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2012年5月15日 (火)

弁護士会の会費最高額は釧路弁護士会の年額115万4400円 よく暴動が起きないもんだ 弁護士会は身の丈にあったコアな部分に会務を縮減すべきだ

  仙台弁護士会の全員協議会で会の財政問題が議論されるとのことなので弁護士会の会費について調べてみた。すると弁護士会の会費最高額は釧路弁護士会の年額115万4400円、よくぞこれだけ高い会費を払っているものだ。税金より高い会員もいるんじゃなかろうか。ちなみに最低額は埼玉県弁護士会50万6400円。会員数が一番多い東京弁護士会は58万4400円。仙台弁護士会は68万8800円。それにしても高すぎる会費だ。仮に65歳まで35年間弁護士をやるとすると釧路弁護士会だとなんと4040万円、仙台弁護士会でも2410万円支払うことになる。家一軒買える金額だ。士業団体の会費としてはギネスブックに載るんじゃないか。http://www.moj.go.jp/content/000077010.pdf
  しかし実は弁護士の会に対する負担はこれだけではない。東京弁護士会では法律相談センターで法律相談を担当すると相談料の20%、事件を受任すると弁護士報酬の100万円以下の部分10%、100万円を超え500万円以下の部分15%、500万円を超える部分20%を手数料として消費税を加えて弁護士会に納付しなければならない。何で消費税がかかるのだろう?それだけではない。破産管財人等裁判所の任命する者の報酬中5%相当額を会員特別負担金として納入しなければならない。成年後見人の報酬ですらその5%を納付するとされている。http://www.moj.go.jp/content/000077790.pdf
  弁護士会が選任するわけでもないのにどういう理屈でピンハネできるのだろう。内部自治の問題だから規則で決めれば理屈は不要ということか?これに比べれば仙台弁護士会は法律相談センターで受任した事件の報酬の10%だけだからまだ良心的な方なのかもしれない。
  法律相談センターの運営には人件費や広報費がかかるので運営に必要な限度では一定の手数料は支払うべきだと思う。しかし仙台弁護士会では運営に必要な限度を超えて負担金会費として徴収している。しかしその分は本来事件を受任した会員が得るべきであって会がピンハネしてよい理屈はない。むしろ負担金を納付しない会員との間で不平等が生じる。運営費用の範囲内に負担金を減額すべきだろう。
 
そうなると会費を値上げしなくてはならないとの反論があろうが、現在の会費は本当に適正な額なのだろうか。仙台弁護士会の一般会費(日弁連会費、特別会費を除いた会費)は2万6200円。全国最低額の埼玉県弁護士会のそれは1万3000円(静岡県は1万2000円だが支部会費というのがあるので実質埼玉県が最低)。一弁、二弁、横浜は2万500円だから単に会員数の違いでは説明できない。仙台弁護士会も会費値上げを考える前に埼玉県弁護士会や静岡県弁護士会が何故会費を低く抑えられているのか調査した方がよいだろう。工夫すれば負担金を減額しても会費を値上げしないでやっていけるのではないか。そしてもしどうしても無理なら会務を減らせばよいことだ。
  私が入会した20年前は仙台弁護士会の職員は5人しかいなかった。法律相談センターの相談件数も僅かで、負担金会費は微々たるものだった。それでも今より少ない会費で十分運営できていた。それが今では事務職員は何人いるのか分からないくらい増えている。それだけ会務の量が増えたのだろうが、本当に弁護士会が会務としてやらなくてはならないものなのかどうか20年前に立ち返って検討してみてはどうか。
 
会員数の増大に伴って入会金を含めた会費収入総額は増えている。日弁連を例にとればその一般会計の総収入は、2001年に33億8692万円だったのが2010年には62億5945万円と倍近くになっている。会員が増えればそれに比例して支出が増えるという関係にはないから、本来であれば会費は減額できるはずだ。それを全く野放図に増えた会費を全部使ってしまっている。大部分がゴミ箱に直行するのに、日弁連が作る冊子やパンフレットの豪華なこと。コスト意識が感じられない。
  何も現在弁護士会が行っている会務が社会的に無駄だとか不必要だとか言うつもりはない。しかし社会問題に対する会員の関心や取り組みは多種多様であり、社会正義に資するというだけでそれを会務に取り込むことが正当化されるわけではない。社会正義や人権擁護に会員が個人として取り組むのは自由だし賞賛されるべきだが、会費を使って会務としてやるべきかどうかはコストを含めて慎重に検討されるべきだ。現在日弁連も多くの単位会も司法改革の美名の下に膨張主義をとっているように思われてならない。しかし野放図な会務の拡大は弁護士会の財政規律を歪め、会員の弁護士会離れを加速するだけだ。
  弁護士大増員が続く中で、今後弁護士は困窮化することはあっても今より経済的に豊かになることはあり得ない。今後も急増するであろう若手会員がこんな馬鹿高い会費や負担金を払い続けることができるとは到底思われない。もし弁護士会が強制加入団体であり続けたい、そうでないと社会正義と人権擁護の職責は果たせないと考えるのであれば、身の丈にあったコアな部分に会務は縮減すべきではないか。 

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