少し、助手などの給与支給に事欠く所も多い。
 業界のイメージ低下は、教育機関である専門学校に波及した。東北最大の東北歯科技工専門学校(仙台市太白区)は入学定員50人に対し、09年度の入学者は32人。5年前から定員割れしている。秋田、山形両県では唯一の学校が閉校、福島県は2校から1校に減った。
 鎌田勇志校長は「全国の技工士数に占める25歳未満の割合は7%。50~60代が頑張っているうちはいいが、近い将来、技工士不足が起きる」と警鐘を鳴らす。
 先の泉区の技工士は品質悪化を懸念する。「純度の高い金属を使わず、安い金属で代用して料金をごまかす業者が出てきかねない。患者の安心安全が脅かされる」と話す。佐藤誠宮城県歯科技工士会会長は「国などは良質な医療と安定した生活を保証する手だてを講じてほしい」と求める。
 歯科技工士専門学校を卒業、国家試験に合格して資格を得る。20歳すぎで歯科技工所などに入社し、後に独立開業するケースが多いが、卒業後5年間で約70%が離職するというデータもある。

 「88年の宮城県内の歯科医師数は1160人だったが、口腔(こうくう)ケアブームに乗って2008年には1745人に増えた。」とあるが、口腔ケアブームに乗って増えたのではなく、歯学部の定員が増えて歯科医医師自体が急増したので宮城県内でも増加しただけだ。県内の人口が1.5倍になったわけでもないし、診療報酬単価が1.5倍になったわけでもないから当然歯科医の収入は減る。そこで歯科技工士の技工料の取り分を減らして収入を確保しようとする。ワーキングプア歯科医がワーキングプア歯科技工士を生むという悪循環である。限界を超えれば記事にあるように粗悪な材料を使ってでも利益を確保しようとする者も出てくるだろうし、そもそも歯科技工士になろうとする者がいなくなる。補綴治療(入れ歯や差し歯)は歯科医の技量というよりは歯科技工士の技量に負うところが大きい。粗悪品が出回ったり、歯科技工士を確保できなくなったら歯科医療は成り立たない。被害を被るのは患者である。歯科医師の過剰がこのまま続けばいずれ必要もない過剰診療を行って収入を確保しようとする者も出てくるであろう(既に現実化しているように思われるが)。
 元を糾せば無定見に歯学部の定員を増やしたことが原因だ。当時歯科医師が不足していたのかもしれないし、私大歯学部の経営のためだったかもしれないが、その後の推移から需給関係が崩れることが予測されたその時点で定員の見直しをするべきだったのである。
 専門職、特に市民の生命財産に直接関係するような専門職の受給に関しては市場原理に委ねてはならないと思う。試験を簡単にして合格者を増やせば地域的偏在もなくなるし、競争によるサービスの向上と費用の低廉化が進んで市民のためになる、競争に敗れた者は淘汰されるので専門家の資質も向上するという考え方もある。しかしそれは観念論であり、最低の生活すら維持できなくなった場合、不正や誤魔化しで延命を図ろうとする者が必ず出てくる。通常のサービスや商品であればその善し悪しは素人でも分かる。しかし例えば入れ歯や差し歯の材質の善し悪しなど一般人に分かろうはずはない。評判で判断すればよいと言うかもしれないが、悪い評判が立つ頃には被害者がたくさん出ていることになる。弁護士の場合も、収入を維持するために勝つ見込みもない事件を受ける者が出てくるだろう。あるいは勝つべき事件で手抜きされて負けてしまうことも出てくるだろう。刑事事件であれば無実なのに弁護士に手抜きされて有罪になったり、刑が不当に重くなることだって考えられる。それでも弁護士は裁判所のせいにすればよいだけだから、そのような悪徳弁護士が増えたとしても一般人がそのことに気付くのは難しいだろう。
 そもそも市場原理や事後規制を徹底するなら資格制度そのものが不要になるはずだ。自然淘汰に委ねれば優れた治療行為や弁護士業務を提供する者だけが残るというのが本当であれば、治療行為も弁護士業務を誰でも自由にやれるようにすればよいことだ。しかし誰もそんな風には考えない。国民の生命財産に影響するような重要なサービスについては、誰もが良質なサービスを受けられるように厳格な資格試験を課すことによって国民が被害を被るのを事前に防止しようというのが資格制度のはずである。
 もちろんそれを悪用して既得権維持を図るのは許されない。かつて司法試験合格者は年間500名であったが、それは余りにも少なく、不必要な参入制限だったと思う。既得権維持という面も否定できなかったと思う。だからといって年間3000人というのは無謀だろう。20年間に僅か1.5倍に増えただけで歯科医療が成り立たなくなりつつあるが、弁護士人口はこのまま行くと今の5倍の13万人になる。新しい日弁連会長は合格者を年間1500人に削減することを公約にした。マスコミはこれについて既得権維持ではないかとの論調だ。しかしこの削減案は弁護士に騙される市民が続出して弁護士制度自体が信頼を失うようになる前に対策を講じようということであって既得権維持との批判は的外れだろう。

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法科大学院生・司法修習生の経済事情 日弁連司法修習委員会ニュース

 日弁連司法修習委員会ニュースに、福岡弁護士会が行った新62期司法修習生の経済事情に関するアンケート調査結果が掲載されていた。調査対象者は52名、平均年齢28.5歳、法科大学院の在籍年数2.2年。調査結果では奨学金利用率55.80%、大学及び法科大学院での奨学金利用額合計407万2207円(最高額は1262万円、500万円以上が6人)となっている。奨学金で不足する分については15名が預金の取り崩し、7名が借金で補ったとされている。それ以外の者は親に面倒見てもらっていたのだろうか?
 今年から司法修習生の給費制が廃止され貸与制に変わる。貸与額を月額25万円とすると年間300万円の借金がこれに加わる。奨学金を利用する新64期司法修習生は総額700万円以上の借金を抱えて弁護士になることになる。
 司法試験の合格率は27%だから当然1回で受かるとは限らない。2回目、3回目で受かった者はこれに加えてその間の生活費と予備校の学費がかかる。それでも受かればよいが、試験は5年以内に3回しか受けられないから結局不合格となれば借金だけを背負うことになる。しかも司法試験と二回試験に受かって法曹資格を得たとしても、弁護士として就職できる保障はない。弁護士収入のクレサラ事件依存度から考えれば、現在の過払いバブルがはじければ就職状況は超氷河期になると思われる。
 ちなみに医師の場合も医学部は6年制だから奨学金の額は同じ程度かもしれない。しかし医師国家試験の合格率は90%位だし、医師不足だから就職できないなんてことはない。つまり安心して奨学金を借りられるし、親が出す場合でも安心して出せる。
 医師と比較すると、客観的に見てかなりリスキーな法曹養成制度になってしまった。親が金持ちなら別だが、普通の家庭の子供に勧められるような職業ではないと思う。
 もちろん以前は合格率自体が2%程度だったので法曹を目指すこと自体がある意味賭けだった。しかし以前は法科大学院など行かなくてよかったから学費はかからないし、普通に働きながら受験することもできた。受験回数の制限もなかった。夢破れて司法試験を諦めたとしても借金が残ることはなかったし、受かれば確実に就職もできた。今のような借金してする博打ではなかったわけである。
 現在の法曹養成制度は、法曹界に社会人も含めた多様な人材を集めるために作ったとされているが、実際には富裕層限定の制度になりつつあるようだ。

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2010年3月 1日 (月)

鯨料理専門店一乃谷が閉店

 先日久しぶりに鯨料理専門店の一乃谷に行ったら、来月限りで閉店して東京に移転すると言っていた。仙台というより東北で唯一の鯨料理専門店だったので残念だ。出てきた鯨の刺身は、相変わらず定番のベーコン、紅白作りから歯茎まであらゆる部位がのっていて、東京で出せばこれだけで1万円はする。鯨の大和煮が出てきたが、これはこの店では初めて食べた。缶詰とは全く違ってコラーゲンたっぷり。親方曰く、缶詰の大和煮は実は鯨の赤身に豚の脂肪を混ぜたもので、本当の鯨の大和煮はこれだとのこと。最後に食べられてよかった。
 最近は普通の和食の店でも鯨を出すところが結構あるが、大体はベーコンに紅白作り、竜田揚げがせいぜいだ。鯨食の文化ももうすぐなくなってしまうのだろうか。昔親父がよく縁側で酒を飲んでいたが、つまみはいつももろきゅうと鯨のベーコンだった。私はベーコンの脂身の部分が好きでよくそれだけもらって食べていた。思えばそれは贅沢にも、今では絶対食べられないシロナガス鯨やゴンドウ鯨のものだったのだろう。ミンク鯨すら自由に食べられなくなるとは。

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