法律事務所の規模拡大と弁護士の就職難 規模拡大は今後も続くだろうが、増員の全てを吸収するのは無理だろう
今年1月1日現在の弁護士の総数は3万2002名、このうち仙台弁護士会の会員は381名だ。来年は400名を超えるだろう。私が入会した当時は170人くらいだったから隔世の感がある。
私は弁護士増員に反対してきたが、それは毎年3000人の新規登録者を吸収する余力が法律事務所にないと思ったからだ。過去5年間の実績を見ると未登録者や即独者も出てきてはいるが、私が当初心配したほどではない。3000人ではなく2000人までしか増員しなかったせいもあるが、既存の事務所の一部が規模拡大を目指したことも理由の1つだろう。仙台弁護士会ではないが私の同期で弁護士を8人に増やした事務所もある。このような事務所の規模拡大の動きは弁護士の就職難の改善に役立っていると思うが、その反面勤務弁護士の勤務条件低下が生じているようだ。
規模拡大のメリットは、分業による業務の効率化、事務所経費の節減、宣伝効果、顧客誘因効果が上げられる。ただ弁護士業の性格上、過払いなどを除けば業務の効率化には限界がある。規模拡大は今後も続くだろうが、増員の全てを吸収するのは困難だろう。
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