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2015年11月 5日 (木)

平成27年度司法試験予備試験結果 姑息な合格者抑制策

平成27年度予備試験最終結果
1 受験予定者数428人
2 受験者数427人
3 合格点119点以上
合格者数394人
5 合格者の年齢(本年12月末現在)
(1) 最低年齢20歳
(2) 最高年齢65歳
(3) 平均年齢27.36歳
論文試験合格者428人中大学在学中166人、法科大学院在学中152人で合計318人(74.3%)。
最終合格者394人中大学在学中156人、法科大学院在学中138人で合計294人(74.6%)。

平成27年度予備試験論文試験結果
1 受験者数2,209人(うち途中欠席10人)
2 採点対象者2,199人
合格点235点以上
合格者数428人
5 採点対象者の最高点等
(1) 最高点325.61点
(2) 最低点41.24点
(3) 平均点199.73点

平成26年度予備試験最終結果
1 受験予定者数392人
2 受験者数391人
3 合格点119点以上
合格者数356人
5 合格者の年齢(本年12月末現在)
(1) 最低年齢20歳
(2) 最高年齢67歳
(3) 平均年齢27.21歳

平成26年度予備試験論文試験結果
1 受験者数1,913人(うち途中欠席13人)
2 採点対象者1,900人
合格点210点以上
合格者数392人
5 採点対象者の最高点等
(1) 最高点318.23点
(2) 最低点48.70点
(3) 平均点177.80点
論文試験合格者392人中大学在学中125人、法科大学院在学中180人で合計305人(77.8%)。
最終合格者356人中大学在学中114人、法科大学院在学中168人で合計282人(79%)。

  平成27年度は、論文試験の合格点を平成25年度及び平成26年度の210点から235点に大幅に引き上げて合格者数の抑制を図った。しかしそれでも392人から428人に増加した。平成26年度から平成27年度の採点対象者数の増加率は15.7%であるのに対し、合格者数の増加率は9.1%にとどまる。合格点を上げる抑制策をとらなければ、採点対象者数の増加率がそのまま合格者数の増加率になるはずであるから、本来合格者数は453人になったはずである。
  こんな姑息なことをしてまで予備試験合格者数を抑制して法科大学院の生き残りを図るとは司法試験委員会も落ちたものだ。これでは法科大学院修了者と予備試験合格者の司法試験合格率の差は開くばかりだろう。
 司法試験委員会は「試験の公正さ」より法科大院への配慮を重視したということになるが、何よりも公正さが厳しく求められるべき「試験」において政策的配慮がなされること自体が由々しき問題だ。
  司法試験についても、試験自体が不公正なわけではないが、本来合格レベルに達していない者を司法改革の名の下に無理矢理合格させているのが現状だ。それもまた政策的配慮で「試験の校正さ」を歪めているといわねばならない。法科大学院の生き残りのためだけに、もはや破綻している増員政策を続けることは、必ず一定の頻度で不良な法曹を社会に輩出することを意味する。社会にとって百害あって一利なしだろう。

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