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2013年2月 4日 (月)

法テラスはやっぱり官僚的 今後は生活保護を受けていても立替金の償還免除が可能などと言ってはならないようだ

  日本司法支援センター業務方法書第65条は立替金の償還免除について次のように定めている。
  「地方事務所長は、終結決定と同時又はその後において、被援助者が次の各号に掲げる要件のいずれかに該当すると認めるときは、理事長の承認を得て、立替金の全部又は一部の償還の免除を決定することができる。ただし、被援助者が相手方等から金銭等を得、又は得る見込みがあるときは、当該金銭等の価額の100分の25に相当する金額については、扶養料、医療費その他やむを得ない支出を要するなど特別の事情のない限り、その償還の免除を決定することができない。
 一  生活保護法による保護を受けているとき。
 二  前号に該当する者に準ずる程度に生計が困難であり、かつ、将来にわたってその資力を回復する見込みに乏しいと認められるとき。」

  本規定に基づき償還免除の申立をした。事案は医療過誤訴訟、子宮内胎児死亡の案件で訴額は1000万円、鑑定を経て2年後に解決金200万円で和解が成立した。被援助者は現在も生活保護を受けている。
  法テラスに対し「本件では着手金26万6000円と鑑定費用50万円の立替金があり、これに訴訟救助を受けている印紙代5万円と成功報酬20万円を加えると合計101万6000円と和解金の半分を超えることになる。このような結果は法律扶助利用者の目にはあまりに高額とうつる。医療過誤訴訟にあっては高額な鑑定費用を要することが多いが和解の場合には訴訟費用は各自の負担とするのが通例で、この点において他の訴訟とは類型的に異なる。高額な鑑定費用を要した場合には、相手方から得られる金額の25%を超える立替金については免除しうるという規定を活用して具体的妥当性を図るのが相当である。」として立替金76万6000円のうち26万6000円について償還免除の申立を行った。
  法テラスの職員から免除を受ける金員の使途を明らかにするよう求められ、使途は把握していないと回答した。すると、申立人の指摘する事情は償還免除の理由にならないと審査員が言っているとのことで償還免除が認められない場合は報酬を辞退するかどうかの回答を求められたので、その場合は辞退すると回答した。
  多分法テラスは免除を認めないつもりなのだろう。しかし私は、被援助者が相手方から金銭を得ている場合であっても償還免除をすることができる100分の25を超える部分についてのみ償還免除を求めているのである。100分の25を超えない部分については扶養料、医療費その他やむを得ない支出を要するなど特別の事情のない場合でなければ免除できないが、それを超える部分については相手方から金銭を得られない事案と同じ判断基準で判断するというのが規定の趣旨と思われる。誰が審査委員をやっているのかは知らないが業務方法書の解釈を誤っているのではなかろうか。
  弁護士の金銭感覚として、和解金200万円のうち鑑定費用と印紙代を差し引くと145万円にしかならないが既に着手金を26万6000円もらっている場合、なかなか成功報酬は請求しづらいと思う。まして依頼者が生活保護を受けていればなおさらだ。もし本件の和解金が100万なら91万6000円差し引かれて依頼者の手元には8万4000円しか残らないことになる。相手方から金銭を得た場合にはいかに立替金の比率が高くなろうと全額返してもらうという法テラスの考えは私の金銭感覚に合わない。そもそもそれなら65条本文の但し書きなど無用であろう。
  ちなみに本件について私は審査委員はおろか職員とすら一度も話をしていない。FAXが2度送られてきただけである。法テラスがどのような解釈指針をとっているのかの説明もない。申立人の指摘する事情が償還免除の理由にならないというが、65条にはそんなことは書かれていない。もちろん償還免除は法テラス地方事務所長の裁量であるが、申立人の指摘する事情が裁量権行使の考慮要素にすらならないとは思われない。所長の方針だとは思いたくないが、このような問答無用の態度は官僚的と言わざるを得ない。

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