横浜弁護士会の楠元和貴弁護士(43)が遺産4000万円を着服 横浜弁護士会が懲戒手続き
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横浜弁護士会は30日、会員の楠元和貴弁護士(43)が依頼人のために預かった現金計約4千万円を返金せずに着服した、と発表した。依頼人と弁護士会は、懲戒処分のための調査を弁護士会綱紀委員会に請求。弁護士会はさらに業務上横領容疑で告発も検討している。
預かり金の着服が発覚したのは、藤沢市の男性と、大和市の男性からそれぞれ依頼を受けた遺産相続に関わる事件。同弁護士会によると、藤沢市の男性は2013年、親族間での遺産分割を依頼。昨年6月に分割協議を成立させ、相手方から約2650万円を男性のために預かりながら、約150万円しか男性に返金していなかった。大和市の男性ら3人は09年、親族間での遺産分割を求めて楠元弁護士に依頼。相手方の親族から3人に計約1650万円が渡ることになったが、13年6月に同弁護士が預かった後、返金していなかった。
藤沢市の男性が昨年9月に弁護士会の窓口に苦情を申し出て発覚。今月6日には大和市の男性も被害を訴えたことから、弁護士会が対応に乗り出した。楠元弁護士は弁護士会の調査に対し、事実関係を認めた上で、「必ず金は返す」と釈明。着服した理由については「別の依頼者とのトラブルで金を返さなければいけなかった」などと話したというが、入院しているため十分な聞き取りができておらず、私的流用の疑いもあるとしている。
楠元弁護士は2000年に弁護士登録。横浜弁護士会には05年に入会した。小野毅会長は記者会見で、「重大な問題が起きてしまい残念」と謝罪。被害拡大防止のため、懲戒処分前に公表したと説明した。
横浜弁護士会では昨年12月にも預かった遺産の一部約4700万円を着服したとして、猪俣貞夫弁護士(75)を業務停止1年4カ月の懲戒処分としている。猪俣弁護士は「所属弁護士が辞めたり、本来入るはずの仕事の報酬が入らなかったりして、事務所の経営が苦しくなった。やってはならないことをしてしまった」と話したとされる。弁護士会は猪俣弁護士を業務上横領容疑で県警に告発し、横浜地検は起訴猶予処分とした。
楠元弁護士は高齢の猪俣氏と異なり53期の中堅弁護士だ。弁護士の金銭を巡る不祥事はもはや歯止めが効かないようだ。背景には馬鹿げた増員による弁護士の経済的苦境があるのだろう。その意味では日弁連の誤った増員政策が弁護士の非行を助長してきたとも言える。横浜弁護士会の会長は談話で「会員に対する倫理研修などを徹底して行う」と言っているが、故意犯である横領を「倫理研修」で止められるわけがない。抑止効果があるとすれば、弁護士の業務上横領は金額を問わず必ず除名にするという厳しい懲戒処分の運用くらいだろう。
4700万円も着服したのに業務停止1年4カ月は甘すぎる。全額返済しているからといって起訴猶予処分にした地検の対応も疑問だ。当然起訴すべきだろう。依頼者の金に手を付ける人間に弁護士の資格はない。今回は躊躇なく除名にすべきだと思う。
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