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2011年10月18日 (火)

日弁連法曹人口政策会議の最終取りまとめ 司法試験合格者数1000人説、1500人説、人数明記反対説が対立

  現在日弁連法曹人口政策会議で法曹人口に関する日弁連の基本政策が検討されている。最終案は12月に取りまとめられ、単位会照会を経て理事会にかけられる。理事会を通れば来年3月に公表予定とのことだ。政策会議では合格者数削減を求める点では概ね一致しているが、司法試験合格者数1000人明記説、1500人明記説、人数明記反対説が対立し、また法曹養成問題に言及すべきかどうかが議論されているとのことである。
  半年前であれば一も二もなく1000人明記説に賛成するところだが、今は人数明記反対説に賛成したい。むしろ基本政策を公表すること自体に反対だ。
  もとより長期的視点に立てば合格者数は1000人にするのが正しい。何故なら現在の法曹人口は3万4000人程度であるが、合格者数2000人を維持すると平成50年には法曹人口は7万5000人になりその後も増加を続ける(ちなみに平成50年の日本の総人口は1億0770万人まで減少する)。合格者数1500人でも6万1000人になる。今後相当程度の需要の伸びがあると仮定しても、GDPの停滞、総人口減少が続くという状況では明らかに限界を超えた過剰供給と考えるべきだろう。合格者数1000人でも平成50年には4万7000人に増えるが、平成54年に4万8000人に達した以降なだらかに減少し、4万1000人で均衡する。この当たりが日本の社会が法曹の新規供給を受け入れるギリギリのラインだと思う。従っていずれかの時点では合格者数を1000人に戻す必要がある。
  しかし1000人にしろ1500人にしろ日弁連がそのような提言をしたところで、法科大学院が現在のままで存続するならそのような削減が実現する見込みはない。現在司法試験の合格率は23.5%だ。合格者数を半分以下の1000人にしたら合格率も半分以下になる。合格率10%の法科大学院などリスキー過ぎて誰も行かなくなるだろうから法科大学院制度は直ちに崩壊する。従ってそのような削減を言ったところで法科大学院側も文科省も認めるはずはない。
  これまでは、たとえそうであっても大増員による破綻を回避するには日弁連が先頭に立って運動するしかないと考えていた。しかし、今では敢えて火中の栗を拾うような真似をする必要はないと思っている。法科大学院の入学者数は当初5700名前後で推移していたが、年々減少しついに今年は3620名まで減った。これは弁護士の就職難と将来の困窮化を見越した学生の選択の結果だと思うが、今後事態は悪化することはあっても改善する見込みはない。つまり法科大学院の入学者数は今後どんどん減り続け、日弁連が何もしなくとも法科大学院の大部分は自然に淘汰されていくだろう。姫路獨協と大宮法科大学院が撤退を決めたように淘汰は既に始まっている。1000人削減の提言は法科大学院の淘汰がある程度進んだ時点でするのが現実的だと思う。もっとも入学者数が1800人位まで減少すれば、合格点を落とさない限り、自然と合格者数は1000人程度に減るだろうが。
  おそらく法科大学院の中には撤退を考えていても多額の経費を使った責任を追及されるのを恐れて踏み切れないでいるところも多いだろう。今下手に日弁連が1000人、1500人などと提言すると、撤退の理由に使われかねない。日弁連が既得権益を守るために合格者数削減を言い、そのために法科大学院制度が崩壊させられたなどとまたまたマスコミから総バッシングを受けることになる。そんなことで日弁連が割を食うのは全く馬鹿げたことだ。今は言いたいことを我慢してじっと法科大学院の自然淘汰を待つしかないと思うが。
  自然淘汰の結果法科大学院の数が15校位、入学者数が1800人位になれば法科大学院は法曹養成機関としての使命を果たしうるかもしれない。経済的負担についても、この程度の人数になれば学費の給付制、生活費の貸与性の導入などでの対応も可能になる。そうなれば、経済力の格差で法曹になれるかどうかが左右される弊害も少なくできるだろう。
  しかし本当は自然淘汰を待つのではなく、大学の法学部に法曹養成コースを作ってその修了を受験資格にするような改革をすべきだと思う(実質的には現在の法科大学院を法学部に組み込むことになる。社会人は2年次からの社会人入学制度で対応すればよい。)。そうすれば大学卒業の時点で就職という選択肢を選ぶこともできるし、何より大学を出てさらに2~3年間法科大学院に行かなければならないという時間と学費・生活費の無駄を避けることができる。そうすれば合格者数を減らしても法曹志望者は確保できるだろう。現に法科大学院で働いている教職員のクビを切らなくともよいメリットもある。
  今の大学と法科大学院という二階建て制度にメスを入れないで単に法曹人口のみについて提言することは無意味だと思う。

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