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2011年5月16日 (月)

災害関連死に対する災害弔慰金の支給基準(災害関連死認定基準) 中越大震災の際の認定実例

各都道府県災害弔慰金等事務担当者 御中
事 務 連 絡 平成23年4月30日
厚生労働省社会・援護局
災害救助一救援対策室
災害関連死に対する災害弔慰金等の対応 (情報提供)
標記の件について、別紙のとおり、 過去の;災害における災害関連死に係る災害弔慰金の支給判定に関する事例について情報提供します。ついては、 今回の震災における災害弔慰金等支給事務に際して参考とするとともに、 管内市町村に対して周知を図られよう願います。
【添付資料】
別紙1 災害弔慰金支給審査委員会設置要綱(例)
別紙2 災害弔慰金支給審査委員会おける委員構成等
別紙3 関連死認定基準(例)
別紙4 中越地震における死者一覧 (新潟県中越地震の例)

別紙1
00市災害弔慰金支給審査委員会設置要綱
平成17年11月18日
告示第347号
(設置)
第1条 本市は、 ○○市災害弔慰金の支給等に関する条例(昭和50年○○市条例第39号)第3条の規定に基づき新規県中越大震災災害弔慰金(以下「弔慰金」 という。)を支給するに当たり、・専門的見地から.地震との因果関係等を審査するため、 ○○市災害弔慰金支給審査委員会(以下「委員会」 という。)を設置する。
(任務)
第2条 委員会は、弔慰金の支給に係る事実の審査その他の弔感金の支給に関する事項の検討を行う。
(組議;)
第3条 委員会は、次に掲げる者のうちから市長が委項する委員5人以内をもって組継する。
(1) 学識経験者
(2) 保健・医療関係団体の代表者
(任期)
第4条.委員の任期は、委項の日から4年とし、再任を妨げない。ただし、委員に欠属が生じた場合の補欠の委員の任期は、 前任者の残任期間とする。
(委員長及び副委員長)
第5条 委員会に委員長及び副委員長各1人を置く。
2 委員長及び副委員長は、市長が指名する委員をもって充てる。
3 委員長は、委員会を代表し、会務を統括する。
4 副委i長は、 委員長を補佐し、 委員長に事故があるとき、 又は委員長が欠けたときは、その職務を代行する。 
(会議)
第6条 委員会の会護は、 委員長が招集し、 委員長が議長となる。
(意見の聴取等) .
第7条 委員長は、特に必要があると認めるときは、委員会の会議に委員以外の者の出席を求め、 その意見を聴き、 又は必要な資料の提出を求めることができる。
(庶務)
第8条 委員会の庶務は、 福祉保健部健康課及び危機管理防災本部において処理する。
(その他)
第9条 この要綱に定めるもののほか,委員会の連営に関し必要な事項は、委員長が別に定める。

別紙2
;災害弔慰金支給審査委員会における委員構成等
阪神 ・ 淡路大震災及び新潟県中越地震の際に設置された災害弔意金の支給審査委員会等は概ね下記のとおり。 .
0委員の総数は4~7人
0委員構成職種等
①医師(1~4人)診療科目例:内科、外科、精神科、整形外科、司法監察医
②弁護士 (1~3人)
③市職員 (1人)担当部長等
④その他・大学教授等・ 医療ソーシャルワーカー、 ソーシャルワーカー

別紙3
平成17年10月
○○市 新潟県中越大震災関連死認定基準(平成16年10月23日発災)
1 死亡までの経過期間
 平成16年10月中に死亡→震災関連死であると推定
 1ケ月以内の死亡.→震災関連死の可能性が高い
 死亡まで1ヶ月以上経過→震災関連死の可能性が低い
 死亡まで6ケ月以上経過→震災関連死でないと推定
2 地震と疾病との因果関係
(1)偶然による事故 →×
震災後に屋根の修理で転落、 地面の凹凸による転倒
(2)故意 → 4「自殺」参照
(3)重過失 →×
適切な医療を受Iナる必要性を認識し、 受けることが可能であったにもかかわらず無視。
(4)因果関係の断絶 →×
1 地震の前から重篤であった既往症が死因(震災による増悪なし)・・・・癌等
2 地震後に別の原因で発症した疾病が原因
(5)環境の激変 → ○
・病院の機能停止による初期治療の遅れ .
・病院の機能停止(転院を合む)I=よる既往症の增悪
・交通事情等による初期治療の遅れ
・選難所等生活の肉体・精神的疲労
・地震のショック・余震への恐怖
・救助・救護活動等の激務 ・
・多量の慶灰の吸引 ・
但し、 判断にあっては次の点を考慮する。
① 死因が、肺炎・心筋梗塞・心不全・脳梗塞等ありふれたものについては、次により.震災との関速を緻密に判断する
・発症時期 ・・・・,・・・・生活が安定して以降の発症なら、×
・地震前の状態(高血圧・高脂質・持病等)・・元々のハイリスク者ではなかったか。
・高齢 ・・・・・・・元々衰弱(免疫力低下)しており、地震がなくても同様の経過を辿ったと考えられる。
・医師の追加診断書 (少なくとも関連性が否定されていないこと) が必要
②地震のショックが原因と主張される場合、直接死因が、ショック症状の影響を受け得るものかどうか。
・癌、'賢不全の発症又は増悪、脳出血等は、×
③第三者の過失 →×
1 既往症の憎震、 直接死因の発症が明白な医療ミスあるいは不作為によってもたらされた場合
2 直接死因である症状の発見が選れ、 適切な処理ができなかったことについて、 医療側に明自な過失があった。
3 当該疾病と死亡の因果関係 、
(1)発症後、症状がまったく改善しなかったのか。
・一度改善した場合は、以降の悪化は震災によるものでなく、それ以降の原因によるものと考えられる。
・したがって、症状改書により入退院を操り返しているケースは、×
(2) 発症以後、 適切な処置をとっていたか。
・本人の意志で医療を受けることを意らなかったか。
・ 病院の不適切な処置はなかったか。
重症にも関わらず、 入院継続や転院の措置をとらず、 退院させた。
※退院は、 原則として症状改善の擬制となる。
4 自殺
故意(本人が任意に引き起こした)であることだけをもって一概に関違性を否定するものでなく、次の点を考慮し,判断する
(1)発作的なものでなく、精神的疾患に基づくもの。
・,精神的躁状態、自立神経失調症、言語異常等が精神科医により診断されていること。
・精神安定剤、睡眠薬等が投与されていたこと
・P TSD(心的外傷後ストレス障害)の診断までは必ずしも必要ではない。 .
(2)上記疾患が、震災を契機としたストレスによるものであること。
(注)1 上記の基準は、必ずしも、数値によりポイント化できるものではないので、個別に判断するしかないが、 著しくかけ離れるようなケースは排除していくこと。

別紙4
平成16年(2004年)新潟県中越地震における死者一覧
消防庁調べより
中越地震にお け_る死亡者合68名】
(うち、災害弔慰金が支給されたのは66名 (※))
※不支給の2名については、 弔慰金の支給する遣族がいなかったことによるもの。
<新潟県>
十日町市__
・34歳男性が建物外壁の下敷きになり死亡
・65歳女性が地震によるショックにより死亡
・市内病院において、乳幼児(2ケ月)が地震によるショックにより死亡
・避難中の車内で54歳男性が、脳疾患で死亡 .
・避難中の車内で74歳女性が、 疲労による心疾患で死亡
・78歳男性が、地震後の疲労等による心不全で死亡 .
・83歳女性が慣れない避難所生活から肺炎状態となり、 入院先の病院で死亡79歳女性が脳梗塞で入院中に被災し、脳梗塞が再発して死亡
(旧川西町)
・48歳女性が過労及びストレスにより死亡
長岡市【死者2 2名】
・濁沢町地内において土砂崩れによる家屋の倒壊により、 75歳女性と42歳男性が死亡59歳男性が、地震発生後、容態が悪化し、肺炎のため死亡
・73歳男性が、地震のショックにより、脳内出血により死亡
・妙見町地内の土砂崩れ現場において、39歳女性と3歳女の子が死亡(住所小出町)
・20歳男性(住所:上越市)が地震によるPTSDからくる悪性高熱等により死亡
・79歳女性が、地震発生後、持病が悪化し、呼吸不全により死亡
・70歳女性が、地震発生により多大なストレスがかかり、突然死
・70歳女性が、地震発生により心臓に強いストレスがかかり、心不全で死亡 .
・85歳男性が、地震により強いストレスがかかり、脳出血で死亡
・90歳男性が、地震により強いストレスがかかり、体力が低下し、肺炎及び心不全急
性憎悪で死亡  .
(旧・山古志村)
・南平地内において,土砂崩れによる家屋倒壊により、 78歳女性と54歳男性が死亡
・32歳男性が、 地震による疲労が原因と思われる交通事故により死亡
・87歳女性が、地震及び避難による強いストレスから、 出血性ショックで死亡
・52歳男性が、 全村避難となった山古志地域での排雪処理作業後、 パワーショベルを
トレーラーに積み込む作業中、 過労が原因となり操作を誤り、道路わきの河川に転落し溺死したもの
(旧・小国町) ・
・80歳男性が、 地震のショックによる脳梗塞により死亡
(旧越路町)
・88歳女性が地震発生による強いストレスで体調を崩し、急性心不全で死亡
・88歳女性が、地震及び避難により強いストレスがかかり、体力が低下し、肺炎で死

・78歳男性が、地震及び避難により強いストレスがかかり、心室頻拍症で死亡
(旧栃尾市)
・71 歳男性が、 地震後の疲労等による心筋梗塞で死亡
小千谷市_
・55歳男性が車庫の倒壊により下敷きとなり死亡
・70歳女性が、 地震によるショック死
・塩谷地区において、家屋倒壊により、子供3名(男子2名、女子1名、小学校5~6年)
死亡
・市内病院において、76歳男性(住所:越路町)の人工呼吸器が地震により外れ、死

・東栄地内において、 89歳男性が地震によるショック死
・両新田地内において,77歳女性が、 家屋倒壊により死亡
・85歳男性が、 地震のショックによる急性心不全で死亡
・68歳女性(住所:大和町)が、地震によるショックにより、脳内出血により死亡81歳男性が、地震によるショックにより、急性心筋梗塞で死亡
・43歳女性が、エコノミークラス症候群(肺動脈塞栓症)の疑いで死亡
・88歳男性が地震による栄養障害及び持病の悪化等により死亡
・84歳女性が地震発生後容態悪化し、 肺炎のため死亡
・52歳女性が地震後の避難生活での疲労等により突然死
・86歳男性が地震発生後容態悪化し、 重傷肺炎のため死亡
・82歳女性が地震後の避難生活による環境変化により、 急性心不全のため死亡
・90歳女性が、地震及び避難により強いストレスがかかり、体力が低下し、肺炎で死

・77歳男性が、地震により強いストレスがかかり、体力が低下し、呼吸不全で死亡
川 口.町 【死:者_6名】
・中山地内において、家屋が倒壊し、64歳男性1名と12歳女の子が死亡
・木沢地内において、家屋が倒壊し、81歳女性が死亡
・和南津地内において、家屋が倒壊し、78歳男性が死亡
・84歳女性が、 地震に疲労等による誤飲により死亡
・41歳男性(住所:妙高高原町)が復旧作業中、菌吸引による肺炎により死亡
魚沼市 【死者5名】
(旧・湯之谷村)
・44歳女性が、 地震のショックによる急性心筋梗塞で死亡67歳男性が、地震後の疲労等による心筋梗塞で死亡
(旧・小出町) .
・ ・91歳男性が、地震のショックによる急性心不全で死亡(旧・広神村)
・84歳女性が、過労及びストレスによる急性心不全で死亡
(旧・堀之内町)
・69歳男性が、 死亡。 地震後の疲労等によるものと推測される
湯沢町【死者1名】
・70歳男性(住所:小出町)が、宿泊先で地震によるショックで死亡
見附市【死者3名】
・60歳男性が、地震によるショックにより死亡
・70歳男性が、 地震発生による環境変化により状態が悪化し呼吸不全で死亡
・71歳男性が、地震及び避難により強いストレスがかかり、.体力が低下し、呼吸不全
で死亡
.南魚沼市【死者1名】 .
(旧・大和町)..
・83歳女性が、余震後のショックによる胸部大動脈瘤破裂により死亡
燕 市 【死者 2名】
・65歳女性が地震発生後、ショックにより容態が悪化し、慢性心不全急性憎悪及び肺
高血圧症憎悪により死亡
・83歳女性が地震のショック及び余震・への恐怖が原因で、急性心筋梗塞により死亡と
推定。

  統一基準を示すのではなく情報提供の形がとられている。地方自治体の個々の条例の解釈問題であるからこれは妥当だろう。問題は費用負担で、支給する災害弔慰金の4分の3は国庫負担だが4分の1は自治体の負担とされている。財政負担から自治体の認定が消極的になる懸念がある。自治体は二次補正で全額国庫負担にするよう国に働きかけるべきだろう。
  別紙4の実際の支給例を見ると広く救済されており妥当な認定がなされているように思う。死亡者数が少なかったので救済本位の認定がなされたのだろう。
  別紙3の某自治体の認定基準には問題がある。まず死亡までの経過期間を4つに分類しているが、東日本大震災では長期間に渡って避難所で劣悪な生活状況が継続し、極めて不十分な医療しか受けられなかった点で中越大震災とは大きな違いがある。期間で類型化するなら少なくとも2ヶ月以内の死亡は震災関連死の可能性が高いとすべきだろう。
  死因が、肺炎・心筋梗塞・心不全・脳梗塞等ありふれたものについては医師の追加診断書 (少なくとも関連性が否定されていないこと) が必要とされているが、東日本大震災では遠方の自治体を含む多数の応援医師によって治療や死体検案がなされており、またカルテの記載も簡略化せざるを得なかったであろうから、追加診断書提出は事実上不可能な場合が少なくないと思われる。従って追加診断書提出は要求すべきではない。
  また元々ハイリスクの者や高齢者について「地震がなくても同様の経過を辿ったと考えられる」かどうかの認定は慎重であるべきだ。この点で安易な認定がなされるなら既往症を持つ者や高齢者の大部分が支給対象外になりかねない。このような者は震災によるストレスや感染の危険性が高く抵抗力も弱いのであるから、震災の影響を受けやすい者として震災関連死と推定すべきだ。「地震がなくても同様の経過を辿ったと考えられる」場合とは例外的に完全に元の生活に戻った後で死亡した場合に限定すべきであろう。
  自殺についても、適切な治療を容易に受けられる状態になった以降は別にして、「精神的躁状態、自立神経失調症、言語異常等が精神科医により診断されていること」「精神安定剤、睡眠薬等が投与されていたこと」を要件とするのは適切でない。
  基準の末尾に「上記の基準は、必ずしも、数値によりポイント化できるものではないので、個別に判断するしかないが、著しくかけ離れるようなケースは排除していくこと。」とされているように、医学的証明に拘泥せず「著しくかけ離れるようなケースは排除していく」という姿勢で臨むべきであろう。

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