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2011年4月13日 (水)

震災関連死の疑い282人 災害関連死の認定作業が急務だ 

 東日本大震災が発生し、11日で1か月。避難所の寒さや衛生状態の悪さから持病が悪化するなどして亡くなる「震災関連死」の疑い例が、岩手、宮城、福島3県で少なくとも282人に上ることが、読売新聞の災害拠点病院などのアンケート調査でわかった。
  被害が甚大だった岩手沿岸の病院では未回答のところも多く、人数がさらに膨らむのは必至だ。避難所の劣悪な状況はあまり改善されておらず、専門家は「関連死が拡大する速度は、阪神大震災や中越地震の時と比較にならない」と警告している。
 調査は、災害拠点病院と主な2次救急指定病院の計113病院に、3月末までに被災した影響で持病悪化や新たな発症で亡くなった患者数を聞いた。56病院から回答があり、3県24病院が該当ケースがあるとしている。282人の内訳は、宮城214人、福島63人、岩手5人。大半が高齢者とみられる。
 死因について138人について回答があり、肺炎などの呼吸器疾患43人、心不全などの循環器疾患40人、脳卒中などの脳血管疾患11人。石巻赤十字病院は、3月中に1日30~50人の急患が搬送された。半数が避難所の被災者で、意識もなく心停止状態で運ばれてくる高齢者が多かった。同病院は、こうしたケースも関連死の疑い例とみている。
 震災関連死は、自治体が地震との因果関係を認定すれば、弔慰金の支払い対象となる。認定作業は審査会を設置して行われるが、医師の死亡診断書や警察の検視などが重要な判断材料となる。
 阪神大震災では、発生から10年間で919人が認定された。兵庫県内の死者6402人の14%を占めている。東日本大震災の死者は、警察庁の集計で1万3000人を超えたが、関連死は含まれていない。3県の災害対策本部は、いずれも関連死を「把握しきれていない」としている。
 震災関連死 地震に伴う持病の悪化や発作などが原因による死亡。明確な基準は定められていないが、自治体が認定する。(2011年4月11日 読売新聞)

  災害弔慰金などの支給に関する法律によって今回の震災によって死亡した者には250万円~500万円が支給される。問題は「災害によって死亡した者」の解釈だ。法律にも政令にも具体的な基準は全く示されていない。阪神淡路大震災の場合は次のように取り扱われたようだ。

  監察医もしくは臨床医が警察の要請により死体検案を行い、死因を外傷によるものか疾病なのかなど医学的に判断して死亡診断書(死体検案書)を発行した。その検案書に基づいて当局が「この震災による災害死」であるかどうかを判断した。被災自治体はこの警察の公式発表を基に住民票等から遺族を調査し、「災害弔慰金の支給等に関する法律」に基づく「災害弔慰金受給資格認定者」の通知を行った。
 「直接死」とは"最初に受給資格認定された者"の通称であり、その後に追加認定された「関連死」と相対させた形の呼称である。直接死の死因も、全てが調査され判明しているわけではない。災害時の混乱と監察医の不足、医師の救命治療への優先などの事情が重なったために、詳細な検視や解剖を行えなかった例もある。また警察の検視を経ず、役所に死亡届を提出する遺族も少なくなかった。そうした遺族は火葬の後になって初めて警察に来所し、弔慰金申請のための災害死の認定を求めて調査書を作成した(この場合、死因は不明となる)。こうした例は、現場や病院での死亡確認を警察以外の市などの行政職員が確認した場合や、開業医に死亡診断書を書いて貰った場合などが含まれる。
  「関連死(=震災関連死)」とは通称で、これはこの震災で新しく生まれた概念である。消防庁による定義及び名称は「災害発生後疾病により死亡した者の内、その疾病の発生原因や疾病を著しく悪化させた事について、災害と相当の因果関係があるとして関係市町で災害による死者とした者」。
  厚生省は、直接的な死因以外にも震災との因果関係が専門家によって認められば災害弔慰金を支給するとの方針を出した。これを受けて被災自治体はそれぞれ医師、弁護士などで構成される災害弔慰金給付審査委員会を設けて判断を行った。この「災害弔慰金追加認定」の数が、いわゆる震災関連死者として計上された。行政で使われることがあるという「認定死」との呼び方は、ここに由来する。
  この認定には前例も指針もなく、判定基準は関係市町間での統一も難しく個々の市町で相対的に判断された。だがその基準や審査課程、内容は全て非公開で、その後の災害被災自治体の問い合わせにも応じていない。このような審査委員会の決定は恣意的とも言え、その後認定を巡っての裁判も起こされた。例えば神戸市の災害弔慰金給付審査認定率は65.6%である。
 以上は次のサイトの記事の抜粋。

http://www.shinsaihatsu.com/data/hito.html

  「この認定には前例も指針もなく、判定基準は関係市町間での統一も難しく個々の市町で相対的に判断された。だがその基準や審査課程、内容は全て非公開」というのは極めて問題だ。東日本大震災では震災関連死の数は阪神淡路大震災とは比較にならないほど多数に上ると思われる。また解剖などは全く行われていないはずで、死因不明は多数に上るだろう。死因どころか死亡の状況すら判然としない場合も予想される。時間が経過すればなおさらだ。「厚生省(当時)は、直接的な死因以外にも震災との因果関係が専門家によって認められば災害弔慰金を支給するとの方針を出した」とのことだが、厳密な因果関係の存在を要求したのでは、「死因不明」=「因果関係不明」とされかねない。神戸市の災害弔慰金給付審査認定率は65.6%というのは非常に危惧される数字だ。
  震災時ではなく通常の医療を受けることができたなら死亡を回避できた可能性が認められる限り広く因果関係を認めるべきだろう。被災自治体はそれぞれ医師、弁護士などで構成される災害弔慰金給付審査委員会を設けて判断を行ったとされるが、自治体は弔慰金を支出する立場であるから認定が消極的になる懸念がある。第三者である弁護士会と医師会に審査を委託し、自治体はその意見に基づいて認定するという枠組みをとるのが妥当だと思う。仙台弁護士会は是非提言してほしい。

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