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2013年2月の6件の記事

2013年2月28日 (木)

九州弁護士会連合会の声明:法曹人口は具体的な法的需要の観点から決定しなければならず法科大学院制度の維持・存続の見地から検討することは決して許されるものではない。

リンク: 宣言・決議 | 九州弁護士会連合会.

第10回法曹養成制度検討会議に関する声明

平成25年3月14日に第10回法曹養成制度検討会議が開催され、「法曹人口の在り方(2)」をテーマとして検討が予定されている。当連合会は、法曹養成制度検討会議に対し、同テーマの検討にあたり、次の点を考慮するよう求める。なお、この声明の発出にあたっては、本年9月に当連合会に所属する各単位弁護士会で実施したアンケート調査の結果を考慮したものであり、アンケート実施状況及び各単位弁護士会のアンケート回収状況は当連合会が発出した平成24年11月18日付「第4回法曹養成制度検討会議に関する声明」末尾に添付しているとおりである。

法的需要の検証の必要性

司法制度改革審議会意見書の提言を受け、平成14年3月19日の閣議決定において、司法試験合格者数を平成14年に1200人程度に、平成16年度に1500人程度に増加させ、平成22年ころには年間3000人程度とすることを目指すとされた。
司法試験合格者数は平成2年まで年間500人で法曹人口はほぼ横ばいで推移していたが、平成3年から増加に転じ平成11年には年間1000人となって、年間500人程度の法曹人口の増加が見込まれていたところ、上記閣議決定により司法試験合格者数は平成14年に1200人程度、平成16年に1500人程度、平成19年以降は2000人強となり、法曹人口の増加ペースは年間500人程度から1500人程度へと急激に加速された。
この結果、法曹人口は平成13年に2万1864人であったものが平成23年には3万5159人と1万3296人増加し、1.6倍となっている。特に、弁護士は1万8246人から3万518人と1万2272人増加し、平成24年は3万2134人(1万3888人増加)となっている(第2回検討会議・資料2「法曹人口に関する基礎的資料」の2(1)「法曹三者の人口の推移」)。

総務省の政策評価書において、司法改革審議会では、「現在の合格者1000人の2~3割増員であれば、大幅増員とは言いがたい。社会生活上の医師となるためには3倍ぐらいの増加がなければならず、そのための司法・法曹の在り方の議論であり、そこから法科大学院創設という話が出ている(平成12年4月第18回会議)」「市場や需要を基に必要な法曹人口、増加数を出すべきと言う議論もあるが、市場は産業の発達により変化するものであるので、市場の動向をみていたらいつまでも決定できない(平成12年8月集中審議)」などという意見を踏まえて、将来的に5万人程度の法曹を目指すこと、当面の司法試験合格者数は3000人程度を目指すこととの方向性が示されるに至っていると指摘されている(同P35)。すなわち、司法改革審議会では法的需要の検証は行われなかったのであり、司法試験合格者年間3000人という目標が需要予測のデータに基づくものではないことは第2回検討会議においても確認されているところである。

しかし、国家の根幹をなす司法の担い手となるべき司法試験合格者数を検討するにあたって、具体的な法的需要の検証と予測に基づくことなく司法試験合格数を決定することは国家の施策として決してあってはならないことである。本検討会議において、今後の司法試験合格者数を決定するにあたっては、司法改革以降の具体的な法的需要の検証を行った上で、将来合理的に予測される具体的な法的需要に見合ったものとすることが不可欠である。

平成24年4月20日の総務省・法曹人口及び法曹養成制度改革に関する政策評価においても、「司法試験の合格者数に関する年間数値目標については、これまでの達成状況との乖離が大きく、また、法曹・法的サービスへの需要の拡大・顕在化も限定的であることから、これまで及び今後の弁護士の活動領域の拡大状況、法曹需要の動向、法科大学院における質の向上の状況等を踏まえつつ、速やかに検討すること」と勧告されているところである。

司法改革以降における潜在的な法的需要喚起のための施策

法的サービスの供給については、司法試験合格者数年間3000人を目標とする急激な合格者数増加策と同時に、隣接法律専門職の積極的な活用も図られた。平成14年以降、一定の条件の下で司法書士、弁理士、社会保険労務士及び土地家屋調査士に訴訟代理権を付与し、税務訴訟において税理士に出廷・陳述を認めるなど隣接法律専門職を活用するための法改正が行われた。その他隣接法律専門職には行政書士及び不動産鑑定士が存在するが、これら隣接法律専門職種は平成13年に既に17万1960人存在していたところ、平成24年には20万6572人(120.13%・3万4612人増)に増加している。すなわち、平成13年から平成24年の間に弁護士と隣接法律専門職種をあわせて新たに4万8500人が増加しているのである。
特に、簡易裁判所における民事訴訟等について代理権が付与された認定司法書士数は、平成24年には1万3898人に上っている(第2回検討会議・資料2「法曹人口に関する基礎的資料」の8「隣接法律専門職種の人口の推移」)。平成13年から平成24年の間の弁護士増加数1万3888人とほぼ同数の認定司法書士が、140万円までの紛争処理に関して公に供給されてきたのである。

平成16年には「あまねく全国において法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられる社会を実現することを目指して総合法律支援の実施及び体制の整備を行うことを基本理念とした総合法律支援法が制定され、法テラスが設置されて、民事法律扶助事業の拡充が図られるとともに、コールセンターを設置し、活発な広報活動を行い、国民への弁護士及び隣接法律専門職者等の業務に関する情報提供が広く行われてきた。日弁連も平成12年10月に弁護士広告を原則自由化し,テレビ・ラジオCMのほか,インターネットの普及に伴ってネット広告が急速に広まり、司法書士や行政書士も広告活動を活発に行い、競って潜在的法的需要の喚起が図られた。

また、日弁連等は弁護士アクセスの解消に向けて積極的に取り組んできた。日弁連の援助により設置された弁護士過疎地域での法律相談センターは平成12年に26か所であったものが平成15年には110か所となり平成24年には141か所となった。また、日弁連は日弁連ひまわり基金をもとに平成12年から公設事務所を設置し平成24年1月1日現在累計で109か所に公設事務所を設置した。さらに、平成18年以降法テラスにより司法過疎地域事務所が設置され平成24年1月現在で35か所に設置されている(総務省・政策評価書P39)。これにより、ゼロ・ワン地域は、平成13年には全国に64か所あったが、平成23年12月に一旦すべて解消され、都市部における公設事務所及び法テラス準4号事務所の設置により、司法過疎地域から都心部まで全国的に弁護士アクセスのための環境は大幅に拡充されてきた(平成24年10月現在のゼロ地域は0、ワン地域は2となっている)。

司法改革以降の法的需要の検証

(裁判所の事件数)

最高裁判所の司法統計に基づき、平成13年と平成23年の事件数を比較すると、事件数は大幅に減少しており、かつ、現在も減少傾向にある。
全裁判所の全事件(民事・行政・家事・刑事・少年)の新受件数は563万2114件から405万9773件と72.08%に縮小している。
このうち、全裁判所の民事・行政・家事事件の新受件数は369万4489件から280万820件と75.81%に減少している。家事事件の新受件数は59万6478件から81万5522件と136.72%となっているが、民事・行政事件の新受件数が309万8011件から198万5298件と64.08%にまで減少しているのである。
民事事件のうち、第一審地裁民事通常訴訟新受件数は15万5541件から19万6367件に増加しているが、これは平成18年最高裁判決を受けて急激に増加したいわゆる過払金返還請求訴訟の影響によるものであり、改正貸金業法による立法的解決により今後急速に減少していくことが見込まれるものである。過払金返還請求訴訟を含む「金銭のその他」事件は平成17年に3万8368件であったものが平成21年に13万9875件と3.65倍となってピークに達した後、平成22年から減少に転じ平成23年には10万2146件(▲27%)となっている。「金銭のその他」事件を除いた平成23年の地裁民事通常訴訟新受件数は9万4221件と10万件を割り込んでいる(第2回検討会議・資料2「法曹人口に関する基礎的資料」の4(1)ア)。
管轄を90万円までの事件から140万円までの事件にまで引き上げた上で新たに1万3898人の認定司法書士に代理権を付与した簡易裁判所の新受件数をみても、187万2049件から119万3110件へと63.73%にまで減少しているのである(司法制度審議会意見書では、一方で弁護士に「国民の社会生活上の医師」としての役割を課して法曹養成制度の整備を謳いながら、他方で法曹養成を得ておらず法曹資格を有しない司法書士に国民にもっとも身近な事件を扱う簡裁代理権を付与すべきとした。その理由としては「国民の権利擁護に不十分な現状を直ちに解消する必要性にかんがみ、利用者の視点から、当面の法的需要を充足させるための措置を講じる必要がある」ということが挙げられたのみであった。)。

(相談件数)

弁護士会及び法テラスが全国で行っている法律相談件数は、平成13年の47万2249件から平成22年に62万7329件と132.84%に増加している。これは法テラス設置による効果が大きいと推測され、法テラス相談件数は平成19年の14万7430件から平成22は25万6719件に増加している(第2回検討会議・資料2「法曹人口に関する基礎的資料」の4(2))。
しかし、法律相談件数は、平成21年の66万8396件をピークに減少に転じており、平成22年の62万7329件は対前年比93.86%、平成23年は61万6883件と対前年比98.33%となっている(弁護士白書2012年版・P265)。なお、法テラスの代理援助件数は平成19年の6万8910件から増加して平成22年に11万217件となったが、平成23年は10万4652件と減少している(法テラス公表資料)。
消費生活相談センターにおける相談件数をみると、平成13年に65万6千件であったものが、架空請求にかかる相談の激増で平成15年に151万件、平成16年に192万件と急増したものの、その後は減少の一途をたどり、平成23年には87万9千件と平成14年の87万4千件のレベルにまで落ち込んでいる(独立行政法人国民生活センター公表資料)。

(企業内弁護士・任期付公務員)

企業内弁護士数は、平成13年の64人から平成24年に771人と12倍に増加しており、増加弁護士数1万3888人の5.55%を占めている。企業内弁護士数は上位20社で170人(22.05%)を占めており、60期以降の新規採用者数は60期42人、61期71人、62期54人、63期61人、64期95人となっている(日本組織内弁護士協会公表資料)。
任期付公務員数は、平成13年の10人から平成23年に139人と14倍に増加しているが、一定の経験年数を有する弁護士を任期付で採用しているものがほとんどであることから、司法試験合格者や新規登録弁護士の十分な受け皿とはなっていない。

以上のとおり、隣接法律専門職種の積極的活用を含めた潜在的法的需要喚起のための施策を行ったにもかかわらず、司法改革以降の法的需要は拡大しておらず、むしろ裁判所の事件数からみると減少しているともいえ、少なくとも相談件数を合わせて考えると平成21年以降は減少傾向にあるといえる。

この要因については、社会経済基盤の推移をみると、より鮮明となる。

総務省統計局人口推計によると、平成13年10月1日現在の総人口は1億2729万4千人に対し平成23年10月1日現在の総人口は1億2779万9千人(100.40%)とわずかに増加しているが、生産年齢人口(15~64歳)は8613万9千人から8128万人と94.36%にまで減少している。総人口も平成23年は前年に比べ25万9千人と大きく減少している。
総務省統計局事業所・企業統計調査によると、平成13年10月1日現在の事業所数は既に減少傾向にあり649万1千事業所、従業者数は6015万8千人であったのが、平成24年は580万4千事業所、5632万4千人とそれぞれ89%、94%にまで規模が縮小している。
名目GDPは、過去最高を記録した平成9年の521兆円から減少の一途をたどっており、平成13年は505兆円であったのが平成23年は470兆円と93%にまで規模が縮小している。税収(一般会計)も47兆9千億円から42兆8千億円と89.35%に減少している。
すなわち、平成13年以降、総人口はわずかづつ増加してきたものの生産年齢人口・事業所数・従業員数と名目GDPは既に減少傾向にあった中で一貫して減少し続け、生産年齢は94.36%に、事業所数は89%に、従業員数は94%に、名目GDPは93%にまで縮小し、総人口も平成22年をピークに減少に転じているというように、社会経済的基盤は概ね90%程度にまで縮小した。
こうしたなか、司法試験合格者数の急増に認定司法書士1万3898人を加えて法曹人口という供給量を2万1864人から4万9057人へと224.37%にまで拡大したにもかかわらず、法的需要はその社会的経済的基盤と連動して80%程度にまで縮小しているのである。

平成13年当時に想定したような潜在的な法的需要というものは存在しなかったということは明白である。
総務省・政策評価においても、「審議会意見において法曹人口拡大の根拠とされた、法曹・法的サービスへの需要や対処の必要性について、国際化・専門化の進展に伴う新たな分野での動向、地域的偏在の是正、社会生活上の医師としての法曹の役割の増大(法廷外の活動領域の拡大)等の観点で、平成13年から今日までの各指標の推移を調べたところ、同審議会で予見したほどの需要の拡大や顕在化を確認することはできなかった。」とされているところである(政策評価書P117)。

そのため、年間1500人ペースでの急激な法曹人口の拡大は明らかな弁護士供給過多を生じており、このことを端的に示しているのが、弁護士未登録者数の急増である。司法修習修了者のうち一括登録時点における弁護士未登録者数は、60期103人、61期122人、62期184人、63期258人、64期464人、65期546人と年々急増している。65期の司法修習修了者2080人に占める弁護士未登録者546人の割合は26.3%に達している(第7回会議資料6・日弁連提出資料参照)。
総務省・政策評価においても、「弁護士に対する需要は顕在化しておらず、司法試験合格者が3000人に達しないことについては国民への大きな支障は認められない」と指摘される一方で、「現状の約2000人の合格者数でも弁護士の供給過多となり、就職難が発生、OJT不足による質の低下が懸念」と明確に指摘されているところである(参考資料1・新しい法曹養成制度の導入経緯と現状について・目次32の「【主な勧告事項1】司法試験の年間合格者数に係る目標値の検討」)。

将来の法的需要の予測

平成24年1月に国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口」における出生中位・死亡中位推計結果によると、総人口は今後長期の減少過程に入り、平成38年に人口1億2000万人を下回り、平成60年に1億人を割って9931万人となり、平成72年には8674万人となる。すなわち、50年後には総人口は現在の68%の規模にまで縮小する。
出生率は減少を続けて平成72年には48人となり、生産年齢人口は平成23年の8128万人から平成72年には4418万人と現在の54%の規模にまで縮小する。
貿易収支は平成23年から31年ぶりに赤字に転落し、平成24年は赤字幅が過去最大の6兆9千億円となり、今後も赤字基調が続くことが予想されている。経常収支は黒字額が9兆6289億円と15年ぶりに10兆円を割り込み、平成24年は黒字額が4兆7036億円と前年比50.8%減少し、現行統計で比較可能な昭和60年以降で最少となり、近い将来における経常収支の赤字化さえも懸念される状況となっている。このような状況の中で、中長期的な日本の名目GDPは国際比較において大きく後退し、経済規模が縮小することも懸念されているところである。
したがって、少なくとも社会的経済的規模が将来的に大幅に拡大することを予測させる要因は見いだすことはできない。

裁判所の事件数と法律相談件数は、平成21年以降減少傾向にあることは上述のとおりであり、中長期的には現在よりもさらに減少する可能性が高い。唯一家事事件は増加しているものの、平成23年は婚姻件数が初めて70万件を割って66万1895件(対前年比94.52%)となる中、離婚件数も平成14年の29万件をピークに減少し平成23年は23万6千件となり(対前年比97.77)、晩婚化、少子高齢化、単身率の大幅な上昇から考えても、中長期的に減少することが予想される。したがって、少なくとも大幅に増加することを予測される要因は見いだすことはできない。

企業内弁護士の需要については、60期以降の4年間は新規採用が急増しているものの、証券等の金融業、銀行・保険業、機械・電気・精密機器等メーカー、情報・通信業、卸売・小売業の5業種で全体の所属先の7割以上を占めているなか、上位20社の内訳をみるとほぼ10人程度で高止まりしている傾向が見受けられる。日弁連が平成21年11月に上場企業等5212社に対して実施したアンケート調査(回答1196社)において、現在弁護士を採用していないと回答した1149社に対し今後の弁護士採用予定を聞いたところ、90%以上が消極的回答であった(理由としては、「顧問弁護士で十分」73.9%、「現在の法務部・知的財産部等既存のセクションで不自由しない」13.8%、「報酬(給与)問題」12.2%等となっている。参考資料4・法曹有資格者の活動領域について・目次1・「弁護士の活動領域の広がり」)。また、企業法務部【第10次】実態調査の分析報告(同目次9)においても、平成22年に法務部門で日本の弁護士登録者を採用したいかをたずねたところ、「是非採用したい」は3%(938社中28社)、「できれば採用したい」は8.1%(938社中76社)と積極採用の意欲を示した社は8.4%に止まり、平成17年調査時よりも減少している。それゆえ、企業内弁護士に対する需要は、今後一定の増加が見込まれるものの、既存弁護士の出向・派遣等を考慮すると、継続的に数百人規模の需要があるとは見込まれない。
地方公共団体についても、平成24年8月現在における今後の採用予定は4市4名程度に止まっており(同目次7・「地方公共団体における法曹有資格者の常勤職員」)、行財政改革における公務員数削減及び経費削減を考慮すると、一定の継続的需要は見込まれない。

その他の裁判以外の法曹の活動領域として、検討会議では海外展開業務における法曹有資格者の活動についても検討されている。経済産業省の海外事業活動基本調査によると、新規設立現地法人数は平成13年が734社で平成15年が802社となっているが以後毎年減少しており、平成21年は310社となっている。他方、撤退現地法人数は平成13年が431社で以後増減があるものの平成21年は659社となっており、撤退法人数が新規設立法人数を上回っている。今後、中国からインド・東南アジアへのシフトなど、企業の一定の海外展開事業活動の拡大は予想されるものの、日本の実体経済の行方が不透明ななか、具体的需要の内容・程度と市場規模は不透明であると言わざるを得ない。

ところで、司法制度改革審議会意見書では「弁護士が国際化時代の法的需要に十分対応するために専門性の向上や執務態勢の強化等により国際化への対応を抜本的に強化すべきである」とされたが、国際化市場経済の多様化・国際化の中で、日本の弁護士事務所も渉外系事務所を中心に一定の大規模化が行われるとともに、海外支店の展開や外国法律事務所との提携等も行い、企業の国際活動に伴う法的需要を支えてきている。また、「日本弁護士と外国法事務弁護士等との提携・協働を積極的に促進する見地から、特定共同事業の要件緩和等を行うべきである」ともされたが、平成17年の外弁法の一部改正により外国法事務弁護士と弁護士・弁護士法人との共同事業に関する規制は撤廃され、外国法事務弁護士による弁護士の雇用も解禁されたことから、中小規模の法律事務所もより積極的に外国法事務弁護士との共同事業を行うようになったほか、外資系大規模ローファームも弁護士を雇用するなどして、日本企業の国際活動に伴う法的需要を吸収してきている。
渉外事務所の大規模化による事業拡大と米英を中心とした大規模ローファームの日本進出が、この10年間の急激な弁護士人口の増大をある程度吸収してきた面があるが、この動きを後押ししていたのが金融経済の拡大と国際化である。しかし、平成20年の世界金融危機以降、金融経済は大幅に縮小し、金融経済活動に伴う法的需要の規模も縮小し、外資系ローファームの中では日本オフィスの撤退あるいは規模縮小の動きが広がり、渉外事務所の弁護士採用数も概ね半減している。今後、バーゼル3にみられるように国際金融に対する規制強化の動きが広がることは必須であり、資本コストの増大により金融経済はさらに縮小することも想定される。
弁護士とともに、この金融経済市場での業務拡大を期待されたのが公認会計士であり、司法改革における司法試験合格者数急増政策と軸を一にして合格者数を急増させた。新司法試験がスタートした平成18年に公認会計士試験も新試験制度へ移行し、平成10年まで700人程度で推移してきた中漸増させ平成17年に1308人であった合格者を、平成18年は3108人、平成19年は4041人、平成20年は3625人と急増させた。しかし、市場規模は大量に輩出された公認会計士を吸収できず、監査法人に就職できずに業務補助ができない就職難民が大量に発生する中、平成20年の国際金融危機以降、金融庁は迅速に方針を大転換し、合格者数を平成21年は2229人、平成22年は2041人、平成23年は1511人とし、平成24年には1347人として、ついに旧試験レベルまで減少させた。国が現実の市場需要に合わせて施策の誤りを正したものであるが、現在も新人公認会計士の就職難は解消されておらず、新人弁護士と同様の状況にある。

(将来の法曹人口のシミュレーション)

第2回検討会議・資料2「法曹人口に関する基礎的資料」の2(5)「今後の法曹人口についてのシミュレーション」(P5)によると、司法試験の年間合格者数3000人とすると平成30年に5万人を超え、平成70年には12万8290人に達する。平成13年の2万1864人の5.87倍であり、平成24年の法曹人口3万6824人の348.39%の規模にまで膨張する。年間2500人で10万6790人(290%)、年間2000人で8万5290人(231.62%)となり、年間1500人でも6万3790人(166%)となる。
日弁連・法曹人口政策関連資料(「新しい法曹養成制度の導入経緯と現状について」目次31)の27「増員のさらなるペースダウン」(P370)によっても、年間3000人で平成70年に12万7761人、年間2000人で8万4761人、年間1500人で6万3261人とほぼ同様のシミュレーション結果となっている。

司法試験の年間合格者数を1500人としても、毎年1000人のペースで増加し、将来的には現在の166%の規模にまで法曹人口が増大することになる。

第2回検討会議・資料5-2・「和田委員提出意見参考資料(今後の法曹人口についてのシミュレーション)」によると、年間合格者数1000人としても、法曹人口は平成50年に5万人を超え、平成70年に4万2290人、平成24年の法曹人口の114.84%となる。
加えて、現状の試験合格者数を前提とする限り、現在の認定司法書士1万3898人を含め20万6572人存在している隣接法律専門職種の数も今後さらに増加する(第2回検討会議・資料2「法曹人口に関する基礎的資料」の8「隣接法律専門職種の人口の推移」参照)。

今後の法的需要の予測に基づくと、司法試験の年間合格者数を1500人以上とすることは、現在既に生じている弁護士の就職難とOJT不足から不可避的に生じることになる弁護士の質の低下を急速に加速させ、わが国の法曹を崩壊の危機に陥れることとなる。

当連合会が行った所属会員に対するアンケート調査では、「適正と考える年間の司法試験合格者数について」との設問(回答者数734名・回答率35.27%。単位弁護士会別の回答率については第1問回答集計表参照。)に対し、
     500人           57名(7.77%)
     700~800人       106名(14.44%)
     1000人          339人(36.19%)
     1200~1300人      54名(7.36%)
     1500人          103名(14.03%)
     1700~1800人      6名(0.82%)
     2000人          20名(2.72%)
     2200~2300人      3名(0.14%)
     2500人          0名(0%))
     3000人          4名(0.54%)
     わからない        30名(4.09%)
     その他          12名(1.63%)
という回答結果であった。
1000人以下の回答は502名(68.39%)、1000人超1500人以下の回答は157名(21.39%)、1500人超の回答は33名(4.50%)であり、1500人以下の回答の合計は659名(89.78%)であった。1500人以下の回答における選択理由としては、「法的需要の拡大が見込まれない」が最も多く、次いで「弁護士の質の確保を考慮すべき」であった。

司法試験合格者数を何人とするかは、三権分立の一角をなす司法を担う法曹の在り方を決定づけ、日本の将来の行く末を決するものである。法曹人口は具体的な法的需要の観点から決定しなければならず、法科大学院制度の維持・存続の見地から検討することは決して許されるものではない。

当連合会は、わが国の将来に向けて、この声明を発する。

検討会議では、司法改革以降現在までの法的需要の実態を率直に見据え、将来の法的需要を慎重に予測した上で、隣接法律専門職種の役割も踏まえた上で、司法試験合格者数を検討すべきである。

2013年(平成25年)2月25日

九州弁護士会連合会
理事長 山 下 俊 夫

  九州弁連はとても頑張っている。頭が下がる思いだ。このような声明は本来日弁連が出すべきものだろう。日弁連も何かやってはいるのだろうが私の目にも耳にも入ってこない。日弁連のサイトを見ると、「弁護士による法律相談に関するキャッチコピー入賞者決定のお知らせ」とか「今週の会長更新:ベトナム弁護士連合会の代表団の表敬訪問を受ける」なんぞという文字が躍っているだけだ。日弁連からは「司法試験の年間合格者数を1500人以上とすることは、現在既に生じている弁護士の就職難とOJT不足から不可避的に生じることになる弁護士の質の低下を急速に加速させ、わが国の法曹を崩壊の危機に陥れることとなる」というような危機感もそれを回避しようという熱意もまるで感じられない。
  東北弁連も高い会費をとっていながら何もしていない。だったら必要ないんじゃないと思うのは私だけだろうか。

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2013年2月26日 (火)

朝日新聞:司法試験合格者数目標3000人、下村文科相「間違っていた」 「弁護士になったけど仕事がない、生活していくのが大変という現状がある」と指摘

リンク: 朝日新聞デジタル:司法試験合格者数目標3000人、文科相「間違っていた」 - ニュース.

 下村博文文部科学相は22日の閣議後会見で、司法試験の合格者数を年間3千人程度としている政府目標について、「間違っていたのではないか。政府側も謙虚に反省するべきところに来ている」と述べ、人数を減らす方向で見直すことが必要との考えを明らかにした。政府は自公政権だった2002年、年間3千人の…

http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1331166.htm
  下村博文文部科学相は22日の閣議後会見で、司法試験の合格者数を年間3千人程度としている政府目標について、「間違っていたのではないか。政府側も謙虚に反省するべきところに来ている」と述べ、人数を減らす方向で見直すことが必要との考えを明らかにした。下村文科相は「弁護士になったけど仕事がない、生活していくのが大変という現状がある」と指摘。募集停止中を含め全国に74校ある法科大学院については「3千人合格を前提としてつくったため、経営が非常に困窮しているところが増えている」と問題視した。

  遅きに失した感はあるが大臣が「間違っていたのではないか。政府側も謙虚に反省するべきところに来ている」と述べたのは一歩前進だろう。過ちて改むるに憚ることなかれと言うが、過ちを過ちと認めることが問題解決の第一歩だ。
  ところが文科省と並ぶA級戦犯である日弁連は未だに増員路線の誤りを認めない。昨年3月に1500人への合格者減員を提言したが、それは自らの判断の誤りを認めて方向転換したのではない。「制度の歪み」などというわけの分からない言葉を持ちだして、あたかも「ロースクールの教育が悪い。弁護士を採用しない企業、自治体が悪い。
弁護士に事件を依頼しない国民が悪い。せっかく法の支配をあまねく広げようとしているのにそれを受け入れない社会が悪い。」と責任転嫁しているように聞こえる。どうして日弁連は「3000人増員路線は間違っていた。謙虚に反省する。」と言えないのだろう。
  昨年3月の時点では、平成24年度の司法試験合格者の減員を目指した現実的な提言と理解したので賛意を表した。目論見がはずれて2100人も合格し、500人を超える未登録者が出た以上、更なる減員の提言をするのかと思いきや何もしない。今日の事態をもたらした当事者なのだという意識を欠き、真摯な反省がないからであろう。
  仙台弁護士会は23日の総会で司法試験合格者数を1500人に減員する決議を行った。担当委員会、執行部会、常議員会で議論した上での提案なので軽々に批判すべきではないと思うが、単位会や弁連決議では1000人以下への減員決議が多数を占めている。なんで今さら1500人決議なのか理解に苦しむ。総会では1000人への減員を妥当とする意見も出たようだが原案通りで決議された。

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2013年2月18日 (月)

九州弁護士連合会が実施した法曹人口及び法曹養成制度に関するアンケート調査 会員の意識はまともなのにどうしてそれが政策に反映されないのだろう

  九州弁護士連合会が行った所属会員に対するアンケート調査結果(平成24年9月に所属会員2081名を対象として行われた)。

第1問「適正と考える合格者数について」
  「1000人」が339名(46・19%)。「700~800人」が106名(14・44%)、  「1500人」が103名(14・03%)。「3000人」との回答は4名(0・54%)。

第2問
「法科大学院制度を廃止すべきとの意見について」(回答率35.18%)
  賛成    50.41%
  反対    28.42%
  わからない 17.21%
  その他   3.96%
  賛成意見における選択理由としては、「法科大学院制度は既に破綻しているが35.96%、「替わりに司法修習の充実(2年修習など)を図るべき」が39.21%。

第5問「法科大学院修了を司法試験の受験資格としていることについて」(回答率34.89%)
  反対    62.67%
  賛成    26.03%
  わからない 8.54%
  その他   2.75%
  反対意見における選択理由としては、「法科大学院教育を受けていない者にも受験の機会を平等に確保すべきである」が56.76%、「多種多様な人材の確保に資する」が37.98%。

第6問「司法試験受験回数制限について」(回答率35.13%)
  制限は撤廃すべき 66.76%
  5年以内5回との日弁連提言を尊重すべき 19.15%
  現行のままでよい(5年以内3回) 10.81%
  わからない 2.74%
  その他 0.55%
  「制限は撤廃すべき」との意見における選択理由としては、「法曹を志す者の受験の機会を不当に制約するものであるが57.59%、「多種多様な人材の確保に資するが37.70%。

第7問「前期修習の復活について」(回答率35.08%)
  賛成    90.68%
  反対     3.01%
  わからない  5.21%
  その他    1.10%
  その選択理由としては、「実務修習への導入として必須であるが56.07%、「以前の前期修習における法曹養成の代替を法科大学院には期待できないが40.38%。

第8問「給費制の復活について」(回答率35.18%)
  賛成    90.44%
  反対     3.42%
  わからない  4.78%
  その他    1.37%

  非常に興味深い結果であると同時に至極まともな考えが示されているように思う。多分日弁連が全会員を対象にアンケート調査を行っても同様の結果が出るだろう。問題は会員の意識はまともなのにどうしてそれが日弁連や九州弁連の政策にならないのかである。
 平成24年6月の九弁連理事会では、大分弁護士会から、今年の秋の九弁連大会の決議案として、①司法試験合格数を年間1000人まで減員し、今後の弁護士の活動領域の拡大状況、法的需要の動向等によって、必要に応じさらなる減員をすることを求める。②司法試験の受験回数の制限(三振制度の撤廃)を求めるとともに、法曹養成制度の抜本的な見直しをするように求める案が提案されていた。しかしこの決議案については、平成24年8月の九弁連理事会で採決され、今秋の九弁連大会の決議案とすることは否決された。決議案とすることに賛成することにしたのは大分会及び鹿児島会の理事ら6、7名だけで、残りの理事は反対した。

  それでも九州弁連は上記アンケート結果に基づいて、中味のある「法曹養成制度検討会議に関する声明」を数次に渡って出している。九州弁連が法曹養成制度の改革に真剣に取り組んでいることは高く評価できる。どこかの弁連とは大違いだ。
  愛知県弁護士会に続いて千葉県弁護士会も法科大学院修了を司法試験の受験資格とすることに反対する決議を出した。一般会員と一部単位会はまともなのに、どうしてそれが単位会の大勢にならず、日弁連の政策にも反映されないのか不思議でならない。仙台弁護士会でも来週の総会で弁護士人口に関する決議を出すらしい。会員アンケートもやらないでどんな決議を出すつもりなのだろう。日弁連の提言に毛の生えた程度のものなら出す意味はないと思うが。
  もちろん会員アンケートで物事を決めるべきとは思わない。単位会でいえば常議員会や総会で機関決定するのだし、日弁連なら理事会で機関決定することになる。しかしそのような意思決定機関が議論する素材として会員アンケートは極めて重要だと思う。日弁連は会員アンケートが大嫌いのようだが、おそらく自分たちの政策が一般会員の多くに支持されていないことを自覚しているのだろう。それでも彼らは考えを変えない。高邁な理想に燃える我々が大所高所から無知蒙昧の輩である一般会員を導いてやらなければならないとでも思っているのだろうか。

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2013年2月13日 (水)

北九州市での震災がれき処理費用17億6000万円余について宮城県知事に賠償を求める住民監査請求 復興予算の無駄遣いは許されません

宮城県知事措置請求書

宮城県監査委員 御中
                           2013年2月12日
   
                  仙台市青葉区中央四丁目3-28-3階
                         (電話022-227-3267)
                        請求人 仙台市民オンブズマン
                          代表 千 葉 晃 平

請求の趣旨

 宮城県知事が、平成24年8月31日に北九州市と締結した「災害廃棄物処理(北九州市搬出)業務委託契約」及び宮城県知事が締結し平成24年10月11日に成立した鹿島JVとの「災害廃棄物処理施設建設工事などを含む災害廃棄物処理業務(石巻地区)に係る業務委託契約の変更契約」の北九州市関連部分は、必要性を欠いており、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第3条2項及び同法第11条1項の定める善管注意義務に違反する違法な契約である。同法は補助事業者に法令違反などの違法がある場合は補助金の交付決定を取り消し、交付済みの補助金については返還を命じるものとされている。この違法な契約によって宮城県は17億6040万4628円の債務を負担した(一部は支出済み)。よって監査委員は、宮城県知事に対し、17億6040万4628円の損害賠償をするなど適切な損害回復の措置をとるよう勧告することを求める。

請求の理由

第1 「災害廃棄物処理施設建設工事などを含む災害廃棄物処理業務(石巻地区)に係る業務委託契約」
 1 契約締結
   平成23年9月16日、県は、石巻ブロックにおける災害廃棄物処理のために、鹿島JVとの間で、契約金額1923億6000万円、契約期間平成26年3月末までとして、「災害廃棄物処理施設建設工事などを含む災害廃棄物処理業務(石巻地区)に係る業務委託契約」を締結した。
 2 委託業務の概要
   委託業務の概要は、災害廃棄物685万4000トン及び津波堆積物200万㎡を二次仮置き場で処理することである。具体的には第一段階で、石巻市雲雀野地区に二次仮置き場用地を確保するために、同所の一次仮置き場に搬入済みの廃棄物を県外への搬出・処分39万8000トン、県内リサイクル32万3000トンにより処分し、第二段階で二次仮置き場整備の後、粗選別、破砕、焼却などのプラント施設の整備を行い、一次仮置き場からの搬入を開始し、ブロック内・県内処理などで306万7000トン、県外処理で254万2000トンを処理し、場内焼却などで52万4000トン減量するというものである。
 3 災害廃棄物等処理の基本事項
   処理における基本事項として、ブロック内で処理できないものについては県内施設での処理を優先し、ブロック内・県内での処理が不可能な場合にあっては県外での処理を行うが、二次仮置き場での用地の確保の制約などにより県内での処理能力には限界があるため受託業者と民間の処分場間で広域的な調整を行うこととされた。
 4 処理スケジュール及び進捗状況
   国と県の災害廃棄物の処理スケジュールでは、平成24年4月頃からプラント試運転、その後プラント稼働、最終処分が行われ、平成25年12月まで稼働する予定とされた。このスケジュールは現在でも変更されていない。
   石巻ブロックの現状は、破砕選別ヤードは平成24年7月から全施設が稼働開始し、9月から稼働時間が24時間に延長された。焼却ヤードでは5基の焼却炉が5月~7月にかけて火入れし、6月~9月にかけて本格稼働を開始した(1日当たり1588.5トンの焼却能力)。

第2 災害廃棄物等発生推計量の推移
 1 プロポーザル発注時の推計量
   鹿島JVなどへのプロポーザル発注時の災害廃棄物等の量は、平成23年3月時点での推計に基づいて決められた。発注時の災害廃棄物(県受託分)は1107万トン、津波堆積物(県受託分)は408万㎡であった。
 2 平成24年7月「宮城県災害廃棄物処理実行計画(第2次案)」策定時の推計量
   平成24年7月時点における災害廃棄物(県受託分)は683万トン、津波堆積物(県受託分)は237万トンである。各JVとの災害廃棄物処理業務委託契約と比較して約4割も減少している。 
 3 石巻ブロックの減少量
   上記推計量の見直しにより、石巻ブロックでの災害廃棄物の処理量は785万トンから375万トン減の310万トンに、津波堆積物の処理量は292万から実に249万トン減の43万トンになった。
   減少率は災害廃棄物約69%、津波堆積物約85%であり、県全体の減少率に比べても遙かに減少幅は大きい。

第3 本件契約の締結
 1 宮城県知事は、平成24年8月31日、北九州市との間で、委託料6億2220万4628円で「災害廃棄物処理(北九州市搬出)業務委託契約」(以下北九州委託契約という)を締結した。
 2 宮城県知事は、平成24年10月11日に成立した鹿島JVとの「災害廃棄物処理施設建設工事などを含む災害廃棄物処理業務(石巻地区)に係る業務委託契約の変更契約」(以下石巻ブロック変更契約という)を締結した。
   この契約による変更設計金額の増額分は11億3820万円である。

第4 損害の発生
 1 災害廃棄物は一般廃棄物であるから原則として市町村が処理をすることになる。しかし今回は地方自治法第252条の14、第1項の規定に基づき県が石巻市など13市町から災害廃棄物処理の事務委託を受けることになった。同法に基づいて締結された災害廃棄物処理の事務の委託に関する規約第4条で委託事務に要する経費は市(町)の負担とされている。
 2 東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第2条第2項により市(町)が負担する災害廃棄物処理事業費の9割について国の災害等廃棄物処理事業補助金が交付される。残りの1割についても地域ニューディール基金と震災復興特別交付税によって賄われ実質市(町)の負担はない。
   しかし、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第3条2項は、「補助事業者等は、補助金等が国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるものであることに留意し、法令の定及び補助金等の交付の目的に従つて誠実に補助事業等を行うように努めなければならない」とし、同法第11条1項は「補助事業者等は、法令の定並びに補助金等の交付の決定の内容に従い、善良な管理者の注意をもつて補助事業等を行わなければならず」と規定する。従って補助事業者がかかる善管注意義務に違反する場合は補助金が交付されずあるいは交付済みの補助金について交付決定が取り消されて返還を命じられることになる。市(町)から委託を受けた県はこの補助事業者に当たるのであって、県が善管注意義務に違反すれば、北九州委託契約及び石巻ブロック変更契約に基づいて受託者に委託料を支払っても、後日補助金の交付を受けられないあるいは返還を命じられることになる。
 3 またそもそも県と市(町)との間で締結された災害廃棄物処理の事務の委託は行政上の受託契約であるから、県には善良な管理者として「廃棄物の適正な処理」を行う注意義務が課されている。規約第2条も事務の範囲を「平成23年東北地方太平洋沖地震による災害により特に必要となった廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分などの処理」としており、県が「廃棄物の適正な処理」怠った場合には、その部分に関する委託事務に要する経費は市(町)の負担にはならないと考えることができる。
 4 いずれにしても、県が善管注意義務に違反すれば、北九州委託契約及び石巻ブロック変更契約に基づいて受託者に委託料を支払っても、後日補助金の交付を受けられないあるいは返還を命じられることになるのであるから県に損害が生じることになる。

第5 北九州委託契約及び石巻ブロック変更契約の違法性
 1 処理量の大幅減少
   もともと各JVとの災害廃棄物処理業務委託契約は、県が設置した「災害廃棄物処理業務プロポーザル審査委員会」での慎重な審査の結果、災害廃棄物1107万トン、津波堆積物408万㎡の全量を平成26年3月までに処理しうる提案であると判断した上で締結されたものである。
   それがさらに4割も処理量が減少したのであるから、受託者であるJVが契約期間内に委託業務を完了できないなどという可能性は皆無であり、むしろ相当期間の工期短縮が見込めると判断するのが当然である。
   ことに石巻ブロックは上記のとおり減少率は災害廃棄物約69%、津波堆積物約85%という大幅なものである。
 2 処理設備の本格稼働
   しかも上記のとおり石巻ブロックでは破砕選別ヤードは7月から全施設が稼働開始し、9月から稼働時間が24時間に延長され、焼却ヤードでは5基の焼却炉が5月~7月にかけて火入れし、6月~9月にかけて本格稼働を開始した。宮城県知事が北九州委託契約を締結した8月31日は、正に石巻ブロックでの災害廃棄物処理が本格化して急ピッチで進もうとしていた時期である。
   このような時期に北九州委託契約を締結する必要性は皆無である。
 3 広域処理は当初から予定されていたこと
   県は広域処理の理由として「鹿島JVとの当初契約においては、一部の災害廃棄物について県外処理施設での処理を計画していたが、その後放射能への懸念が大きく取り上げられるようになり、鹿島JVが当初計画していた受入側の地方公共団体及び搬出予定先との調整に困難が生じた。そこで発注者である県も調整に当たることとした」と述べる。
   しかし鹿島JVは最初から、「第一段階での県外への搬出・処分39万8000トン」、「第二段階でブロック内・県内処理などで306万7000トン、県外処理で254万2000トン」という計画だったのである。県外処理量は県の言うような「一部の災害廃棄物について県外処理施設での処理を計画していた」どころではなく、処理を受託した災害廃棄物685万4000トンの実に43%に当たる294万トンを県外処理する予定だったのである。
 4 広域処理の必要性が皆無であること
   上記のとおり災害廃棄物の処理量は契約締結時から375万トンも減少したのであるから、仮に県外処理がゼロになっても鹿島JVの計画によれば処理可能ということになる。まして実際には県外処理がゼロになどなってはいない。
   しかも処理プラントは本格稼働が始まったばかりであり、業務完了期限までまだ1年半以上も残している。この時点で、鹿島JVが、委託契約を変更してまで自らが受託した廃棄物処理を北九州市に委託してもらわなければならないほどに「当初計画していた受入側の地方公共団体及び搬出予定先との調整に困難が生じた」などとは到底考えられない。
   平成24年7月「宮城県災害廃棄物処理実行計画(第2次案)」によれば、県が処理事務の委託を受けた災害廃棄物920万トンのうち処理確定量は708万トン及び県内処理拡大分112万トンを除いた100万トンが平成24年7月現在での処理未確定量であり、県外での広域処理の協力を依頼する必要があるとされている。ここでいう「処理確定量及び県内処理拡大分」の意味内容が詳らかでないが、最終処分の目処が立った量という意味と推測される。だとすれば処理プラントの稼働が本格化して間がなく、処理業務の履行期限まで1年8ヶ月もあるこの時点ではむしろ極めて順調に処理業務は進んでいると評価すべきである。広域処理を進める必要があったとしても、それは災害廃棄物処理を受託した各JVが行うべきことであって、県が鹿島JVとの契約の変更(実質的契約の一部解除)をしてまで自ら他の自治体と災害廃棄物処理契約を締結しなければならない事情があるとは言えない。この時点において残り100万トンについて処理の目処が立たないから契約を変更して欲しいと各JVが県に要請したというような事実はない。
   このように北九州委託契約の必要性は皆無である。そして北九州委託契約の必要性が皆無であれば、北九州市まで災害廃棄物を運搬する業務も不要であるから石巻ブロック変更契約(北九州市関連部分)も必要性がない。
 5 県の説明の不合理性
   県は北九州委託契約による広域処理の必要性について、①県の被災からの早期の復興推進と「がれき」が存在することによる県民の物理的・精神的な苦痛を早急に解消する必要があることから、災害廃棄物処理のスピードをあげなければならないこと、②県内での一般廃棄物最終処分場での残余容量を考慮すると、災害廃棄物を焼却処理することによって生じる焼却灰の埋め立て処分量を極力減量化する必要があること、をあげる。
   しかし石巻ブロックの処理を要する災害廃棄物は310万トンである。その僅か0.74%である2万3000トンを北九州市で処理したところで「がれき」が存在しなくなるわけではない。ましてこの程度で「がれき」が存在することによる県民の物理的・精神的な苦痛が早急に解消されることなどあり得ない。
   最終処分場については、県によれば平成25年1月の見直しで「最終処分については、現在調整中の県内最終処分場の確保及び県が災害廃棄物処理業務の委託を行っているJVと連携した最終処分量の削減、山形県、茨城県の民間最終処分場との交渉をすすめる」ことによって今後北九州市での広域処理は不要とされている。従って県の上記②の説明は一般論を言うに過ぎず、到底17億6040万4628円もの委託費をかけてまで北九州で廃棄物処理を行うことの必要性・合理性を説明しうるものではない。
   重ねて述べるが、僅か0.74%であっても「がれき」が減るのは事実であるが、それをもって「必要性」が肯定されてはならない。災害廃棄物処理業務についての国庫助成の原資は、東日本大震災からの復興を目的とした特別増税である。補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第3条2項が、「補助事業者等は、補助金等が国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるものであることに留意し」と規定するように、補助事業者は常に補助金の財源が国民の血税であることに留意して費用対効果を厳密に検討して国民の納得しうる事業を行うべき義務がある。従ってここで問われるべき「必要性」は17億6040万4628円もの費用をかけてまで僅か0.74%の「がれき」を処理する必要性があったのかである。実際に北九州市に搬出されたがれきは石巻市川口町一次仮置き場に置かれていたものであるが、付近住民に問うたとしても誰も必要だとは言わないであろう。
   県は北九州市での処理によって川口町一次仮置き場のがれき搬出が進んだかのごとくホームページで喧伝しているが、実際には仙台市や茨城県の民間処分場に搬出されたがれきの方が遙かに多いのである。そして雲雀野の焼却ヤードでは1日当たり合計1588.5トンの焼却能力を持つ焼却炉5基が9月には全てフル稼働したのである。北九州市に搬出した2万3000トンのがれきは僅か2週間で処理しうるのである。それを待てなかった理由を説明できて初めて「必要性」が肯定されうるのである。
 6 以上詳述したとおり北九州委託契約及び石巻ブロック変更契約は、必要性を有しないものであるから、宮城県知事が災害廃棄物処理業務を行うに当たって負っている善管注意義務に違反する違法な契約である。

第6 復興予算の無駄遣いは許されない
   環境大臣は、平成24年4月23日付けで宮城県知事に対し「内閣総理大臣による協力要請結果を踏まえた今後の災害廃棄物の広域処理の推進について」の依頼を発出した。これが本件北九州委託契約及び石巻ブロック変更契約締結の全ての始まりである。
   おそらく宮城県知事にとって本件契約締結は本意ではなく、忙しい最中に余計な事務作業を強いられるだけの迷惑千万なものだったと推測される。当時進めていた災害廃棄物量推計の見直し作業で既に大幅な減量が見込まれると共に一次仮置き場への災害廃棄物の集積、分別、二次仮置き場での処理プラント建設も順調に進んでおり、各JVが進めている以上の広域処理の必要性などないことは県知事自身がよく知っていたはずである。
   にもかかわらず本件契約締結に至ったのは国の要望に逆らえば復興に支障が出るかも知れないとの危惧と、所詮全額国庫負担なのだから敢えて断る必要もないとの考えからであろう。これが一部でも県の予算を使う内容であれば当然断っていたと推察される。その意味では当時の民主党政権と環境省のスタンドプレイに利用されただけで責任を問うのは酷とも考えられる。
   しかしながら復興予算の原資は特別増税までして捻出した国民の血税である。17億6040万4628円もの無駄遣いは余りにも巨額すぎてこれを見過ごすことはできない。今後も長期間に渡って続く復興事業遂行に当たって、県知事は常に費用対効果を厳密に検討しなければならない。鹿島JVとの「災害廃棄物処理施設建設工事などを含む災害廃棄物処理業務(石巻地区)に係る業務委託契約の変更契約」の内容は、今回対象とした北九州市関連部分以外にも多々問題点がある。災害廃棄物量推計量の減少をそのまま委託料減額に反映したのでは減額幅が大きくなりすぎるので、ゼネコン救済のために当然当初業務に含まれるはずの業務を追加工事として増額変更しているとしか思われないものもある。復興事業に当たっては迅速性もさることながら費用対効果の厳密な検証が不可欠であり、この見地から敢えて本件監査請求に及んだ次第である。

第7 結論
   宮城県知事が北九州委託契約及び石巻ブロック変更契約を締結した行為は、善良な管理者として災害廃棄物処理業務を行うべき義務に違反するものとして不法行為に該当する。よって宮城県知事には県に対し、県が被った17億6040万4628円の損害を賠償すべき責任がある。
   以上、地方自治法第242条1項の規定により、事実証明書を添えて、宮城県知事に対し、17億6040万4628円の損害賠償をするなど適切な損害回復の措置をとるよう勧告することを求める。

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2013年2月 7日 (木)

法テラス宮城事務所はやはり一部免除申請を認めなかった もう二度と法律扶助は使いません

  前の「法テラスはやっぱり官僚的」の記事で書いた事案について今日法テラスから終結決定が出された。立替金72万6000円は全額即時償還、成功報酬は代理人のご厚意によりなしという内容だ。職員からのFAXで予想はしていたが、内心所長が決裁する段階で考え直してもらえないかなという淡い期待は持っていた。
  決定書きには単に契約書及び説明書に記載のとおり全額即時償還と書かれているだけで、どうして業務方法書第65条を適用できないのかの理由の記載はない。こちらは全額即時償還が原則であることを前提として、例外規定に基づく一部免除の申請をしているのに。やっぱり法テラスは問答無用の官僚組織のようだ。
  代理人のご厚意により成功報酬はなしとされた。「厚意」を辞書で引くと思いやりのある親切な心とある。その「厚意」を法テラスに求めることは無理なのだろうか。別に私は辞退したくて辞退したわけではない。子宮内胎児死亡のケースは過去の判例では全面勝訴でも認容額は200~500万にとどまる。困難な医療過誤訴訟を2年以上かけて鑑定までフルコースでやったのだから費やした時間は膨大だ。しかも県外の事件で交通費は自腹。それで200万円で和解したのだから成功報酬をもらって当然だと思う。普通にお金のある依頼者であれば元もと鑑定費用は実費として必要になるのだからその負担は考えずに成功報酬をもらうと思う。しかし生活保護を受けている依頼者からもらうのは抵抗があるので、一部免除を得てその範囲内で成功報酬をもらおうと思ったのだが。まあ私のつまらない「厚意」で報酬を辞退したのだから、その点に関しては法テラスに文句を言うのは筋違いだが。
  法テラスになってからは医療過誤事件に限らず一般事件でも法律扶助を使うことはほとんどなかった。一括で費用を準備できない依頼者の場合は長期分割で対応するようにしてきた。ただ医療過誤事件では鑑定が予想されるので、生活保護を受けている依頼者の場合は法律扶助を使わざるを得なかった。しかしもう法律扶助を使うのはやめた。現在扶助事件が1件係属中なのでそれが終了したら速攻で契約解除しよう。法テラス相手に余計なストレスを感じるくらいなら扶助など使わない方がよほどスッキリする。

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2013年2月 4日 (月)

法テラスはやっぱり官僚的 今後は生活保護を受けていても立替金の償還免除が可能などと言ってはならないようだ

  日本司法支援センター業務方法書第65条は立替金の償還免除について次のように定めている。
  「地方事務所長は、終結決定と同時又はその後において、被援助者が次の各号に掲げる要件のいずれかに該当すると認めるときは、理事長の承認を得て、立替金の全部又は一部の償還の免除を決定することができる。ただし、被援助者が相手方等から金銭等を得、又は得る見込みがあるときは、当該金銭等の価額の100分の25に相当する金額については、扶養料、医療費その他やむを得ない支出を要するなど特別の事情のない限り、その償還の免除を決定することができない。
 一  生活保護法による保護を受けているとき。
 二  前号に該当する者に準ずる程度に生計が困難であり、かつ、将来にわたってその資力を回復する見込みに乏しいと認められるとき。」

  本規定に基づき償還免除の申立をした。事案は医療過誤訴訟、子宮内胎児死亡の案件で訴額は1000万円、鑑定を経て2年後に解決金200万円で和解が成立した。被援助者は現在も生活保護を受けている。
  法テラスに対し「本件では着手金26万6000円と鑑定費用50万円の立替金があり、これに訴訟救助を受けている印紙代5万円と成功報酬20万円を加えると合計101万6000円と和解金の半分を超えることになる。このような結果は法律扶助利用者の目にはあまりに高額とうつる。医療過誤訴訟にあっては高額な鑑定費用を要することが多いが和解の場合には訴訟費用は各自の負担とするのが通例で、この点において他の訴訟とは類型的に異なる。高額な鑑定費用を要した場合には、相手方から得られる金額の25%を超える立替金については免除しうるという規定を活用して具体的妥当性を図るのが相当である。」として立替金76万6000円のうち26万6000円について償還免除の申立を行った。
  法テラスの職員から免除を受ける金員の使途を明らかにするよう求められ、使途は把握していないと回答した。すると、申立人の指摘する事情は償還免除の理由にならないと審査員が言っているとのことで償還免除が認められない場合は報酬を辞退するかどうかの回答を求められたので、その場合は辞退すると回答した。
  多分法テラスは免除を認めないつもりなのだろう。しかし私は、被援助者が相手方から金銭を得ている場合であっても償還免除をすることができる100分の25を超える部分についてのみ償還免除を求めているのである。100分の25を超えない部分については扶養料、医療費その他やむを得ない支出を要するなど特別の事情のない場合でなければ免除できないが、それを超える部分については相手方から金銭を得られない事案と同じ判断基準で判断するというのが規定の趣旨と思われる。誰が審査委員をやっているのかは知らないが業務方法書の解釈を誤っているのではなかろうか。
  弁護士の金銭感覚として、和解金200万円のうち鑑定費用と印紙代を差し引くと145万円にしかならないが既に着手金を26万6000円もらっている場合、なかなか成功報酬は請求しづらいと思う。まして依頼者が生活保護を受けていればなおさらだ。もし本件の和解金が100万なら91万6000円差し引かれて依頼者の手元には8万4000円しか残らないことになる。相手方から金銭を得た場合にはいかに立替金の比率が高くなろうと全額返してもらうという法テラスの考えは私の金銭感覚に合わない。そもそもそれなら65条本文の但し書きなど無用であろう。
  ちなみに本件について私は審査委員はおろか職員とすら一度も話をしていない。FAXが2度送られてきただけである。法テラスがどのような解釈指針をとっているのかの説明もない。申立人の指摘する事情が償還免除の理由にならないというが、65条にはそんなことは書かれていない。もちろん償還免除は法テラス地方事務所長の裁量であるが、申立人の指摘する事情が裁量権行使の考慮要素にすらならないとは思われない。所長の方針だとは思いたくないが、このような問答無用の態度は官僚的と言わざるを得ない。

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