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2010年6月30日 (水)

京産大 司法修習生に生活費支給 NHKニュース

リンク: 京産大 司法修習生に生活費支給 NHKニュース.

  弁護士や裁判官を目指す司法修習生に国が毎月20万円余りを支給する制度がことしから廃止されることを受け、京都市の京都産業大学は、全国で初めて、大学を卒業した司法修習生に対して生活費を支給することを決めました。
  弁護士や裁判官、それに検察官を目指して1年間の実習を受ける司法修習生には、アルバイトを禁止する代わりに、国が毎月20万円余りを支給してきました。しかし、法律の改正でことし11月に支給は廃止され、新たな制度では司法修習生に生活資金を貸し出すことになります。これについて、京都市北区の京都産業大学は、大学を卒業した司法修習生が新たな借金を強いられることを防ごうと、生活費の一部を補助することを決めました。司法修習生の生活費の支援に大学が乗り出すのは全国でも初めてだということで、大学では、今後、補助の額について検討を進めるとしています。日本弁護士連合会の調査では、司法修習生のおよそ半数は、平均で300万円を超える奨学金を借りているということで、各地の弁護士会では、経済的な余裕がなければ、法律家への道を断念する学生が増えるおそれがあるとして、国が負担を継続するよう引き続き働きかけることにしています。

  京都産業大学ではここまでやらないとロースクールの入学者を確保できないということなのだろう。姫路獨協大は既にロースクールからの撤回を発表しているがどちらの選択が正しいのだろうか。
  ロースクールのない大学の法学部は生き残れないという考えから全国で74校ものロースクールが濫立している。しかし元々日本の大学の法学部は法曹(裁判官、検察官、弁護士)養成を目的としてきたわけではなく、ある程度の法律知識を持った社会人という意味での法学士を養成してきたのだ。今でも圧倒的に多くの卒業生は官庁や一般企業に就職している。ロースクールのない大学の法学部は生き残れないという考え方自体が誤っていたのだと考え直すべきだろう。
  この際ロースクール制度の導入が社会にどのようなメリット・デメリットをもたらしたのか検証されるべきだ。従来司法試験受験生は、大学の法学部に在籍しながらあるいは卒業後正規あるいは不正規で働きながら受験勉強をしていた。従って社会的コストはほとんどかからなかったと言ってよい。しかしロースクールの設立・維持には膨大なコストがかかる。ロースクール生の授業料で賄えるはずもないので国公立大学では膨大な税金が投入されているし、私立大学でも私学助成金という税金が投入されている。文部科学省は今まで投入した税金の総額を公開すべきだろう。もちろん税金以外にも学部生が納めた授業料も流用されているはずだ。
  受験生はどうかと言えばそれまでは全く不要であったロースクールの入学金や授業料を支払わねばならず事実上アルバイトをする余裕はないので親の援助を受けられない者は借金に頼らざるを得ない。運良く司法試験に合格すればまだ救われるが、卒業後5年以内に合格できなければ受験資格を失うので、30歳前後で多額の借金を抱えて路頭に迷うことになりかねない。
  ではメリットはあったのか。ロースクールではせいぜい民事の訴状を1通起案させるだけで、起訴状・弁論要旨・判決・準備書面の作成といったことはほとんど行われていないようだ。それでいきなり実務修習に入る。修習期間は僅か1年で、しかも就職難のために修習そっちのけで就職活動を行わざるを得ないケースもあるようだ。修習修了者の質を客観的に検証することはなかなか困難だが、以前の法曹養成制度と比較して質が向上するような材料は見当たらない。
  ロースクールの専任実務家教員の年俸は1000~1200万円と聞くが専任といっても弁護士業務ができないわけではない。ロースクールができて得をしたのは天下り先や副業の途ができた退職裁判官・検察官や弁護士だけという見方もできるだろう。
  冷静に考えればロースクール制度はおそろしく無駄な公共?事業というべきだろう。ロースクール卒業を司法試験の受験資格にしなければこのような膨大な社会的コストの無駄は生まれなかった。このような制度はロースクールに行けるような金持ちしか司法試験を受けられないという問題性だけではなく、無用な社会的コストをかけているという面から考えても改められるべきだろう。法律の勉強がしたいからロースクールで学びたいあるいは司法試験合格のために有利だと考える者は行けばよいし、そのような教育機関が必要だと大学が考えるならロースクールを存続させるのは大学の自由だろう。しかし司法試験はそもそも資格試験であり合格できる能力があるかどうか問題なのであって、受験資格の段階で制限すべきではない。
  司法修習生の給費制の維持には賛成だが、ロースクール卒業を司法試験の受験資格とする限りしょせんは弥縫策に過ぎない。給費制維持にとどまらず現在の法曹養成制度の抜本的見直しを検討すべきだろう。

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