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2012年9月30日 (日)

仙台弁護士会の就職事情

  今年の司法修習生の就職状況は昨年より遙かに厳しいようだ。現時点で10人位は確定したようだが、仙台修習に限っても仙台で就職希望しているが見つかっていない者があと5~6人いるようだ。旧帝大系の法科大学院を出てストレートで司法試験に合格し成績も優秀という修習生ですら就職先が見つからないのが現実だ。修習担当の弁護士が色々声をかけても見つからないのだから間違いなく飽和状態なのだろう。過去数年間仙台弁護士会には毎年20人以上の新入会員が入っていた。しかしこれは過払いバブルのおかげで一般の弁護士もある程度経済的に余裕があったので吸収することが可能だったのだと思う。今後は、勤務弁護士が独立しても代わりを採用することすら難しくなるだろう。
  無謀な増員政策のツケを払わせられる司法修習生は誠に気の毒としか言いようがない。この事態を日弁連や法科大学院の増員論者達はどう見ているのだろう。受け止め方には二種類あるだろう。ひとつは「法曹資格を得たからといって当然法曹になれると考えるのが誤りで一般企業に就職すればよいことだ」というものと、「本来増員分を法曹として吸収するだけの需要はあるはずだがそれが顕在化していないだけ、もう少し我慢」というものだ。前者であればスッキリするしひとつの考え方であろう。ただそれならそれで法科大学院のパンフレットに「司法試験に合格しても法曹になれるとは限りません、むしろ今後は年々法曹になれる確率は低下すると見込まれます。一般企業への就職も保障の限りではないし就職の世話など法科大学院は致しません。それでもよいという方だけ入学して下さい。」と書くべきだろう。後者は過去10年間言われ続けてきたものだが、未だに顕在化していない。今後も同じことを言い続けるのは嘘つき・無責任というほかはない。
  今年も2100人以上が司法試験に合格した。反対したところで現実は如何ともし難い。今できることは事実をありのままに伝えて道を誤らせないようにすることだ。法曹を選択肢として考えている大学生や社会人に対しては「法曹資格を得たからといって当然法曹になれると考えるのは大間違い。むしろ今後は年々法曹になれる確率は低下する。一般企業への就職も保障の限りではないし就職の世話など法科大学院はしてくれない。」という事実をきちんと伝えるべきだ。法科大学院生に対しては「司法試験を受けるか公務員試験を受けるか、あるいは退学して就職活動するかよくよく考えた方がよい」とアドバイスすべきだし、司法修習生に対しては「公務員試験だけは受けておいて法曹の就職先が見つからない場合は転身を考えた方がよい」というのが現実的なアドバイスだろう。仙台弁護士会の若手の中には登録後に公務員に転身した者もいる。地方公務員試験は34歳まで受験できるので今後はそういうケースも珍しくなくなるだろう。
  それでもやっぱり法曹になりたいというなら、できるだけ早い時期に就職活動を始めるべきだ。今後は弁護士を増やそうという事務所はあまりないだろうから、今いる勤務弁護士が独立しそうな事務所にアタックするのが最も可能性が高い。そのためには合格後早い時期に入会を希望する弁護士会の事務所訪問をして、どの事務所で勤務弁護士が独立しそうかという情報を仕入れる必要がある。弁護士会には勤務弁護士を採用したい、あるいは採用してもよいという事務所を募って司法修習生に情報提供するシステムがあるがあまり機能していない。弁護士の集まりに参加したり、こまめに事務所訪問して自分で探すしかない。
  最近は仙台で就職希望の修習生を担当すると、その修習生の就職先探しの手伝いで苦労するようだ。自己責任で割り切れればよいのだが、実際はそう冷たく切り捨てるわけにもいかないだろう。幸い私のこれまでの修習生は皆自分で就職先を見つけたので私が苦労することはなかったが、今後は修習担当を引き受けるにも覚悟がいるようだ。

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