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2010年12月30日 (木)

時効直前に不起訴=遺族、検審利用できず 医療事故死

リンク: 時事ドットコム:時効直前に不起訴=遺族、検審利用できず-専門家の大半、過失指摘-医療事故死.

 救急車で運ばれた26歳の女性に最低限の検査をせず死亡させたとして、業務上過失致死容疑で書類送検された救急病院の担当医(51)について、東京地検が時効2週間前に嫌疑不十分で不起訴処分としたため、遺族が検察審査会へ申し立てできなかったことが分かった。捜査に協力した専門家の大半は過失を指摘したが、地検は担当医の説明と同じ理由で不起訴とした。遺族は地検から詳しい理由を説明されていないという。
  女性は2005年4月14日夜、激しい腹痛を訴え、東京都世田谷区の2次救急指定病院に入院したが、翌朝死亡。子宮外妊娠による卵管破裂、大量出血が原因だった。
  複数の捜査関係者や地検が遺族側に開示した資料などによると、警視庁は約4年間ほとんど捜査しなかったが09年春に始め、同7月ごろ地検に報告。今年1月には、起訴に向け補充捜査を求められ、態勢を強化した。
  医療過誤事件は、専門家の意見が立証の柱となる。警視庁が見解を求めた少なくとも8人の医師は全員、「最低限の検査をすれば救命できた」と担当医の過失を認めた。
  ところが地検は3月中旬、一転して不起訴とする意向を警視庁に伝え、書類送検時の意見を「厳重処分」にしないよう要請。同庁は意見を変えず同29日に書類送検したが、地検は2日後「急性胃腸炎と考えた」などとした担当医の説明通りの理由で不起訴とした。警察の意見で最も重い厳重処分の事件が不起訴になるのは異例という。(2010/12/29-23:34)

  私は医療過誤について刑事罰を科すことについては消極的で、極端な怠慢型医療過誤のみに限定すべきと考えている。本件がそのようなケースなのか分からないが、一晩中激しい腹痛を訴え続けたのに診断の見直しをしなかったというのなら起訴もあり得たと思う。
  私が酷いと思うのは不起訴にしたこと自体ではなく、「警視庁が約4年間ほとんど捜査しなかったこと」、「地検が不起訴とする意向を警視庁に伝え、書類送検時の意見を厳重処分にしないよう要請したこと」、「東京地検が時効2週間前に嫌疑不十分で不起訴処分としたため、遺族が検察審査会へ申し立てできなかったこと」だ。
  ろくに捜査しないで時効が近づくと不起訴にするというのは医療過誤ではめずらしいことではなく警察、検察の常套手段だ。ちなみに捜査中だと捜査資料であることを盾に司法解剖の結果を遺族に開示せず、民事責任の追及に支障を来すこともある。しかし、時効2週間前の不起訴というのはあんまりだろう。これでは実質上検察審査会制度を否定することになる。検察審査会で2度起訴相当の議決がなされれば強制起訴がなされることになった現在このような制度を否定するような運用は厳しく批判されるべきだ。あまつさえ不起訴処分にしやすいように警察に、書類送検時の意見を厳重処分にしないよう要請するに至っては姑息としか言いようがない。やはり検察は腐りかけているようだ。

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