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2010年7月31日 (土)

医療過誤事件の鑑定料70万円て高すぎない?

  現在担当中の医療過誤事件で鑑定中のものが2件ある(1件は被告申請)。鑑定人が決まったが、鑑定費用はいずれも70万円だった。これまでは例外なく50万円だったので大幅な値上げだ。国民の所得の平均が昭和63年の水準まで低下しているというのにどうしてこんなに高額になるのだろう。病院側にとっては何でもない金額だろうが(そもそも医師賠償保険から出るので自腹を切るわけではない)、患者にとっては70万円などという金額を予納しろと言われて直ぐに準備できる者はそう多くはない。今回はたままた金銭的に余裕のある依頼者だったので準備できたが、このままでは経済的理由で鑑定を断念せざるを得ない場合も出てくるのではないか。
  私の場合は医療過誤訴訟の着手金は請求金額にかかわらず一律50万円でやっている(請求金額が500万円以下の場合は20~30万円に減額している)。控訴審まで行っても一切追加はなしである。もう少しもらってもよいかなとは思うが患者の負担を考えるととてもそれ以上は言えない。かける労力と時間を考えれば弁護士費用より鑑定費用が高いのはおかしい。私的鑑定だって30万円でやってもらっているし、匿名の意見書は7万円程度で作成してもらっている。そんな金額では協力できないなどと言われた経験はない。正式鑑定だって私的鑑定だってやることは同じで作成者の負担は全く変わらない。従前の50万円でも高すぎると思っていたが、それを70万円に値上げする裁判所の金銭感覚は疑問だ。
  どのような経緯で70万円になったのか分からないが、別々の裁判所でほぼ同時期に70万円になったということは基準を変えたということだろう。そして鑑定を引き受けるような医師がそんなにがめついとは思えないので、鑑定人側が70万を要求したのではなく、裁判所が70万円で依頼しているものと推測される。裁判所が金を出すわけではないからその辺は全く無頓着なのだろうが、少しは一般国民の金銭感覚を学んではどうか。当事者の負担を考慮するなら最初は30~50万円で打診すべきだろう。そして 鑑定人に選任されるような医師は当該分野で指導的な立場にあると評価されているのであるが、能力を持ち尊敬される地位にある者にはその能力を社会のために生かす責務があると思う。鑑定を引き受ける者はそのような使命感と責任感から引き受けているのであってお金のためではないはずだ。もし70万円ならやるが50万円なら引き受けないなどという鑑定人候補者がいたなら、そのこと自体で不適格と言うべきだろう。


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