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2011年4月 3日 (日)

福島原発事故についての緊急建言 専門家らが提言 事態は深刻のようだ

原発事故、国内の経験総動員を…専門家らが提言

読売新聞 4 月1 日(金)20 時43 分配信
福島第一原子力発電所の事故を受け、日本の原子力研究を担ってきた専門家が1日、「状況はかなり深刻で、広範な放射能汚染の可能性を排除できない。国内の知識・経験を総動員する必要がある」として、原子力災害対策特別措置法に基づいて、国と自治体、産業界、研究機関が一体となって緊急事態に対処することを求める提言を発表した。
田中俊一・元日本原子力学会長をはじめ、松浦祥次郎・元原子力安全委員長、石野栞(しおり)・東京大名誉教授ら16人。
同原発1~3号機について田中氏らは「燃料の一部が溶けて、原子炉圧力容器下部にたまっている。現在の応急的な冷却では、圧力容器の壁を熱で溶かし、突き破ってしまう」と警告。また、3基の原子炉内に残る燃料は、チェルノブイリ原発事故をはるかに上回る放射能があり、それをすべて封じ込める必要があると指摘した。
一方、松浦氏は「原子力工学を最初に専攻した世代として、利益が大きいと思って、原子力利用を推進してきた。(今回のような事故について)考えを突き詰め、問題解決の方法を考えなかった」と陳謝した。
最終更新:4 月2 日(土)1 時42 分
「原子炉と使用済燃料の連続冷却が最重要」原子力専門家が緊急提言
産経新聞 4 月1 日(金)22 時39 分配信
東京電力福島第1原発事故を受け、田中俊一・前原子力委員長代理ら専門家が1日、文部科学省で「当面の最重要課題は大量の放射能を環境に出さない工夫をしながら、原子炉と燃料プールの使用済燃料を連続冷却すること」とする緊急提言を公表した。
公表に同席した松浦祥次郎・元原子力安全委員長は「謝って謝れる問題ではないと思うが、失敗した人間として社会に対して問題を解決する方法を考えたかった」と陳謝した。
提言では現状について、原子炉の圧力容器内部で水の放射線分解によって生成された水素ガスが発生し続けていると指摘。「万が一にも水素爆発を起こさない手立てが必要」とした。
また、田中前原子力委員長代理は「今は国を挙げて取り組む態勢ができていない」と話し、研究者や産業界などの力を結集すべきだとの認識を示した。
原子力委員会元委員らが陳謝
4 月1 日 19 時31 分
事態収束の兆しが見えない東京電力の福島第一原子力発電所について、国の原子力委員会や原子力安全委員会の元委員らが、1日、記者会見し、原子力の利用を先頭に立って進めてきた立場から国民に陳謝するとともに、政府は国を挙げて事態に対処する強力な態勢を作るべきだなどと訴えました。
記者会見したのは、原子力委員会の元委員長代理の田中俊一氏や原子力安全委員会の元委員長の松浦祥次郎氏、それに東京大学名誉教授の石野栞氏の3人です。3人は、日本の原子力利用を支えてきた研究者や技術者16人を代表して、1日、文部科学省で記者会見し、「これまで原子力の平和利用を先頭だって進めてきた者として、今回の事故を防ぎえなかったことについて、国民に申し訳なく思います」と述べました。
そして、事態は次々と悪化し、収束の見通しは得られていないとして、電源と冷却機能を回復させ、原子炉や燃料プールを冷却し、大量の放射性物質の拡散を防ぐための対策を急ぐ必要があるとしました。具体的な対策としては、▽安定した冷却機能の復旧に向けて、24時間態勢で作業を進める一方で、作業員の人数を増やして1人当たりの作業時間を制限し、被ばく量を少なくすること、▽放射性物質の拡散を防ぐとともに、汚染の影響を評価し、避難している住民が帰れるまでの手順を示すことなどを挙げました。そのうえで、危機的な事態に専門家の知識や経験が十分に生かされていないとして、政府の下に、原子力事故の解析や放射線の計測評価など経験と技術を持った専門家を結集し、国民に情報を提供し協力を求めながら、国を挙げて事態の収束に当たることが重要だと訴えました。

福島原発事故についての緊急建言

はじめに、原子力の平和利用を先頭だって進めて来た者として、今回の事故を極めて遺憾に思うと同時に国民に深く陳謝いたします。
私達は、事故の発生当初から速やかな事故の終息を願いつつ、事故の推移を固唾を呑んで見守ってきた。しかし、事態は次々と悪化し、今日に至るも事故を終息させる見通しが得られていない状況である。既に、各原子炉や使用済燃料プールの燃料の多くは、破損あるいは溶融し、燃料内の膨大な放射性物質は、圧力容器や格納容器内に拡散・分布し、その一部は環境に放出され、現在も放出され続けている。
特に懸念されることは、溶融炉心が時間とともに、圧力容器を溶かし、格納容器に移り、さらに格納容器の放射能の閉じ込め機能を破壊することや、圧力容器内で生成された大量の水素ガスの火災・爆発による格納容器の破壊などによる広範で深刻な放射能汚染の可能性を排除できないことである。
こうした深刻な事態を回避するためには、一刻も早く電源と冷却システムを回復させ、原子炉や使用済燃料プールを継続して冷却する機能を回復させることが唯一の方法である。現場は、このために必死の努力を継続しているものと承知しているが、極めて高い放射線量による過酷な環境が障害になって、復旧作業が遅れ、現場作業者の被ばく線量の増加をもたらしている。
こうした中で、度重なる水素爆発、使用済燃料プールの水位低下、相次ぐ火災、作業者の被ばく事故、極めて高い放射能を含む冷却水の大量漏洩、放射能分析データの誤りなど、次々と様々な障害が起り、本格的な冷却システムの回復の見通しが立たない状況にある。
一方、環境に放出された放射能は、現時点で一般住民の健康に影響が及ぶレベルではないとは云え、既に国民生活や社会活動に大きな不安と影響を与えている。さらに、事故の終息については見通しがないとはいえ、住民避難に対する対策は極めて重要な課題であり、復帰も含めた放射線・放射能対策の検討も急ぐ必要がある。
福島原発事故は極めて深刻な状況にある。更なる大量の放射能放出があれば避難地域にとどまらず、さらに広範な地域での生活が困難になることも予測され、一東京電力だけの事故でなく、既に国家的な事件というべき事態に直面している。
当面なすべきことは、原子炉及び使用済核燃料プール内の燃料の冷却状況を安定させ、内部に蓄積されている大量の放射能を閉じ込めることであり、また、サイト内に漏出した放射能塵や高レベルの放射能水が環境に放散することを極力抑えることである。これを達成することは極めて困難な仕事であるが、これを達成できなければ事故の終息は覚束ない。
さらに、原子炉内の核燃料、放射能の後始末は、極めて困難で、かつ極めて長期の取組みとなることから、当面の危機を乗り越えた後は、継続的な放射能の漏洩を防ぐための密閉管理が必要となる。ただし、この場合でも、原子炉内からは放射線分解によって水素ガスが出続けるので、万が一にも水素爆発を起こさない手立てが必要である。
事態をこれ以上悪化させずに、当面の難局を乗り切り、長期的に危機を増大させないためには、原子力安全委員会、原子力安全・保安院、関係省庁に加えて、日本原子力研究開発機構、放射線医学総合研究所、産業界、大学等を結集し、我が国がもつ専門的英知と経験を組織的、機動的に活用しつつ、総合的かつ戦略的に取組むことが必須である。
私達は、国を挙げた福島原発事故に対処する強力な体制を緊急に構築することを強く政府に求めるものである。
平成23年3月31日
青木 芳朗 元原子力安全委員
石野 栞 東京大学名誉教授
木村 逸郎 京都大学名誉教授
齋藤 伸三 元原子力委員長代理、元日本原子力学会会長
佐藤 一男 元原子力安全委員長
柴田 徳思 学術会議連携会員、基礎医学委員会。総合工学委員会合同
放射線の利用に伴う課題検討分科会委員長
住田 健二 元原子力安全委員会委員長代理、元日本原子力学会会長
関本 博 東京工業大学名誉教授
田中 俊一 前原子力委員会委員長代理、元日本原子力学会会長
長瀧 重信 元放射線影響研究所理事長
永宮 正治 学術会議会員、日本物理学会会長
成合 英樹 元日本原子力学会会長、前原子力安全基盤機構理事長
広瀬 崇子 前原子力委員、学術会議連携会員
松浦祥次郎 元原子力安全委員長
松原 純子 元原子力安全委員会委員長代理
諸葛 宗男 東京大学公共政策大学院特任教授

福島原発事故に係る主な課題

当面の最重要課題は、大量の放射能を環境にださない工夫をしながら、原子炉と燃料プールの使用済燃料を連続冷却すること(循環余熱除去システムの復帰)。
・ 必要なことは、電源を復帰させ、余熱除去システムを稼動させることで、一刻も速やかにこれを達成すること。
・ 作業を速やかに実施するためには、作業環境、作業体制を整えること。
― 作業場の放射線量をできるだけ下げること
― 重層的な作業体制をつくって、24 時間体制で実施できるようにし、個人の被ばく線量を抑制すると同時に、作業者が適切な休養・栄養・睡眠をとって思わぬ災害やトラブルを起こさないようにすること。
高レベルの放射線量下での作業は、2-3 時間で交代できるようにすべき。
・ 前線の作戦本部はサイトまたはオフサイトセンター内において、サイト内の現場作業と一体となって取組む(被ばくも苦労も分かち合うこと)。
・ 一個人に役割を集中させず、柔軟な役割分担も必要(現場所長等の超過労に配慮)。
制約条件
・ 炉心や燃料プールの冷却を欠かすことができない。しかし、冷却を継続していても溶融炉心は、徐々に圧力容器壁を溶かし続けるので、時間的な制約がある。
・ 水素は発生しており、細心の注意が必要。
・ 高レベルの放射性排水の処理は、極めて困難。多くの放射線源が分散しており、適切な放射線管理と遮蔽対策が必要。
・ 高レベル廃液は、移したところが放射線の発生源となるので、遮蔽が必要。
絶対に維持すべきことは、圧力容器と格納容器の閉じ込め機能と、使用済燃料プールの水位の維持
閉じ込め機能維持
・ 格納容器の圧力を下げるとか、水素爆発を除くために排気すれば、格納容器内の放射能の一部が環境に出る。
・ 燃料が破損・溶融したため、格納容器内には莫大な放射能が溜まっていると推定されるが、その量は不明。
・ ドライベントのように、放射能を環境に排出せざるを得ない事態には、住民、自治体に衆知し、適切な対応を要請すべし。
使用済燃料の破損防止
・ 使用済燃料プールの水位が下がり、燃料が空気中に晒され、除熱できなくなると燃料被覆管であるZr合金の温度が上がり、Zr-水(水蒸気)反応が起こり、被覆管が破損し、内部の放射能が環境に放出される。
・ 既に、3号機と4号機の使用済燃料ではこうした事態が一旦起ったようであるが、これ以上被覆管が破損し、さらに大量の放射能が放出されるのを防ぐためには、燃料を完全に水没させておくことが極めて重要である。
生活環境に放出された放射能対策と避難住民の復帰対策
・ 広範に放出された放射能の詳細な測定と影響評価
― 空間線量(積算線量)、土壌汚染、飲料水汚染の実態と評価
― 核種・線量の汚染マップの作成
・ 野菜等の風評被害対応
科学的で信頼できる評価と説明(個々バラバラの説明はよくない)
・ 相当の広い範囲でセシウム137 等による汚染があり、レベルに応じた対策が必要。
・ 避難住民の復帰シナリオの提示
・ 必要に応じた健康診断
サイト内の放射能対策は、短期課題、中・長期課題に分けて対応すべし。まず、安全に安定化、その後大量の放射性廃棄物の処分
・ 当面は、放射能が環境に逸散するのを防ぐ手当てが必要(密閉管理)
・ サイト内に広がっている放射能対策
― 汚染されている土壌等は、できるだけまとめて放射能粉塵の飛散を防ぐ措置
― サイト外への飛散を防ぐことと、サイトでの作業者の被ばくを減らす上で重要
・ 大量の高レベル放射能排水の処理・処分
・ 使用済燃料の始末(長期)
・ 原子炉の始末(長期)

  政府からは原子炉の状況についてのまとまった発表がないがこの緊急建言で述べられているのが現状なのだろう。予想通り深刻だ。要点をまとめると
 
「各原子炉や使用済燃料プールの燃料の多くは、破損あるいは溶融し、燃料内の膨大な放射性物質は、圧力容器や格納容器内に拡散・分布し、その一部は環境に放出され、現在も放出され続けている。溶融炉心が時間とともに、圧力容器を溶かし、格納容器に移り、さらに格納容器の放射能の閉じ込め機能を破壊することや、圧力容器内で生成された大量の水素ガスの火災・爆発による格納容器の破壊などによる広範で深刻な放射能汚染の可能性を排除できない。 燃料が破損・溶融したため、格納容器内には莫大な放射能が溜まっていると推定されるが、その量は不明」
  「こうした深刻な事態を回避するためには、一刻も早く電源と冷却システムを回復させ、原子炉や使用済燃料プールを継続して冷却する機能を回復させることが唯一の方法である。冷却を継続していても溶融炉心は、徐々に圧力容器壁を溶かし続けるので、時間的な制約がある。絶対に維持すべきことは、圧力容器と格納容器の閉じ込め機能と、使用済燃料プールの水位の維持。」
  「度重なる水素爆発、使用済燃料プールの水位低下、相次ぐ火災、作業者の被ばく事故、極めて高い放射能を含む冷却水の大量漏洩、放射能分析データの誤りなど、次々と様々な障害が起り、本格的な冷却システムの回復の見通しが立たない状況」
   「
格納容器の圧力を下げるとか、水素爆発を除くために排気すれば、格納容器内の放射能の一部が環境に出る。 ドライベントのように、放射能を環境に排出せざるを得ない事態には、住民、自治体に衆知し、適切な対応を要請すべし」
ということか。
   つまり、「各原子炉や使用済燃料プールの燃料の多くは、破損あるいは溶融し、燃料内の膨大な放射性物質が圧力容器や格納容器内に溜まっている。溶融炉心が時間とともに圧力容器を溶かし、格納容器に移り、格納容器の放射能の閉じ込め機能の破壊や、圧力容器内で生成された大量の水素ガスの爆発による格納容器の破壊の可能性がある。こうした事態を回避するためには冷却システムを回復させ、原子炉や使用済燃料プールを継続して冷却する機能を回復させることが唯一の方法である。
しかし本格的な冷却システムの回復の見通しは立っていない。格納容器の水素爆発を除くためにドライベントで排気すれば、格納容器内の放射能を環境に排出せざるを得ない。」のが現状ということだろう。
  米国エネルギー省によれば1号機の燃料棒の70%、2号機の33%が損傷しているとされる。最悪の事態は格納容器の水素爆発による破損で、そうなれば格納容器内の膨大な放射性物質が環境に排出され、現在とは比較にならない放射線被ばくが生じるということなのだろう。それを防ぐには放射能が排出されるとしてもドライベントを躊躇するなということか。しかしドライベントで水素爆発を回避するとしても、冷却を継続していても溶融炉心は、徐々に圧力容器壁を溶かし続けるとされている。圧力容器が溶けて大量の溶融した核燃料が格納容器内に流出すれば、格納容器内には大量の水が貯まっているので水蒸気爆発が起きるのではないか?水蒸気爆発が起きないとしても、格納容器は果たして大量の溶融した核燃料に耐えうるのだろうか。既に何千トン単位の大量の漏水が生じているのだから溶融した核燃料も格納容器から漏出すると考えるのが自然だと思えるが。
  そうならないことを祈るが、仮に格納容器が水素爆発で破損した場合、あるいは大量の溶融した核燃料が格納容器から漏出した場合にどの程度の放射性物質が排出され、どの範囲にどの程度広がることになるのかが知りたい。テレビに出ている専門家は口を揃えて「今の時点でその可能性は低い」と言うだけで、実際そうなった場合のことは誰も言おうとしない。パニックが怖くて言えないのかもしれないが、分かるなら言うべきだろう。国民が知りたいのは最悪の場合どうなるのかだと思う。
  緊急建言は「重層的な作業体制をつくって、24 時間体制で実施できるようにし、個人の被ばく線量を抑制すると同時に、作業者が適切な休養・栄養・睡眠をとって思わぬ災害やトラブルを起こさないようにすること。高レベルの放射線量下での作業は、2-3 時間で交代できるようにすべき。」としているが、そのためには東電のみならず原発を有する全ての電力会社に志願による作業員の提供を求めるべきだろう。東電だけでやれるとはとても思えない。
  「前線の作戦本部はサイトまたはオフサイトセンター内において、サイト内の現場作業と一体となって取組む(被ばくも苦労も分かち合うこと)。」との指摘ももっともだ。そもそも誰が第一線で指揮を執っているのか全く見えない。原子力安全委員会の委員長と原子力安全・保安院の院長がオフサイトセンターで指揮をとるのが当然だと思うが。
 

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