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2011年5月25日 (水)

芝浦工業大学非常勤講師(元東芝・格納容器設計者)後藤政志参考人「被曝前提の安全設計は非人間的」と力説。(参議院行政監視委員会) | もにぽブログ

リンク: 後藤政志参考人「原子力は技術じゃない。被曝前提の安全設計は非人間的」と力説。【文字おこし】(参議院行政監視委員会) | もにぽブログ(原発・放射能問題).

  5月23日に行われた「参議院行政監視委員会」で4名の方々が意見を述べられた。原発・放射能情報を積極的に集めている方にはお馴染みの先生・社長です。本日は冒頭の芝浦工業大学非常勤講師・後藤政志氏(元東芝・格納容器設計者)のお話を「文字おこし」しましたので、UP致します。映像で見れなかった方はテキストでどうぞ。映像は見たけれど、文字を見ながら内容をかみ締めてもう一度!という方もご覧ください。映像はこちら会議の名称と参考人は以下のようになっています。「参議院行政監視 委員会」行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査(原発事故と行政監視システムの在り方に関する件)
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章氏
芝浦工業大学非常勤講師 後藤政志氏               
神戸大学名誉教授 石橋克彦氏      
ソフトバンク株式会社代表取締役社長 孫正義氏

芝浦工業大学非常勤講師(元東芝、原子炉格納容器設計者) 後藤政志氏 

 後藤でございます。よろしくお願いいたします。私、10数年間にわたり、1989年から10数年に渡って東芝で原子力プラント、特に原子炉格納容器の設計に携わってまいりました。原子炉格納容器と申しますのは、放射性物質を外に出さない、事故の時に閉じ込めるという容器でございます。その設計を担当してました。その立場からですね、原子力事故・今回の事故及び原子力事故というものがどういうことかということを若干お話をさせていただきます。
  原子力安全のシステムを考えますとですね、福島第一原発に限らないんですけれど、よく言われるように原子炉を止める、核反応を止めるという意味です。制御棒というものがありまして、それが燃料棒の間に入りますと、核反応が一旦止まります。しかしですね、今回止まったわけです。福島の第一、1号から3号全部ですね。ですが、これはですね、実はこれは止まったというのは運がいいという面があるんです。すでに何回も制御棒の事故を起こしてる。一瞬で制御棒が必ず入るとは断言はできなかったんで。今回は良かったという事なんです。それは、福島第一原発の3号とか(××聞き取り不可能)1号で臨界事故というものを起こしています。ちょっと先に回しますと、次のページにリストがあるんですけれど十数件があって、制御棒が脱落あるいは誤挿入、つまり制御棒のコントロールを失った事故があってしかも、それは20年以上に渡って隠されていた。そのうち、2件は臨界に達している。臨界というのは予期せずに核反応が進むわけです。原子炉の中で。これとんでもない話なんですね。私は原子力の仕事に携わった時にですね、制御棒だけは絶対に事故を起こさないと確信。確信と言うより、周りからそう言われていましたし、設計者もそう言っていましたからこれだけは無いだろうと思っていたんですね。ところが2000年代に入ったらこれだけ分かってきたわけです。
 この段階で私は、格納容器の問題もありましたけど制御棒でこれだけの事故を起こすって言う事はこれは原子力は成立しない。実質的に。と思いました。さて次ですが、今回はうまく制御棒が入ったわけです。で、冷やす・閉じ込めるということになりますが、冷やすという意味は原子炉を止めましてもそのあと崩壊熱と申しまして、ずっと長期にわたって1年オーダーに渡って冷やし続けないと燃料が溶けてしまいます。で、今回は冷やそうとしたんですが、地震で電源が来なくなって、津波あるいはその他の原因もあると思いますけど、ポンプ類が動かなくなった。特に水没したものがございますから、それによって多重、つまり一杯つけてある機械類・ポンプ類が動かなくて冷却が出来なくなった、そういうことになります。それで炉心・つまり燃料がだんだん水面に出てきて、溶けてくるわけですね。中から熱がものすごく出てますんで。その熱で水蒸気と反応して、その、被覆管というんですけれど管があって、そこから水素が出て今回の爆発等が起こりました。で、この事故の経緯で最近メルトダウンとかいう話が初めて出しましたけれど、これはもう11日か12日の段階ですね。3月の12日の段階で炉心の損傷、炉心の冷却が出来なくなっていて格納容器の圧力が相当に上がっている。この段階でほぼこういう道に行くのは間違いないという形だったわけですね。
  で、まあ、炉心、つまり圧力容器も壊れ、非常に不安定な状態でそれでもずっと何とか必死で作業を通じて冷却を維持してきた。今でもですね。不安定なんです。原子力プラントの中のシステムで冷やしてるわけじゃない。外から付け足して一部回復している部分がありますけれど。基本的には装置がだめになったので外から人海戦術でなんとか維持してきて、ここに来ていると。そういう不安定な状態だという事です。しかも閉じ込め機能も失っているという事になります。これをですね、設計のほうから申しますと、大きくみましてですね。設計の想定の範囲とそれと制御不能な範囲と考えますと通常状態というか、ようはある事故、冷却材喪失事故っていうのはまあ水がでちゃうとかですね、電源が無くなるとかそういうことも原子力プラント、当然考えているんです。そこでこういう風に設計しているんですが今回のようにさらに止める・冷やす・閉じ込めるという機能をですね、ある地震・津波その他のたぶんこれはですね、機器の故障・人為的なミスも絡むと思います。それでここに書いてあるシビアアクシデントつまり、制御不能な状態な状態になる。これが今回の事故なんですね。
 こうなりますと、水素爆発とか、水蒸気爆発とか、再臨界とか非常に危機的な問題を生みます。で、図でご説明申し上げますと、炉心が溶けて落ちますと底が圧力容器、厚さ十数センチの厚い容器の中に落ちます。ここで冷却が出来なければそのまま溶けて下に落ちます。さらにですね、ここで冷却できないとそのままコンクリートを侵食してどこまでも行く。これをまあ、ブラックジョークですけど「チャイナシンドローム」と言っているんですね。この段階で冷却をするために水を入れます。水をいれますと溶融物、非常に高温の溶融物に水が接触すると、水蒸気爆発の危険性が極めて高いんです。これは火山、火山においてマグマが水と接触した時の爆発です。こういう現象を起こします。さらに冷却をしていきますとですね、その段階で、冷却がうまくいけばいいんですけれど、ここにあるように流れてきますと、格納容器の鋼板、鉄板ですね。大体厚さ2~30ミリなんですが、これを溶かしてしまいます。これは事故ですから、どのプロセスに行くかはその経過によって変わります。当然。ですが、どれをいってもおかしくなかった。今回はここのその中でも水蒸気爆発これは起こっていない。
  水素爆発は起こりました。何かといいますと、中の水素が格納容器のあるところから出まして上で爆発したんです。これがもし、格納容器の中で爆発現象を起こしていてて、そのままですね、格納容器を破壊していたときには今の桁違いの被害になります。今回は格納容器がまだ一部損傷していますけれど爆発的に全部出たわけではないんですね。爆発は建物つまり格納容器の上で爆発して、一部出ていた放射能が飛んだだけなんです。そういう関係になります。
 原子力技術の特徴について申し上げす。まあ、わたしの理解では非常に技術が細分化している。これは全般の原子炉に限らない面もあるんですけれど、特に原子力においては全体像が把握しにくい。技術者はなかなか周囲の仕事を知らない形になってしまう。そうしますとですね、設計の段階での管理、これあれ、設計のどのように変更するかとか、設計したものがこれでいいのかっていうデザインレビューとか言うんですけれど、いろいろな分野の人間が集まって(××聞き取り不可能)させていたりする。そういうことをやってきているんですけれど、どうしてもです、技術というのは非常に危機感を持って、例えば事故が起こるとか、安全はどうだとかいうことを考えながらデザインレビューしていれば意義がありますけれど、こんな事故が起こるはずはないというデザインレビューは形骸化します。形式的にやるだけなんです。わたしが経験した中でも当初最初の頃はかなりデザインレビューがしっかりしていた。それから5年、10年経つにしたがって非常に形骸化していった。そういう風に思います。
  これは安全審査についてもいえます。そういうかたちでどうも見てますと技術の分かる専門技術者が本当にいるのか?と審査に。そういう印象を受けます。それから、さらにですね、事故が多発しているという事です。これはですね、軽水炉つまり今回の福島の事故に限らず、軽水炉と申しますのは、沸騰水型と加圧水型の2種類ございますけれど、今日本で使われている通常の発電所の原子炉で今回の事故だけではなくいろいろなところで事故が多発している。細かい事は省略しますけれど。同じく高速増殖炉もんじゅも実用化していないどころか、トラブルの連続。一部燃料棒を交換するためにですね、燃料交換するために入れた装置が、機械がちょっと引っ掛かっちゃった。それで落っこっちゃたんですね。ちょっと傷ついただけです。それを持ち上げようと思ったら引っ掛かってあがらない。普通機械でよくあることです。そんなものは。一週間もあれば直ります。ですけど、それはナトリウムがあるから見えない。出そうと思うと、燃料出せばいいんですけれど燃料はナトリウムの中に無いと危ないんで、それを出すための装置が壊れている。何も出来ないっていう常態が半年、一年続くんです。こんなの技術じゃないんです。設計から言うと何を考えているのか・・・そんなこと一つのものが壊れてですね何も出来ないのは技術じゃありません。設計の立場からそういう風に言えます。っていう事なんですね。それからもう一つは安全設計と被曝量というこれは問題がある。被曝を前提にした安全設計というのは私は非人間的だと思います。5分で行ってきて入ってきてこうやるわけですね。その時に仮にそれがね。そういうやりかたがいいとしても難しいのはですね、コントロールできないんですよ。確実にね、被曝をあの、あるオーダーを(××聞き取り不可能)私は信じられません。人間はどうしてもミスがありますし。そういうことを考えますと私はこれは人間的な労働だとは思えません。それから処分が出来ない大量の放射性物質。これもよくトイレなきマンションと言われています。
  さて、現在の事故をどうみるかといいますと、炉心を冷却続けています。たしかに現在全体の温度はですね、100何度とか100数十度のオーダーまで落ちてきています。ですけれどまだ依然として、もし冷やす事を止めればそのまま進むわけですね事故は。そういう関係になっている。しかもですね、溶けた溶融物がメルトダウンしたっていいましてね。そうしますと圧力容器の中にあるのか格納容器の中にあるのかすら、はっきりしない。全く中わかっていないんです。ただし、水を入れたらなんか冷えているらしい。つまり技術的に見ますとちゃんとした、分かってコントロールできているわけではないんです。そうであろうといって推測でやっている。これは最初のメルトダウンと言ったのが良く分かりますね。最初に全く炉心、一部燃料損傷といっていたのがメルトダウンだった。これだけ違うわけですから。今の状態に対してどれだけ責任負えるんですか。中見えるんですか。圧力温度は正しいんですか。どれ一つ私は、疑って見ざるを得ないという状態にあるわけですね。もちろん、今の状態が以前よりだいぶすこし楽になった事は明らかです。ですけれど事故というのはそういうところから、思わぬところから発展して大きな事故になるわけです。そうしますと、これからもずっとその安定させてやる事がいかに難しいかという事を言っているわけです。あと、同時にですね1号機、2号機、3号機とも格納容器が損傷しています。格納容器が損傷しているという事はそのまま放射能が外に出て行くということです。で、外に出てます、すでに溜まっている10万トンに近い放射性物質の入った水がですね海や地下水に漏れ続けているんです。これは今ですね、大量にめちゃくちゃに漏れているとは申しません。もちろんコンクリがありますからね。ですけれど容器じゃないんです。格納容器のように閉じ込め機能を持っていないんです。ですからコンクリートが割れていればそこから行きますし、土のところから行く。流れていくわけです。そうすると現在は大なり小なり放射性物質を垂れ流している状態が続いているという、そういう認識です。それは何とか早く既存の陸上タンクなりメガフロートでもバージでもいいです。格納機能を持ったところに入れる。ほうが先決だと思います。その上で処理をすると思います。
 原子力の技術について考えますと、どれも究極な選択です。先ほど申しましたように冷却しようとする、冷却に失敗すると、失敗するといいますか水を入れると水蒸気爆発を起こす。あるいは格納容器がそんなんですから、今回格納容器の圧力が上がりすぎたんでベントする、と。どういうことかと申しますと、格納容器は放射能を閉じ込めるための容器ですからそれをベントするという意味は、放射能を撒き散らすということを意味してる。つまりですね、このまま放っておくと格納容器が爆発しちゃう。最悪だと。だけどもらすって言う事は逆に放射能出すんですよ。そのまま。人に向けて放射能出しているんですよ。これは。何でその認識が無いかっていうことなんです。その時に格納容器のベントするという事の意味をどれだけ、みんな分かっていたかっていう事なんです。そこは非常に重たい問題なんです。特にこの問題は説明がですね、非常に私は間違っていると思います。きちんとした説明をしていないと思います。また、安全をどう見るかということですが、状況が把握できないという事は非常に問題だということ。もう一つは安全性の哲学といいますかね、安全の考え方が不在だと思います。確実でないことを安全とは言いませんので、たぶん大丈夫だとか、危険な兆候がないからいいだろうとかこういうグレーゾーン問題とか呼んでいるんですが、こういう問題が論理的に起こりうることは、いつ起こるかわからないんですからそういう理屈の上でですね、ある形で起こりうる事故というのは論理的に起こりうるんですね。これはその上に安全技術を築くのは(××聞き取り不可能。たぶん不可能ということを言っていると思います)これはグレー問題といいますが省略させていただきます。で、福島の原発事故はですね直接的には地震と津波でした。ですけど、それに機器のトラブルとか人員的ミスが重なっているんだと思います。そういうところから最終的に事故解析おこなうわけですけれど、基本的には自然条件の設定が間違っていた事、津波は例えば何メートル、間違ったとしても仮に対策をこれからするとしても、どれだけまでやればいいかってことは非常に問題です。地震も同じです。また、たとえ津波や地震の一部対策をしてもですね、それでこういうシビアアクシデントが起こらないというとそんな事は無いんです。落雷でも台風でも竜巻でもある多重にどこかにどこかをやられてしまえば、あるいはそんな外的条件無しで機器が故障してそれに人為的なミスが重なるとシビアアクシデントになります。つまり、シビアアクシデントはですね、発生確率が小さいとして無視してきたんです。これが最大の問題です。これは原子力安全委員会の責任が重大だと私は思っています。また、シビアアクシデントは原子力の特性であって不可避である。つまり、地震・津波はその入口であると理解しています。
  でこれは規制のことで細かくは省略させていただきますが、1992年にすでに原子力安全委員会ですでに対策を取る事を言っていた。しかしそれは法的な規制はしない。民間の自主的な規制によるというそういう話でした。図の上でちょっと概念を申し上げますと、横に時間、縦に出力といいますか取りますと通常のものは他のエネルギーシステムの場合には横にだんだん寝てきますけれど、原子力は赤のように立ち上がってくるわけです。それを途中で安全装置を働かせて押さえ込むんです。その安全装置は何重にもなっています。確かに。4重にも5重にも。しかしそれが全部突破されると自然とですね、原子力はダメな方向に行ってしまう。制御不能な状態にある。これが原子炉の特性・特徴だと思います。それを事故防止ができるかどうかということで、事故の発生防止とか、事故の影響緩和とかを考えましてどういう対策をしても事故、ある確率ですね、確率は小さいけれどそういう事故が起きてしまうっていう場合は受任できない技術だと。つまり技術をですね、ある技術だったら全部使っていいわけじゃなくてその技術は本当に事故を大事故を防げるのか防げないとしたら、起きたときの影響はどの程度か、それが受任できない技術は止めるべきだとそういう意味です。従いまして、我々は、我々はですね、最悪の事故の可能性を考慮する必要がある。今度原子力事故を起こせば日本は確実に壊滅すると私は思います。原子力をこれ以上進めるというのであれば、絶対にシビアアクシデントを起こさないことを証明する必要があります。工学的にはそのような事は私は不可能だと考えています。つまり危険な原発からは段階的に止めるなりするなりするしかない。そうしますと完璧な事故対策を模索するというよりも、新たな分野へのエネルギーシフトのほうがはるかに容易であろうというふうに考えます。膨大な原子力予算を他の技術に向ければ解決可能ではないか、あらゆる原子力関連の利権そういうものを許しちゃいけない。そういうものからもう一度全体を見直してエネルギー政策全体を見直して原子力から脱却していくという事が現実的だと思います。
以上です。有難うございました。

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