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2010年3月18日 (木)

びっくり仰天 ある医療過誤訴訟 準備書面は医者が書く? 

 某大学病院相手の医療過誤訴訟が結審した。1週間前に原告、被告双方が最終準備書面を提出して弁論終結とすることが決まっていたのだが、被告は準備書面を提出しなかった。被告代理人は、弁論当日になって、今原告の最終準備書面を医師に送っているので被告の準備書面は次回に提出したいと言い出した。私が提出期限はとっくに過ぎているからそんなことは認められないと言うと、被告代理人は「準備書面は医師が書くので」と答えた。私が準備書面は弁護士が書くものでしょうと言ったところで裁判所が合議するという。合議の結果は本日弁論は終結して判決期日を指定する、但し被告が証拠弁論として何か言いたければ事実上見るので出すようにとのことだった。弁論を再開しなければ弁論の全趣旨としても斟酌できないのだからおかしな話だとは思ったが、終結はしてくれたのでそれで結構ですと答えた。
 その後裁判長が今後のこともあるので提出期限は守るようにという趣旨のことを言ったら、被告代理人は「原告も医師が準備書面を書いているんだから」と言ってきた。原告と被告を言い間違えたのだと思って、私が「被告」がでしょうと言うと、「いや原告がです」と言ってきた。どうやらこの弁護士は医療過誤事件の準備書面は原告も全て医師が書いているものと思い込んでいるようだ。この代理人は、準備手続きで準備書面の内容について質問をしても、「次回書面で回答します」というだけだが、その理由がよく分かった。自分で書いてないからその場で即答はできないわけだ。
 この弁護士とは今まで何度も医療過誤訴訟の相手をしてきたが、今まで私が書いた書面は全て原告の協力医が書いていると思っていたようだ。そんな風に誤解してくれるのはむしろ喜ぶべきことなのかもしれないが、匿名のコメントを得ることすら苦労しているのにそんなことあるはずない。たしかに私の場合は提訴前に必ず協力医からコメントをもらって、私の考えが医学的に間違っていないことを確認してから提訴するようにしている。しかしその後は訴状も準備書面も全て私が自力で書いているのであって協力医に書いてもらっているのでもないし、いちいち相談もしていない。そんな親切な協力医がいたらどんなによいかと思うが、現実にはいない。苦労してカルテを読み込み、文献をしらみつぶしに検索して一つ一つ裏付けをとりながら、膨大な時間と労力をかけて書いているのだ。どうしても分からないことがある場合は改めて協力医にコメントを求めたり、私的鑑定書を依頼する場合もあるが極めて例外的だ。
 それにしても医療機関側の代理人がこんなに楽をしているとは驚いた。尋問だって医師の陳述書をなぞるわけだし、それで代理人が勤まるのだから羨ましい限りだ。
 もっとも医療機関側の代理人の中には、毎回毎回論文のような詳細な準備書面を書いてくる方もいる。それはそれで辟易するのだが、正面から議論を戦わせることができるのでやり甲斐はある。

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