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2011年6月 9日 (木)

日弁連調査 弁護士の所得大幅減少 中央値2000年1300万円→2010年959万円 今後は淘汰の時代が来るだろう

  日弁連は2010年に実施した「弁護士業務の経済的基盤に関する実態調査」の結果を公表した。この調査は1980年以降10年に一度実施され今回は4回目。
  調査は2010年3月~6月にかけて行われたので売上などは2009年分の確定申告に基づいている。この関係で調査対象は2008年までに弁護士登録した2万6521人で、そのうち1万人が標本数として抽出された。
  確定申告書に基づく「売上」は、平均値3304万円、中央値2112万円。経費を差し引いた「所得」は、平均値1471万円、中央値959万円。平均値が高いのは1億円以上の者(少数だが2億、3億、4億の者もいる)によって押し上げられているからで、弁護士の実態を示すものとしては中央値で考えるのが適切だろう。今回の調査の回答率は17.95%であり、収入の低い者は回答しなかった可能性がある。実際国税庁の2009年分の税務統計では弁護士の「総所得金額等」の総額は3030億2900万円で、1人当たりにすると1186万8131円になる。これは「所得」平均値に相当するので、今回の調査結果は実態より高めに出ていると思われる。ただ10年毎の経済状態の推移を見る指標としては信頼できる。
  以上は全国平均だが、地域別に見ると大阪・愛知県は、「売上」の平均値2945万円、中央値1976万円。「所得」の平均値1175万円、中央値800万円で全国平均をかなり下回っている。
  また以上は全年齢平均の数値であり、経験年数別に見ると、登録5年未満の者の所得中央値は500万円未満となっている。
  過去の調査結果を見ると、1990年の「売上」は平均値3060万円、中央値2355万円、「所得」は平均値1544万円、中央値1103万円。2000年の「売上」は平均値3793万円、中央値2800万円、「所得」は平均値1701万円、中央値1300万円。なお今回の調査は確定申告書に基づくのでその他の事業収入や不動産収入も含まれるのに対し、過去3回は弁護士活動による「粗収入」と「所得」の調査結果となっている。従って今回の調査の方が金額が大きくなってもおかしくないが実際は
  売上中央値の推移は、2355万円→2800万円→2112万円
  所得中央値の推移は、1103万円→1300万円→959万円
  つまり2009年の弁護士の経済状態は20年前よりさらに悪化しているということになる。とはいえ所得中央値959万円という数字は他の職業と比較すればまだ十分高いと言える。
  しかし今回の調査対象は2008年までに登録した者だから、その後の61期~63期は含まれていない。弁護士増員政策の下、現時点での弁護士登録者数は3万0505人と本件調査対象者より3984人(15%)増えている。これらの者の経済状態は当然ながら本件調査結果には反映されていない。所得中央値500万円未満の者が15%も増加したのだから現時点での弁護士全体の経済状態はさらに悪化していると考えられる。
  また、2009年は過払いバブルのまっただ中で実は神風が吹いていた。それでもこのような大幅減少となっている.。今後は過払いバブル崩壊と増員のダブルパンチで弁護士の経済状態は急速に悪化することが予想される。
  だから増員政策を見直せとはもう言わない。近時仙台会では、若手会員の支部での開業が相次いでおり、中には支部のないところや他県の支部で開業する者もいる。これは増員政策抜きには考えられなかったことで、司法過疎解消という点で司法改革の成果であることは率直に認めざるを得ない。また競争を意識して弁護士の広告も広く行われるようになったし、無料相談も増加している。これによって弁護士へのアクセスが容易になったことも事実だ。刑事弁護の担い手も増えた。弁護士の経済基盤の弱体化と新人の就職難という負の側面、将来的には弁護士の質の低下や非行も危惧されるが、もはやソフトランディングはできそうにない。
  今後弁護士は淘汰の時代を迎えるだろう。今後弁護士を目指そうとする者はそれを覚悟の上で進路を決めなくてはならない。
 

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