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2011年6月21日 (火)

東京電力の法的整理を検討するべき  日弁連「福島第一原子力発電所事故による損害賠償についての意見書」

リンク: 日弁連 - 福島第一原子力発電所事故による損害賠償の枠組みについての意見書.

 日本弁護士連合会は、2011年6月20日、「福島第一原子力発電所事故による損害賠償の枠組みについての意見書」を内閣総理大臣及び経済産業大臣に対し提出した。
意見書の概要
1 福島第一原子力発電所事故による損害賠償の枠組みについては、以下の3つの原則が確立されるべきである。(1) 東京電力の現有資産による賠償がまずなされること。
(2) 不足する部分については国が上限を定めず援助する法律上の義務があること。
(3) 原子力発電所災害を完全に防止するため、損害賠償についての枠組みは、持続可能なエネルギー供給・需要体制の構築と調和するものでなければならないこと。
2 上記原則に基づき、東京電力による賠償を実施するための国の援助策は、以下のようにすべきである。
(1) 東京電力による損害賠償に対する援助としては、現在計画されているような「資本注入・資金援助」ではなく、国が東京電力の送配電事業(関連知的財産権を含む。)の譲渡を受け、その対価として被災者への損害賠償債務を引き受けることによって行う。
また、東京電力が有する保養所等その他の資産を民間等に売却し、それによって生じた資金も損害賠償の原資とする。
(2) プルサーマル計画を中止し、再処理等積立金を損害賠償原資として活用する。
(3) 損害賠償額が(1)(2)を超えるときは、東京電力が継続して営む原子力発電以外のその他発電事業の収益及び国が買い取った「送配電事業」の収益をもって損害賠償の原資とする。
(4) 以上の過程を通じて、東京電力による資産散逸・資産の浪費を防ぎ、資産譲渡によって得られた原資を損害賠償債務の弁済に充てることを確保するため、東京電力の法的整理を検討するべきである。
(5) 送配電事業は、その公共性に配慮し、リスクに強い、分散型の、スマート・グリッドを整備すべきである。送配電事業については、損害賠償が終了するまで国又は公的機関が管理する。
意見書全文
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/data/110617_2.pdf

  内容はいちいちもっともだ。特に「東京電力による資産散逸・資産の浪費を防ぎ、資産譲渡によって得られた原資を損害賠償債務の弁済に充てることを確保するため、東京電力の法的整理を検討するべきである」と明言していることは高く評価できる。
  今政府が法案化しようとしている賠償枠組みは、社債はそのまま、原資もしない、年金にも手をつけない、金融機関の債権カットも行わないという内容であって東電救済法案と呼ぶべきものだ。それで賠償資力が足りるはずはないから、結局は税金投入と電力料金値上げで賠償原資を賄うことになる。
  原発事故による損害賠償債務を考慮すれば東電は今の時点でも債務超過に陥っていると見るべきだ。JALを法的整理しても航空機が飛んでいたのと同様で、東電を法的整理したところで電力が止まることはない。政府が法的整理を選択しないのは、信用不安が生じるなどというのは口実で、実は東電の社債権者、株主(大企業)、金融機関、東電の組合、高額の年金をもらっている退職者の利益を代弁しているだけだ。こういう社会的強者を守るために国民の税金と公共料金を使おうというのだから呆れた話だ。マスコミも広告主の機嫌を損ねたくないから何も言わない。
  自民党を加えた大連立が成立するとこの法案はすんなり通ってしまうだろう。しかし市場は正直だから東電救済法案が通らなければ東電の株価は持たず、結果的に東電は上場廃止、法的整理に追い込まれる。その意味では菅には最後まで悪あがきしてもらったほうがよい。

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