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2011年4月12日 (火)

福島原発に関するフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)の見解

 フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は12日までに、福島第1原発事故で放出された放射性物質による1年間の推定積算被ばく量を示す地図を公表した。それによると、原発から30キロ圏外にある福島県飯館村や川俣町の一部で30ミリシーベルトを超える恐れがあることが分かった。IRSNによると、積算被ばく量の多い地域は米エネルギー省の観測と同様、福島原発から北西地域に帯状に延び、30キロ圏外の2カ所で30ミリシーベルト超となった。IRSNは、放射性物質の広がる範囲について原発からの距離だけではなく、風向きや降水、降雪の影響を受けると指摘。今後もデータ収集に努め、より正確な推定地図を作る意向を示している。(共同)
 フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は6日までに、福島第1原発から流出する高濃度の放射性物質を含む水などが海洋に与える影響予測を発表した。微粒子の形で海底に沈殿する放射性物質の危険性を指摘し、長期の監視が必要と警告。放射性物質が魚介類の体内で濃縮される可能性も指摘した。IRSNは、海流のデータなどを基にしたコンピューターシミュレーションの結果から、放射性物質のうち海水に溶け込んだものについては水中で拡散し、海流で遠方に運ばれるため危険性が少ないと示唆。一方で、微粒子の形で海中にとどまる物質は海底に沈み、長期間汚染が続く可能性があるとした。特にセシウム134は数年、セシウム137は約30年にわたって海中にとどまるとして「沈殿が疑われる日本の海岸地域では、長期にわたる調査が必要だ」と指摘した。(共同)

http://www.irsn.fr/FR/popup/Pages/animation_dispersion_rejets_22mars.aspx

http://www.irsn.fr/FR/popup/Pages/animation_doses_corps_entiers_22mars.aspx

  福島第1原発の事故について、経済産業省原子力安全・保安院は12日、国際原子力事故評価尺度(INES)で最も深刻な事故に当たるレベル7と暫定的に評価すると発表した。保安院はこれまでレベル5(広範囲な影響を伴う事故)としていた。レベル7は、INESで「放射性物質の重大な外部放出」とされている。保安院は同日、国際原子力機関(IAEA)に評価結果を報告した。レベル7は旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(1986年)に次いで世界で2例目。ただ、保安院は放射性物質の推定放出量について、現時点では同事故の1割程度としている。保安院と国の原子力安全委員会はそれぞれ、原子炉の状態を示すデータや原発周辺で計測された放射線量、気象データなどから、放出された放射性物質の量を計算。放射性ヨウ素131に換算し、保安院は37万テラベクレル(テラは1兆)、安全委は63万テラベクレルに達したと推計した。INESはレベル7の評価基準として「数万テラベクレルを超える放射性物質の放出」を挙げており、保安院はこの基準を超えたと判断した。

  遅すぎるが選挙が終わってようやく日本政府も真実を認める気になったようだ。1ヶ月以上レベル5と言い続けるとはどういう神経をしているのだろう。いずれ分かることを先送りしたところで何の意味もない。保安院のいう37万テラベクレル(テラは1兆)にしろ安全委(非安全委というべきか)のいう63万テラベクレルにしろ、もの凄い量だ。チェルノブイリ事故の1割程度というがそれはあくまで現時点での話だ(現時点でもとんでもない量だが)。
  現時点での推定積算被ばく量がそれほど高くないのは、IRSNのシュミレーションを見ると風向きに救われているからのようだ。「現時点では安全だとか海流で拡散するから直ちに影響はない」などというたわごとは聞き飽きた。隠してもしょうがないのだから、IRSNを見習って1年間の推定積算被ばく量や高濃度の放射性物質が海洋に与える影響予測を行って公表するべきだ。マスコミは保安院や非安全委の発表など待たずに直接アメリカやフランスの専門機関に取材して正しい事実を報道して欲しい。
  1~3号機には緊急停止した時点で、放射性ヨウ素が各130万~230万テラベクレル(テラは1兆倍)、放射性セシウムが13万~22万テラベクレルあったと推定されている。まだ圧力容器自体は健全なのに既に1割の放射性物質が漏出している。次の通り既に格納容器の密閉性は失われている。これでもし圧力容器が損壊したらどうなるのか。
  圧力容器についての既存の循環冷却装置の復旧が可能とは思えない。格納容器ごと冷却する新たな循環冷却装置の設置や冷棺の方法が検討されているようだが、いずれの方法も格納容器の水密性が保たれていることが前提になる。しかし東電は11日、水素爆発を防ぐため窒素を注入している1号機の格納容器で、圧力が1・95気圧から上昇しなくなり、放射性物質を含む蒸気や窒素が外部に相当量漏れていると発表している。
東電によれば、7日未明から毎時28立方メートルの窒素を注入しており、容器内の圧力は、7日の1・56気圧から9日の1・9気圧まで徐々に上昇が続いたが、10日頃から圧力が1・95気圧のまま上がらなくなった。東電では「格納容器の密閉性が損なわれ、相当量が漏れている」とみているとされている。既に2号機については、水素爆発で格納容器が損傷していることが分かっている。こんな状態で格納容器ごと冷却することなどできるのだろうか。最悪このままの注水継続で原子炉の冷温停止を待つとなると1年以上(数年?)かかることになりそうだ。その間圧力容器が核燃料の崩壊熱に耐えてくれることを祈るほかない。
  詳しい報道はなされないが、政府はゼネコンが提案した原発施設全体を大きなドームで覆って(今放出が続いている)放射性物質の飛散を防ぐ案に飛びついたようだ。しかしそんなものは核燃料の冷却には何の役にも立たない。メルトダウンした場合の放射性物質の飛散を防げるわけでもない。方向性を間違っているとしか思えない。
  アメリカの助言に従って格納容器内に窒素を注入したのは、東電にしては珍しく妥当な予防措置だと思う。今後もアメリカとフランスの専門家の助言に従って原子炉の冷温停止に向けてあらゆる方策を講じて欲しい。

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