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2010年5月 1日 (土)

歯科医と弁護士の凋落 私立歯大の定員割れ拡大、高収入のイメージ崩れ

リンク: 私立歯大の定員割れ拡大、高収入のイメージ崩れ(読売新聞) - Yahoo!ニュース.

 昨春に大幅な定員割れを起こした私立歯科大・歯学部で、今春も全国17校のうち11校の入学者が定員を満たさず、定員割れが拡大していることが、「日本私立歯科大学協会」のまとめでわかった。同協会によると、今春の入試は、募集定員1891人(前年度比13人減)に対し、4318人(同655人減)が受験、1489人(同213人減)が入学した。定員割れの校数は同じだったが、全体の欠員率は昨春の倍の2割に達した。このうち、奥羽大歯学部の入学者数は定員の3分の1の32人で、松本歯科大、北海道医療大歯学部とともに欠員率が5割以上。昨春の場合、定員割れしても5校が欠員率1割以下だったが、今春は11校すべてで欠員率が1割を超え、2割以上も9校を数えた。定員割れで、高額の学費を見込めず、学校経営には大きな打撃となる。また、質的に一定レベルの学生を確保できないおそれもある。
 受験者減には、歯科診療所の過当競争で、「歯科医師は高収入」といったかつてのイメージが崩れていることなどが背景にある。
 文部科学省は「教育の質を確保するべく、これを契機にさらに入学定員の適正化を働きかけていきたい」(医学教育課)としている。
 
  日本私立歯科大学協会は430日、東京・千代田区九段南の同協会会議室で記者懇談会を開き、文部科学省主催(平成21年度24日)「国公私立大学歯学部長・歯学部附属病院長会議」についての意見書を明らかにするとともに、記者側に質問や意見を求めた。
 
安井副会長談話。このままでいいのか。本協会の理事会で色々な意見が出た。定員の問題、歯科医師の資質の問題であるが、歯科医師を目指す学生たちにとっては極めて厳しい。歯科医師に夢がない内容ではないかと考え理事会の意見を取りまとめた。意見書は、加盟17の学長、歯学部長名で、311日に文部科学省に提出した。その後、医学教育課で国公私立大学歯学部にヒアリングをして、改善計画を求めている。420日に各学校が改善計画を提出している。今回、文部科学省に提出した意見書は、歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議第一次報告「確かな診療能力を備えた歯科医師養成方策」の「歯科医師の社会的需要を見据えた優れた入学者の確保」を踏まえたものである。このなかで、「歯科医師過剰が、職業人としての魅力の低下や臨床実習に必要な患者の確保等に影響」と述べている。もし「歯科医師過剰」による「職業魅力の低下」が、事実だとするならば、行政改革の最中、莫大な税金を投入している国立大学法人歯学部こそ、合理化・定員削減・統廃合・大学院特化等を喫緊の課題としてとらえるべきであり、早急に実施すべきである。現在の歯科医師の約75%が私立歯科大学・歯学部出身者である。一方、国立大学法人は、国税で6年間私立歯科大学・歯学部の約1/10の学費という低廉な学費によって学生を集めていながら、歯科医師需給問題に関連付けて、私立歯科大学・歯学部入学定員削減問題を議論することは、我が国、歯科界に内在する問題及び解決策を曖昧にし、国民歯科医療の向上という我が国歯科医療界の果たすべき本旨から大きく逸脱する論と考える。

 私立の歯学部を卒業するまでには入学金、授業料その他で数千万円の費用がかかる。これまでは開業すれば元が取れたので定員割れなど考えられなかった。今では国家試験の合格率は6割台、しかも合格しても歯科医師過剰で開業すらままならない。これでは学生が集まらないのも当然だろう。今後は地盤を築いた歯科医の師弟くらいしか私立の医学部には行かないだろう。
 国立大学があるから大丈夫と言えるかだが、国立大学だって6年間の授業料や生活費は相当な額になる。歯科医になっても高収入はおろかワーキングプアになるかもしれないとなれば、普通の家庭の子供は歯科医を目指そうとは思わないのではないか。結局地盤を築いた歯科医の師弟だけが世襲するようなことにもなりかねない。高収入を確保してあげろとは言わないが、資格に見合った収入位は確保してあげないと優秀な人材は逃げていく。歯科医の質が下がって被害を被るのは患者である国民だ。
 弁護士はどうかといえば似たような状況だ。

 全国の法科大学院74校のうち、80%の59校で今春の入学者が入学定員を下回り、うち13校は50%未満だったことが5日、文部科学省のまとめで分かった。入学総定員5765人に対する入学者は計4844人で充足率は84%だった。志願者数は全体で延べ2万9714人と3万人を割った。受験者数は同2万5857人で合格者は同9186人、競争倍率は2・8倍だった。法科大学院は、修了者の新司法試験合格率が昨年は平均33%と低迷、質向上が課題とされている。法科大学院協会が実施した今春の調査では、少なくとも65校が2011年度までに定員削減をしたり検討するとしており、定員削減の動きに拍車が掛かりそうだ。文科省によると、千葉大(定員50人)は競争倍率が8・5倍と高く71人を合格としたが、入学者は41人と定員割れとなっていた。私立大では、姫路独協大(30人)が入学者5人、京都産業大(60人)が同19人、東北学院大(50人)が同18人などと定員割れ。国立大では、昨年の新試験の合格率が0%だった信州大(40人)が入学者17人で、定員の半数を割った。入学者割合が100%を超えたのは12校で、熊本大(30人)が入学者35人、名古屋大(80人)が91人、上智大(100人)109人などだった。

 司法試験の場合は法科大学院が濫立しているために歯科医師国家試験よりさらに合格率が低い。その上弁護士人口激増政策によって就職もままならないのであるから志願者が減るのは当然だろう。
 高収入目当ての志の低い者が受けなくなるだけだから問題ないということにもなりそうだがそうではない。法科大学院卒業は司法試験の受験資格だから受験するためには2~3年間法科大学院に行かなければならない。その間の授業料は300万~500万で、アルバイトなどしている暇はないから生活費も同じ位用意しなければならない。しかも今年から司法修習生も貸与性になるので1年間の司法修習中(司法修習生はアルバイト禁止だ)にさらに300万円位かかる。つまり弁護士になるには最低でも合計約1000万円かかることになる。平成20年度の国民の平均年収を見ると300万円以下が39.7%を占める。大学卒業後さらに子供に1000万円出すことなど普通の家庭では不可能だろう。結局普通の家庭の人間は奨学金と国からの貸与を受けることになるがそれは紛れもなく借金だ。この弁護士就職難の時代に1000万円の借金を背負ってまで弁護士になろうとする者がどれだけいるのだろう。もはや法曹資格は金持ち限定の資格と言わざるを得ない。これでは志のある有為の人材が経済的理由で法曹界から排除されてしまう。弁護士や裁判官の質が下がって被害を被るのは利用者である国民だ。
 弁護士の場合医師や歯科医師と違って二世は少なかった。中学さえ出ていれば誰でも何回でも司法試験を受験できたし、合格すれば司法修習中は国から給与が支給された。少なくとも経済的理由で受験をあきらめるということはなかった(もっとも就職の機会を逃して人生を棒に振る危険はあったがそれは自己責任だ)。今後はおそらく弁護士も二世が増えることだろう。
 弁護士会内でこんなことを言うのは私くらいだが、私は法科大学院卒業を司法試験の受験資格とするのは職業選択の自由を奪うもので憲法違反であり、また法曹養成の在り方としても誤りだと思う。法科大学院を受験資格としたのは受験勉強偏重による弊害を除き、社会経験のある者を含め幅広い人材を確保しようというのが理由とされている(もっともそれは表向きの理屈付けであって実際は弁護士急増のために他に方法がなかったからだが)。しかし法曹という資格を与える試験である以上公平性、平等性は絶対に確保しなければならない。それを犠牲にするメリットが法科大学院にあるとは到底思われない。

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