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2010年4月 8日 (木)

「企業と提携する仙台弁護士会の広報活動」について

 今日弁護士会から全員協議会開催のお知らせが配られた。そこに「仙台弁護士会の広報活動」について協議する旨が書かれていた。しかし私企業に対して仙台弁護士会が資金や情報を提供するというなら問題がある。
 既に日弁連が作った「ひまわりサーチ」という弁護士検索システムがある。ところがこれは検索エンジンに全く引っかからない。「弁護士」「検索」というキーワードなら引っかかるが、自分が抱えている問題を相談する弁護士を捜すのにそんなキーワードで検索することはない。普通は例えば交通事故であれば、「交通事故」「弁護士」「仙台(などの地域名)」で検索するだろう。グーグルで検索すると仙台弁護士会のサイトの交通事故のページが1位になる。ひまわりサーチのトップページはヒットしない。もちろん仙台弁護士会のサイトには「弁護士検索はこちら」という窓があり、そこをクリックすると「ひまわりサーチはこちら」という窓のあるページが開き、さらにその窓をクリックするとようやくひまわりサーチのトップページにたどり着く。たどり着いたはいいがそこは地域選択ページで、さらに見たい地域の日本地図をクリックしなければならず、クリックして開くと今度は長ったらしい注意事項が書かれたページが開いて同意するをクリックしないといけない。それから取扱業務や重点取扱分野で検索することになる。独立したサイトではなく、日弁連のサイトの中の一つのページとして組み込んでいるのが問題なのだが、はっきり言って検索する人の利便性を無視した作りになっている。
 暇な人がようやく検索画面に辿り着いても、出てくる情報は極めて限られており(弁護士会によって表示される情報が異なるが)、普通の人がそれを見て弁護士を選択できるような代物ではない。日弁連は相当な金をかけてこれを作り、今も維持しているが個々の事務所が自前のサイトを作るのが当たり前になっている現状では無用の長物だろう。実際仙台弁護士会では会員330名中ひまわりサーチに登録しているのは38名だけだ。全国的には登録率は1割にも満たない。仙台弁護士会も「企業と提携する新たな広報活動」を行う前に、ひまわりサーチの改良を考えるべきだろう。
 さらに既に河北新報の「マイベストプロ宮城」やNTTの「iモードタウンページ」があり、宣伝したい弁護士はこれに登録すればよいことであって似たようなものを作る意味はないと思う。ちなみに某民間企業の医師検索システムは検索エンジンにはほとんど引っかからない。同じような病院の検索サイトはいくつもあるから後発の検索システムが上位にこないのは当然と言えば当然なのだが(私は携帯を持ってないので携帯サイトでの検索状況は分からないが)。 
 この広報活動については既に定期総会で予算が承認されているようだ。しかし予算が通った以上この問題が執行部ないし常議員会マターだということには異論がある。本会には他団体との連携に関する運用基準があり、常議員会の承認事項とされているが、そこで言う「連携」は「行事等」とされていることからしても単発の企画を念頭に置いたものだと思う。特定の私企業の事業の立ち上げ・運営に会が資金を提供することは想定していないのではないか。たとえ電話帳に出ている程度の情報とはいえ会員の情報を私企業に提供するなら会員の権利義務に関するものとして総会決議事項だと思う。仮に会員の権利義務に関係しないとしても特定の私企業の営利事業に会が資金と情報を提供することは重要な問題であり総会決議を経るべきだろう。例えば今後弁護士の就職難が進んで、弁護士の派遣を業とする会社が設立されたとする。その会社に弁護士会が資金や情報を提供することは常議員会マターだろうか。私はそうは思わない。多重債務問題の救済のために、会の法律相談を何とか広く広報しようという意図はよく理解できるが、このような広報活動が有効だとはとても思えない。昨年のテレビCMで思ったほど相談が増えなかったのは広報の問題ではなく、大手のクレサラ事務所が24時間フリーダイヤル受付体制をとっているからと考えるべきだろう。
 根本的なことを言えば、弁護士会の広告宣伝とそれぞれの事務所が行うそれとの棲み分けについて一度議論がなされるべきだろう。日弁連はひまわり中小企業センターを作って宣伝している(無料相談のキャンペーンまでやっている)。表向きは中小企業の支援が目的とされているが、本音は弁護士増員による市場開拓の必要性に迫られた弁護士の業務対策だ。私は中小企業法務は一切やらないので痛くもかゆくもないが、これから中小企業法務をターゲットに顧客を開拓していこうと考える事務所にとっては民業圧迫だろう。広告が厳しく制限され、弁護士過剰でもなかった時代であれば弁護士会が広告宣伝して業務対策をするのは、会員にとっても市民にとっても必要だったと思う。しかし弁護士激増政策によって今後否応なく競争を強いられる以上、広告宣伝は個々の弁護士が行うべきであって弁護士会が会費を使ってやるべきではない。どうしてもやりたいなら登録弁護士を募ってその会員から特別会費を徴収してやるべきではないだろうか。

 

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