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2014年2月18日 (火)

仙台弁護士会法律相談センターの直受件数・直受率・弁護士紹介件数がいずれも激減  

  今日仙台弁護士会から平成25年度会務報告が会員に配布された。法律相談センター運営委員会の報告を見ると、仙台弁護士会法律相談センターの直受件数・直受率・弁護士紹介件数がいずれも激減している。
  本庁所在地の法律相談センターの相談数は4449件(有料、震災相談、扶助相談、夜間土曜相談の合計)。このうち相談担当弁護士が受任した件数が僅かに132件。直受率は2.9%。弁護士紹介件数は216件。これを加えても直受率は7.8%(相談を経ない弁護士紹介もあるので実際はもっと低いが)。
  支部の法律相談センターの相談数は2539件(有料、震災相談、扶助相談の合計)。このうち相談担当弁護士が受任した件数が僅かに47件。直受率は1.8%。弁護士紹介件数は12件。これを加えても直受率は2.3%。 
  従前どうだったかといえば、私が入会した平成4年ですら、相談数は2539件(本庁所在地の法律相談センターの相談数で当時は有料相談のみ)。このうち相談担当弁護士が受任した件数は120件。直受率は6.5%。弁護士紹介件数は427件。これを加えると直受率は30%。最も相談件数が多かった平成15年は相談数は6314件(本庁所在地の法律相談センターの相談数で当時は有料相談のみ)。このうち相談担当弁護士が受任した件数は428件。直受率は6.7%。弁護士紹介件数は1118件。これを加えると直受率は24%。
  直受率の低下は、現在宮城県内では震災無料相談が行われていることも影響しているが、直受件数自体が132件と平成4年頃の水準まで低下しているので、単に無料化による影響では説明できない。弁護士紹介件数が平成4年の水準の半分まで低下していることを考えると、おそらく本当に弁護士の受任を必要としている市民は、弁護士会の相談や弁護士紹介ではなく自分で直接法律事務所を探して相談したり依頼したりするようになったというのが原因であろう。
  かつては弁護士の広告が厳しく制限されていて市民が弁護士を探そうにも探せず、やむを得ず弁護士会を頼るほかなかった。それが、今ではネットなどで弁護士の情報を仕入れて自分のニーズに合った弁護士を探して相談するようになったのだと思う。このような市民の行動は合理的であり賢い選択だと思う。
  このような市民の意識の変化と、震災無料相談の実施が相俟って、弁護士会の法律相談センターでは、本来弁護士の関与を必要としない日常の困り事、悩み事相談が増加する結果になったのだろう。もちろん弁護士に相談することによって不安や悩みが解消されれば、それはそれで意味のあることだと思う。
  問題は、会員の会費で運営される弁護士会がそれをやるべきなのかということだ。上記本庁と支部を合計すると相談件数は6988件、直受件数は179件、直受率2.5%となる。仙台弁護士会の会員数は現在413名であるが、1年間にその半分にも満たない者しか受任できないような法律相談では業務対策という意味はほとんどない。今は震災無料相談の枠組みがあるから、5000円もらって困り事、悩み事相談をすると思えばよいだけの話しだが、それも来年の3月までだ。もし来年4月から有料相談に戻れば、おそらく相談件数は激減するだろう。
  それを避けるために本当の意味で弁護士会の法律相談を無料化するという発想も一部にあるようだが、私はとんでもないことだと思う。札幌弁護士会は法律相談の無料化に踏み切り、東京3会の一部でも検討しているようだ。その論拠は、相談を無料化することによって件数が増えれば受任の機会も増えるということにある。しかしそうでないことは既に仙台弁護士会の震災無料法律相談で証明されている。無料化で増えるのは、本来弁護士の関与を必要としない日常の困り事、悩み事相談が主だ。本当に弁護士を必要とする者は、質の担保されない弁護士会の法律相談ではなく、情報を収集した上で直接法律事務所に赴くことになる。そのような市民の傾向は止めようがないし、むしろ合理的なのである。間違っても無料化で会費をドブに捨てるようなことはしないで欲しい。
  仙台弁護士会法律相談センター運営委員会も次期会長候補者も法律相談の拡充や無料化を考えているようだが、もはや弁護士会の法律相談が会員にとって業務対策の意味を持たないことは数字が示している。この直受件数では負担金の会費収入が今まで以上に減少することは目に見えている。市民に身近なとか社会生活上の医師だとかいって数字を無視した無謀な増員をした轍を踏むことなく、冷静に数字を分析すべきだ。私はこの際、法律相談センター事業は自治体などからの委託相談だけに縮小すべきだと思う。負担金収入は減るが、それ以上に弁護士会の経費を節減することができるはずだ。いやどのみち負担金収入は期待できなくなるのだから、業務を縮小しなければ一般会費での補填が必要となり益々仙台会の財政は苦しくなる。
  もはやこのご時世では、業務対策は個々の会員が創意工夫してやるほかない。間違っても法律相談事業の拡充で業務対策をやろうなどとしてはならないと思う。

  おもしろいブログを見つけたので紹介します。
  稼げない弁護士http://ameblo.jp/kasegenaibengoshi/
  弁護士会とやりあうhttp://anti-bengosikai.blogspot.jp/2013/01/blog-post_29.html

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