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2011年8月の6件の記事

2011年8月27日 (土)

B型肝炎被害対策東北弁護団では8月27日~9月2日までB型肝炎被害無料電話相談を行っています

  B型肝炎被害対策東北弁護団では8月27日~9月2日まで、東北6県を対象に、B型肝炎被害無料電話相談を行っています。
  B型肝炎訴訟は、本年6月28日に弁護団と国との基本合意が成立しました。基本合意では集団予防接種によるB型肝炎感染被害について救済の枠組みが決定されましたが、救済を受けるには①B型肝炎ウイルスに持続感染していること、②満7歳になるまでの間に集団予防接種を受けていること、③母子感染の可能性が否定されること、④他原因による感染が否定されることなど一定の要件に当てはまることが必要で、かつそれを証明するに足りる資料を患者側で提出することが必要とされています。また実際に救済を受けるためには、損害賠償請求訴訟を提起してこのような資料を証拠として提出し、国が要件を確認して和解を成立させることが必要とされました。
  もちろん個人で資料を集めて裁判を行うことは可能ですが、実際問題として患者個々人が提訴して立証活動を行うことにはかなりの困難が伴います。そこで現在全国各地で弁護団が結成され集団提訴を行っています。東北6県では、これまでは福島は東京弁護団が、山形は新潟弁護団が、それ以外は札幌弁護団が対応してきましたが、今後提訴者が増えると対応が難しくなるので今回B型肝炎被害対策東北弁護団(団長 仙台弁護士会鹿又喜治弁護士)が作られました。弁護団員は現在のところ仙台弁護士会に所属する18名です。
  弁護団では8月27日、28日の両日午前10時から午後4時までの間、仙台弁護士会館で無料電話相談を行います(電話番号は022-223-6170)。その後8月29日~9月2日までの間、同じく午前10時から午後4時までの間無料電話相談を行います(但し電話番号は022-266-6115に変更になります。)。いずれも期間中だけの仮設電話ですのでご注意下さい。9月3日以降については常設の相談窓口を設ける予定ですがまだ電話番号は決まっていません。決まり次第記者発表などを通じて告知する予定です。
  電話では詳しい説明まではできないので、質問にお答えした上で希望者には基本合意の内容や具体的な提訴の方法について詳しい説明を記載した文書と、併せて今後不明な点を相談することのできる担当弁護士の連絡先を記載した文書を郵送致します。
  本日実際に電話相談を行いましたが、選挙期間中でマスコミの報道があまりなされない中でも70件近い相談がありました。肝硬変や肝癌にまで至っている方の相談もかなりの件数に上っており被害の深刻さがうかがわれました。

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民主党法曹養成制度検討プロジェクトチームの中間とりまとめ 「法科大学院修了を司法試験受験資格とすることを見直すべきである」

2011(平成23)年8月22日

法曹養成制度検討プロジェクトチーム中間とりまとめ(メモ)

事務局長 前 川 清 成

1 法科大学院制度に関して、抜本的な見直しが必要であること。
(1) 小泉内閣が推し進めた「司法制度改革」は、日本版ロースクールである法科大学院を創設した上で、その修了者の7、8割が「新司法試験」に合格することを想定していたにもかかわらず(平成13年6月12日、司法制度改革審議会意見書)、総じて法科大学院における教育内容は不十分と言わざるを得ず、この結果、司法試験合格率は25.4パーセントと低迷している(平成22年度)。また法科大学院74校のうち17校、すなわち約4分の1の法科大学院においては、その修了者の司法試験合格率が1割に満たない。
  これに伴い、法科大学院志願者数も平成16年度は7万2800人、志願倍率13.0倍に達したものの、平成23年度は2万2927人、志願倍率5.1倍と、志願者数において約4分の1、志願倍率において約3分の1程度にまで落ち込んでいる(平成23年8月11日、法務省配布資料5)。 法曹を志す者がかくも減少してしまったなら、「高度の専門的な法的知識 を有することはもとより、幅広い教養と豊かな人間性を基礎に十分な職業倫理を身に付け、社会の様々な分野において厚い層をなして活躍する法曹を獲得する」(上記司法制度改革審議会意見書P.11)ことは到底不可能になってしまう。
(2) 司法試験合格後、司法修習を経て、「考試」、いわゆる「二回試験」に合格してようやく法曹資格を取得し得るところ、その不合格者は、従前は毎年1、2名程度に過ぎなかった。
  ところが、法科大学院修了者の第1期生である新60期においては1055名中76名が不合格となり、その後も新61期は113名、新62期は75名、新63期は90名と、法科大学院創設以前に比して激増している。
(3)  これら客観的状況に照らせば、「司法制度改革」の意図した「法科大学院を中核とした法曹養成制度」が蹉跌を来したことは明らかであり、当プロジェクトチームにおいては、引き続き、かつ早急に「法科大学院を中核とした法曹養成制度」の検証と、抜本的な見直しを行う。

2 経済的弱者に対しても司法試験受験の機会を保障すること。
(1) 1において述べた通り法科大学院が十分な教育内容を確保できていないにもかかわらず、司法試験を受験するには、原則として法科大学院を修了しなければならないこととなったが、法科大学院で原則である3年間学ぶには、学費だけでも、平均して、国立においては271万1088円、私立においては427万8817円を要する(平成23年8月18日、文部科学省配布資料6)。したがって、経済的に困難な立場にある者に限らず、法曹を志す者にとっては、この学費こそが最大の経済的障壁となっている。
(2)  このように法科大学院を修了するには多額の学費を要するため、司法修習修了者のうち48.3パーセントの者が奨学金の貸与を受けており、平均貸与額合計は347万円にも達する(平成23年8月18日、法務省配布資料3)。しかも、奨学金は「借金」にほかならないから、万一司法試験に合格できなかった場合(現実には1(1)で述べた通り受験者の約75パーセントが不合格となる)、不合格者の「再スタート」を阻害してしまう。
(3)  したがって、引き続き法科大学院修了を司法試験受験資格とするのであれば、法曹を志す者に対して「機会の平等」を保障し、司法試験の「公平性」、「開放性」を確保するために、法科大学院の学費を大幅に引き下げるべく、国は法科大学院生あるいは法科大学院に対して、思い切った多額の財政支援を実施すべきである。
しかるに、我が国の財政が極めて厳しい状況にあることは、今さら指摘するまでもない。よって、仮に財政的な制約によって(3)記載の財政的支援を実施できないのであれば、法科大学院修了を司法試験受験資格とすることを見直すべきである。
 1において指摘した通り法科大学院が期待された教育効果を上げていないにもかかわらず、法曹を志す者に対して法科大学院での勉強を強制する合理的な理由はない。そもそも法曹には多種多様な人材が求められるのであるから、司法試験の「勉強方法」も法科大学院に統一、画一化する理由は見当たらない。法科大学院で学ぶ者もあれば、経済的な事情等で独学する者など、司法試験合格水準へ達するための勉強方法も多種多様であってよい。

3 「貸与制」か、「給費制」かが本質ではないこと。
 司法修習生に対して、修習期間中に給与を支払うか、あるいは、生活費を貸与するか、いわゆる「給費制」か「貸与制」か、いずれが適当であるかは、現在の法曹養成制度における本質的課題ではない。「給費制」維持論者は「給費制が廃止されたなら、カネ持ちの子どもでないと弁護士になれない」と主張するものの、2(1)で述べた通り司法試験を受験するには法科大学院を修了しなければならないこと、法科大学院を修了するには多額の学費を要することが、法曹を志す者にとっては、最大の経済的負担である。「カネ持ちの子ども」でない者にとっては、晴れて司法試験に合格した後に、生活費を「もらえるか」、「貸してもらえるか」よりも、司法試験受験の資格を得るために要する法科大学院の学費こそが障壁であり、「カネ持ちの子どもでなければ弁護士になれない」社会を否定するためには、法科大学院の学費の負担を解決しなければならない。
  「貸与制」か否かは、法曹への切符をほぼ手中に収めた者にとって、その経済的な負担がさらに増加するか否かの、いわば副次的な問題である。したがって、今般、私たちは「貸与制」に関して、とりあえずの結論を得るに至ったものの、引き続き本質的な課題、すなわち法科大学院制度や、経済的弱者に対しても司法試験受験の機会を保障する方策、加えて「予備試験」の内容や、「回数制限」の緩和、司法修習制度の期間、司法試験合格者数、さらには我が国において法曹が果たすべき役割など、法曹養成制度全般の抜本的な検証と、検討を行い、早期に見直しに着手すべきである。

  民主党が法科大学院にダメ出ししたようだ。「法科大学院が期待された教育効果を上げていないにもかかわらず、法曹を志す者に対して法科大学院での勉強を強制する合理的な理由はない。そもそも法曹には多種多様な人材が求められるのであるから、司法試験の「勉強方法」も法科大学院に統一、画一化する理由は見当たらない。」 、「司法試験を受験するには法科大学院を修了しなければならないこと、法科大学院を修了するには多額の学費を要することが、法曹を志す者にとっては、最大の経済的負担である。」との意見は正に正論だと思う。
  法科大学院制度は、表向きは、法曹養成制度を点から線にすることによって「幅広い教養と豊かな人間性を基礎に十分な職業倫理を身に付け、社会の様々な分野において厚い層をなして活躍する法曹を獲得する」のが目的であったとされている。しかし実はそんなきれい事で作られた制度ではない。当時の大学は司法試験予備校との競争に敗れ、法曹養成機関としては役立たずとされていた。また少子化による学部生減少対策が焦眉の急とされていた。他方増員論者は、法曹人口増員政策をとるにあたって財政負担増の面からの財務省の反対を避けたかった。法科大学院制度は、このような大学復権と少子化対策という大学(文科省)の思惑と、増員論者の思惑が一致して急遽作られたものに他ならない。
  アメリカの大学には法学部がないからロースクールの存在が必要不可欠なのであって日本では全く事情が異なる。事実イギリスにもドイツにもフランスにもロースクールなど存在しない。
  司法試験は言うまでもなく法曹になるための資格試験であり、法科大学院を修了しようがしまいが、合格するに足る能力があれば資格を与えてしかるべきである。それを高い学費と2~3年間の生活費の負担能力がなければ卒業することができない法科大学院修了を受験資格にする理由はない。現在の法曹養成制度は、このような経済的負担が可能な者=所得水準の高い者の師弟でないと司法試験を受験できないといういわば所得による受験制限をしているようなものである。新自由主義の旗の下で格差社会の拡大と固定化をもたらした小泉改革の申し子と言うべきだろう。
 法科大学院修了を司法試験受験資格にしたことによる弊害については今となっては誰もが認識しているはずだ。しかし文部科学省も法務省も日弁連も皆制度導入に率先して賛成したものだから、失敗したと思いながらそのことを言い出せないでいる。それだけではなく、法科大学院の教授になるとその年収は1000~1200万円と聞く。自分の経済的利益のために議論を歪めているとは言わないが、やはり重大な利害関係があることは事実だ。
  日弁連は全理事を委員に含む法曹人口政策会議を立ち上げた。法曹人口政策と法曹養成制度は表裏の関係にあり、両者を切り離して議論することなどできない話だ。しかし何故か法曹養成制度に関する議論は法曹養成関係の委員会に委ねられ、法曹人口政策会議すら口を出せないことになっている。私は法科大学院の教職にある者などその運営に関わっている者は、意見を聴取するのは別として法曹養成制度の議論するに当たっては意思決定に関与させるべきではないと思っている。
  法科大学院制度の見直しについては、法科大学院関係者などの利害関係人を排除して政治主導で行って欲しいと思う。

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2011年8月23日 (火)

50%致死線量が4シーベルトだから驚くべき数値だ <福島第1原発>浄化装置「サリー」配管から3シーベルト

リンク: <福島第1原発>浄化装置「サリー」配管から3シーベルト (毎日新聞) - Yahoo!ニュース.

  東京電力は22日、福島第1原発から出ている高濃度の放射能汚染水を浄化するために導入した装置「サリー」で、配管の一部から毎時3シーベルトの高い放射線量が計測され浄化処理を一時停止した、と発表した。停止時間は13時間に及んだ。詳しい原因は分かっていない。
 東電によると、22日午前7時過ぎから放射性セシウムを吸着する部品を初めて取り換える作業を行った。その際、高線量が確認され作業を中断。水で汚染された泥などを洗い流したことで線量が下がり、午後8時15分ごろに運転を再開した。しかし、作業が当初予定より6時間延びたため、部品交換は23日に先送りした。
 サリーは東芝製。すでに設置している米国製とフランス製の装置がトラブル続きだっただけに汚染水処理が進むと期待されている。
 今月1日には同原発1、2号機原子炉建屋西側の排気筒下部の配管表面付近で、毎時10シーベルトを計測したほか、2日には1号機原子炉建屋2階の空調機室で毎時5シーベルト以上が検出されている。【比嘉洋】

  もう放射能に対する感覚が麻痺しているから国民はこの記事読んでも何とも思わないかもしれないが、毎時3シーベルトというのは驚くべき数値だ。放射線を短期間に全身被ばくした場合の致死線量は、5%致死線量(被ばくした人の20人に1人が死に至る線量)が2シーベルト(2000ミリシーベルト)、50%致死線量が4シーベルト、100%致死線量が7シーベルトとされる。ここで言う「短期」とは約1時間ほどだ。
  1シーベルト(Sv)=1000ミリシーベルト(mSv)=100万マイクロシーベルト(μSv)だから、3シーベルトは普段耳にしているミリシーベルトやマイクロシーベルトとは桁が違うことが分かるだろう。
  作業現場では厳格な放射線量の管理が行われているであろうが、汚染水処理は、突然放射線量が致死量に達するような極めて危険な場所で行われているということだ。万一配管が破損して大量の汚染水で現場が放射能汚染されることになれば、汚染水処理どころか原子炉の冷却すらできなくなる可能性は十分ある。
  それでも作業は続けなければならないわけだが、福島第一原発でそのような現実があるにもかかわらず、北海道の高橋はるみ知事は泊原発3号機の営業運転移行を認めてしまった。泊原発は福島原発事故前から試験運転中で営業運転移行は厳密には『再稼働』に当たらないわけだが運転中止の選択肢もあったはずだ。泊原発3号機の営業運転移行後北海道電力の株価は急上昇した。知事にしろ北電の株を買った人間にしろ目先の利益しか頭にないのだろう。
  今後は原発再稼働の条件として、知事と立地市町村長に数日間の福島第一原発の事故現場での作業立ち会いを義務付けてはどうか。自ら死の危険と隣り合わせの状態を経験すれば判断も変わるかもしれない。その上で再稼働を容認するならそれはそれで信念だろうから致し方ない。

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2011年8月 9日 (火)

ロースクールの淘汰が現実化  法科大学院:桐蔭横浜大と大宮が統合 制度開始以来初めて

リンク: 法科大学院:桐蔭横浜大と大宮が統合 制度開始以来初めて - 毎日jp(毎日新聞).

  桐蔭横浜大法科大学院(横浜市)を運営する学校法人「桐蔭学園」と、大宮法科大学院(さいたま市)を運営する「佐藤栄学園」は8日、両大学院を16年3月をめどに統合すると発表した。学生数の低迷が主な要因とみられる。文部科学省によると04年度に法科大学院制度が始まって以来、統合は初めて。統合後の名称は「桐蔭法科大学院」とし、大宮は来年春入学分を最後に募集停止し、全学生の修了や転学が済み次第、文科省に法科大学院の廃止を申請する。
 両大学院によると、全国的に受験者数が減少する中、今年5月から統合に向け協議していた。
 法科大学院については教育の質のばらつきや新司法試験合格率の低迷などが問題化し、抜本的対策の必要性が指摘されており、昨年5月には姫路独協大法科大学院(兵庫県姫路市)が廃止を決定。文科省は同年9月、新司法試験の合格率が低迷し、入試倍率が2倍未満の大学院などに対し、12年度から公的支援を削減する方針を示していた。
 昨年の新司法試験の平均合格率は25.4%で、桐蔭横浜は7.2%、大宮は10.2%。今年春入学の入試では両大学院とも倍率2倍未満だった。【福田隆】

  予想されたことだが賢明な選択だろう。日経によると大宮法科大学院は開学以来毎年1~3億円の赤字、桐蔭横浜も法科大学院単体での収支は明らかにしていないが赤字続きだとされる。大宮以外の法科大学院は学部を持っているので単体での収支は不明だが、最初から黒字化は難しいと言っていたくらいだからおそらく大宮と同程度の赤字だろう。赤字の穴埋めに学部生の学費等を使っているのが現状だ。
  法科大学院は廃止予定を含めて74校ある。仮に1校当たり1億円の赤字だとして毎年74億円、開設後過去7年間の累計では500億円を超えることになる。その上法科大学院生の過半数は1人300万円くらいの奨学金などの借金を抱えていると言われている。仮に3000人が年間100万ずつ借金すると30億円、過去7年間の累計は210億円になる。大雑把で不正確な推計だが、法科大学院制度は恐ろしいほどの金食い虫、赤字・借金製造機と言われても仕方ないだろう。
  しかも大学の多くは望んで法科大学院など作ったわけではない。少子化の中で法科大学院がないと法学部生が集まらないだろうとの考えで仕方なく作ったわけだ。法科大学院生に至っては法科大学院修了が司法試験受験資格とされたために仕方なく入学したわけで誰も好きこのんで借金したわけではない。
  法科大学院の窮状については合格者数が予定の3000人を下回っているためだという意見もある。しかし合格者数2000人でも就職難で法曹となるのが難しくなっている。そのために法科大学院志望者が減って大幅な定員割れを生じている。合格者数を増やしてこれ以上の就職難になったら益々法科大学院志望者は減るだろう。
  結局司法試験合格者数激増政策も、それを可能にするために作られた法科大学院制度も経済合理性を有していなかったということなのだと思う。例えばトヨタの社長が「国民はもっと自動車を買うべきである」「トヨタ車はあまねく日本の津々浦々を走るべきである」と確信し、そのために自動車生産数を3倍に、工場も3倍に増やしたとする。しかし常識で考えて売れるわけがないし、売れなければ工場は当然閉鎖される。それどころかトヨタ本体は倒産の危機に瀕するだろう。弁護士の数だって同じことだ。弁護士も経済社会の中で存立を許されているのであって霞を食べて暮らしているわけではない。経済合理性を有しない法科大学院は次々に統廃合を余儀なくされるだろう。無謀な大増員によって今後は限られたパイの奪い合いを強いられることになる弁護士界はさながら構造不況業種であり、有意な学生は離れていくことだろう。

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2011年8月 4日 (木)

更迭と言ったって直ぐに原子力村に好待遇で天下るだけだろう  経産省3首脳更迭へ…海江田経産相が人心一新

リンク: 経産省3首脳更迭へ…海江田経産相が人心一新 (読売新聞) - Yahoo!ニュース.

  海江田経済産業相は4日、記者会見を開き、経産省の松永和夫次官(59)と資源エネルギー庁の細野哲弘長官(58)、原子力安全・保安院の寺坂信昭院長(58)を交代させることを明らかにした。東京電力福島第一原子力発電所事故への対応のまずさや、国主催のシンポジウムで電力会社にやらせ質問や動員を要請した問題など、一連の不手際の責任を問う更迭とみられる。経産省の首脳3人が一斉に更迭されるのは異例だ。

  更迭とは左遷の意味で使われるが、読売新聞にはこの3人がどこに天下るのかきちんと調べて報道して欲しいものだ。多分左遷されたとは思えない厚遇で原子力村に迎え入れられるのだろう。
  本当に「一連の不手際の責任を問う」のであればきちんと調査した上で国家公務員法上の懲戒処分を検討するのが筋だ。責任追及の標的にされるのが嫌で辞めることを安易に「更迭」などと呼ぶべきではない。

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氷河期→超氷河期→次は何と呼ぶのだろう? 時事ドットコム:司法修習生の43%「就職未定」=過去最悪、不況など影響-日弁連

リンク: 時事ドットコム:司法修習生の43%「就職未定」=過去最悪、不況など影響-日弁連.

 日弁連は3日、2010年の新司法試験に合格した司法修習生のうち過去最多の43%が、7月時点で「就職先が未定」と回答したとする調査結果を公表した。
  調査は日弁連が修習生に対しメールを送るなどの方法で3月から毎月実施。7月の調査では、2022人の修習生のうち913人(45%)が回答した。
  同様の調査は4年前から実施しており、7月時点の未定率は8%、17%、24%、35%と年々悪化していた。

  かつて法曹資格を得て法律事務所などに就職できない者はほとんどいなかったので隔世の感がある。日弁連は不況など影響と言うが、司法試験合格者数の無謀な増員の結果であることは明らかだ。
  一般の方は弁護士登録できなくたって普通に企業に就職すればよいと思うかもしれないがそう簡単な話ではない。今の司法試験制度は、大学卒業後必ず法科大学院に3年間(法学部出身者は2年間)通って卒業しないとそもそも司法試験を受けることができない。その間アルバイトしている暇はないから2~3年間の学費と生活費は借りるか親に面倒見てもらうかしなくてはならない。今時大学出た子供の面倒をみれる親など少ないから、多くの者は多額の借金を背負うことになる。司法試験も一度で合格するわけではない。その上合格して1年間司法修習をしなければならないが、今年からその間の生活費も貸与性になる予定だ。
  つまり司法修習を終了して法曹資格を得ても就職できない者の平均像は、20代後半~30歳前後の社会経験がなく、多額の借金を背負い、傍から見れば司法試験に受かったのに法曹としては就職できなかった者ということになる。このご時世そのような者を採用しようという民間企業がどれだけあるだろうか。
  法曹資格を得たからといって当然就職できると思う方がおかしい、自由競争の結果だから仕方がないという見方もあろうが、やはり大学生の就職難と同列に考えるのは無理がある。就職難だからといって大学に行かないということにはならないが、法曹の場合にはそれなら最初から法科大学院になど行かない、法曹など目指さないということになってしまう。事実法科大学院の入学者数は当初5700名前後で推移していたが、年々減少しついに今年は3620名まで減った。
  学生が経済的動機だけで将来を選ぶわけではなかろうが、やはり大学を出て企業や官庁に就職するのとは比較にならない時間的経済的負担があり、それで就職すらままならないとなると法曹を目指すことを躊躇せざるを得ない。弁護士の数は需要と供給で決まるというのが政府と日弁連の立場だが、その結果が正に今の就職難だ。今後悪化することはあっても改善することはないだろう。そうなると益々学生は法曹から離れていき法科大学院の入学者数は減少することになる。もちろん、ハイリスクローリターンであってもなお法曹を目指そうという若者はいるだろうし、取り敢えず法科大学院にでも行こうかという者もいるだろうから「そして誰もいなくなった」ということにはならないと思う。しかし法曹になって欲しい有意な人材が流出してしまうことは防ぎようがないだろう。
  ここ十数年議論され続けてきた司法試験合格者数の問題は奇妙な結末を迎えようとしているように思われる。いままでは有意な学生が司法試験を敬遠するなどという事態は全く想定してこなかった。多くの優秀な志望者が存在することを前提にどの位の人数を合格させるべきかという議論だった。しかし法科大学院入学者数がこのままのペースで減少すると4~5年後には2000名位になってしまう。入学者数が減少すれば、相対的に合格ラインに達する者の数も減る。だから合格ラインを落とさなければ何もしなくとも合格者数は1000名を切ることになる。合格者数だけの問題であればこれで一件落着ということになる。しかし、それは法曹が学生から見捨てられ、合格ラインに達するような学生が集まらなくなる結果に他ならない。法曹界にとっては憂うべきことだと思うが、時計の針はもう戻せない。
  合格者数が減れば就職状況も好転するかもしれない(トータルとして弁護士人口が増えてしまうので実はそう簡単に好転するとも思わないが)。そうなれば理屈では法科大学院入学者数も回復することになる。今後はその辺の需要と供給のバランスで合格者数が決まっていくことになるのだろう。

 

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