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2011年6月18日 (土)

「停止中の原発、政府が再稼働促す」  国民の安全を二の次にした産業優先政策は再び原発事故を招くだろう

リンク: <原発事故>停止中の原発、政府が再稼働促す (毎日新聞) - Yahoo!ニュース.

 海江田万里経済産業相は18日、東京電力福島第1原発事故のような設計基準を上回るシビアアクシデント(過酷事故)対策について、各原発への立ち入り検査などを実施した結果、「水素爆発などへの措置は適切に実施されている」と評価した結果を公表した。海江田経産相は「これにより、運転停止中の原発についても再稼働は可能」との見解を示した。しかし、原発立地の自治体では慎重姿勢が強く、再稼働までには時間がかかる見通しだ。海江田経産相は結果の説明と再稼働要請のため、来週末にも立地自治体を訪問する方針を明らかにした。
  調査は原子力安全・保安院が7日、電力11社に対し、(1)原発の中央制御室の作業環境の確保(2)停電時の原発構内での通信手段の確保(3)放射線管理のための体制整備(4)水素爆発の防止対策(5)がれき撤去の重機配備--の5項目について状況を報告するよう指示。さらに各原発への立ち入り検査を実施した。
  この結果、中央制御室の作業環境については震災後に各電力会社が非常用電源などを確保しており、保安院は「必要な電源が確保されている」と評価。福島第1原発1~3号機で発生した水素爆発についても、沸騰水型軽水炉については、建屋上部での水素滞留を防ぐために建屋に穴をあけるドリルなどが配備された。さらに水素を建屋外に逃がすベント装置の設置計画も進んでいると判断した。
 国内の商業用原発54基のうち、37基は定期検査や東日本大震災の被災などで停止している(調整運転を含む)。17基は営業運転を続けているが、うち5基前後が8月末までに定期検査に入るため、電力供給の逼迫(ひっぱく)が懸念されている。海江田経産相は記者会見で「電力供給の不安、コストの上昇は国内投資への抑制、日本企業の海外への回避を呼び起こし、産業の空洞化を招く恐れがある」と強調。「原発の再稼働をぜひお願いしたい。私が直接地元に出向いて説明する」と述べた。【中西拓司、野原大輔】

  信じがたい対応だ。高濃度汚染水処理システムは本格稼働後僅か5時間で停止し再開の目処は立っていない。高濃度汚染水の外部流出は目前に迫っている。福島第一原発事故の収束の目処が全く立っていないにもかかわらず「運転停止中の原発についても再稼働は可能」というのだからあきれる。
  原発の設計基準を上回るシビアアクシデント対策について、「水素爆発などへの措置は適切に実施されている」と評価したとされる。しかし、政府の原発事故調の調査は始まったばかりで事故の原因が解明されていない。
  電源喪失だけが原因だと断定できるなら津波に耐えうる予備電源を準備すれば大丈夫という結論になるだろう。しかし福島原発でどうして水素爆発までに至ってしまったのかの原因究明はなされておらず、電源喪失前に地震で原子炉や原子炉冷却システム自体が損傷していた可能性も指摘されている。もしそうなら予備電源を準備しただけで安全が確保されたことにはならない。
  (1)原発の中央制御室の作業環境の確保(2)停電時の原発構内での通信手段の確保(3)放射線管理のための体制整備(4)水素爆発の防止対策(5)がれき撤去の重機配備の5項目を検査したとされるが、(1)~(3)は当たり前の話でシビアアクシデント対策でも何でもない。(5)がれき撤去の重機配備に至っては水素爆発で原子炉建屋などが吹き飛ばされた場合の対策だ。肝心の(4)水素爆発の防止対策については、「建屋上部での水素滞留を防ぐために建屋に穴をあけるドリルなどが配備され、さらに水素を建屋外に逃がすベント装置の設置計画も進んでいる」とされる。しかし水素は原子炉から漏れるのだから当然高濃度の放射能を含んでおり、そのような汚染環境で建屋にドリルで穴を空けることなどできるのだろうか?ベント装置は設置されたのではなく「設置の計画」があるだけだ。そしてベントは疑いもなく放射能を外部に排出する行為だ。これでシビアアクシデント対策が適切になされていると判断するというのは全く非論理的だ。
  政府は、国民は馬鹿だから適当な理屈をつけて安全なように見せかけた上で電力不足や産業空洞化の不安を煽れば原発の再稼働を認めてくれると思っているのだろう。「取り敢えず数ヶ月でやれることはやりました。このまま原発の再稼働をしないと電力供給の不安、コスト上昇による国内投資の抑制、日本企業の海外への回避を呼び起こし、産業の空洞化を招く恐れがあります」だから原発を再稼働させますということだ。そういう国民の安全を二の次にした産業優先政策が今回の原発事故を招いたことにまだ気付かないでいる。
  仮に今後原発を残す政策をとるとしても、現在存在する原発の設計基準を上回るシビアアクシデントが実際に起こることが明らかになったのだから、原発の設計基準を見直して新たな基準を満たす改修を行った後で再稼働させるというのが当たり前の話だ。
  ところでこの件に関する原子力安全委員会の助言はどうなったのだろう。原発の再稼働の判断について助言するために原子力安全委員会があるはずだが?

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