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2013年9月12日 (木)

敷金診断士という民間資格を始めて知った 法律事件ではないので非弁ではないというのだろうが弁護士の活動領域は益々浸食されていくようだ

  敷金診断士という民間資格があることを始めて知った。日本住宅性能検査協会によれば、「敷金診断士とは、不動産賃貸における敷金・保証金を巡るトラブルの解決を図る専門家として、特定非営利活動法人日本住宅性能検査協会が認定する民間資格です。当団体の実施する試験に合格し、所定の講習を経て登録を受けた者にこの資格が与えられます。現在、全国に7つの支部組織があり、敷金診断士が、各地域において活躍しています。客観的な第三者の見地から、賃貸物件の適正な原状回復費用の査定を行い、適正な敷金・保証金の返還の実現に努めます。年間10,000件近い敷金相談や、県民相談総合センター等の公的機関からの業務依頼、また多くの引越センターや不動産業者との提携により、多くの敷金診断士が必要とされています。敷金診断士の業務は、原状回復費用の査定を主とするものであり、弁護士法において禁止される非弁業務を行うものではありません。当事者間において、敷金に関する仲裁や調停等が必要となった場合には、日本住宅性能検査協会が後援する日本不動産仲裁機構において、法律委員(弁護士)及び専門委員(建築士等)の協同によって、公正かつ適切な問題解決を実現します。」とされている。http://shikikin.jp/about/
  弁護士法72条の「法律事件」については、「法律上の権利義務に関し争があり若しくは権利義務に関し疑義があり、又は新たな権利義務関係を発生する案件」をいうとされている。業務内容が今ひとつイメージできないが、仮に不動産業者が自分では判断できない場合に査定を依頼するというのであれば、「権利義務に関し疑義がある案件」に該当するような気もする。「年間10,000件近い敷金相談や、県民相談総合センター等の公的機関からの業務依頼(があり)多くの敷金診断士が必要とされています。」と書かれている。敷金相談は敷金の妥当性についての市民や業者からの相談のことだろうから、どう考えても法律事務になると思うが。
  この点を置くとしても、「年間10,000件近い敷金相談」が日本住宅性能検査協会や敷金診断士に流れているというのは驚きだ。敷金について原状回復費用が高すぎるという相談は昔からあったし、払いすぎた(差し引かれすぎた)敷金返還請求は以前から弁護士の一つの業務分野であった。敷金返還特約を厳格に解する最高裁判決が出た以降敷金返還請求事件が増えるかと思われたが、実際は特に増えたという話は聞かない。敷金診断士なる者が増えれば益々弁護士の仕事は減りそうだ。それで敷金のぼったくりがなくなるのなら喜ばしいことではあるが。
http://www.shindanshikai.org/center/
  ちなみに日本住宅性能検査協会が後援する日本不動産仲裁機構(民間ADR)では調停人候補者を募集している。今のうちに応募してこの協会とパイプを作っておいた方がよいかも。 http://jha-adr.org/application/
  日本不動産仲裁機構の弁護士無料相談のページを見ると協力団体としてたくさんの一般社団法人が載っている。それぞれの一般社団法人が民間資格を作っている。相続診断士、住宅ローン診断士、住宅販売士etcほかにも探せばたくさんあるのだろう。http://jha-adr.org/consultation/
  一般社団法人相続診断協会によると、「相続診断士は、相続に関する広く多岐にわたる問題を理解し、一般の方への啓蒙活動を行います。 その中で、相続についてトラブルが発生しそうな場合には、できるだけ事前に弁護士、税理士、司法書士、行政書士などの専門家に橋渡しを行い、 問題の芽を早めに摘み取り、相続を円滑に進める『笑顔相続の道先案内人』として社会的な役割を担います。」とされている。何をする人なのか私にはちっとも分からないが、ホームページでは「相続に関することならどんなことでもご相談下さい」と唄ってメール相談をしている。パートナー契約先として全国各地の法律事務所、税理士事務所、司法書士事務所が紹介されている。メール相談を受けてパートナー事務所に相談者を紹介しているのだろうか?対価を支払わなければ弁護士職務基本規定には違反しないのだろうが。http://souzokushindan.com/what.shtml
  近い将来弁護士はこの手の一般社団法人に寄生しなければ生きていけない時代が来るのだろう。それどころかこのような民間資格を取得しないと弁護士をやっていけない時代すら来るような気がする。弁護士の法律事務独占は事実上崩壊しかかっている。このまま増員を続けて弁護士界の劣化が進むくらいなら、むしろ法律事務独占は廃止して裁判関連業務に特化した新たな資格を創設した方がましかもしれない。 
 

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