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2015年12月 9日 (水)

ざまを見ろ <仙台東西線>平日利用 予測大幅に下回る 仙台市民オンブズマンの予測の最下限にとどまる

  仙台市地下鉄東西線の開業後初の平日となった7日の推計利用者について、市交通局は8日、約4万9400人と発表した。通勤通学の利用が本格化したが、1日8万人とした市の需要予測を約38%下回った。開業日の6日の約10万8900人から半減し、厳しい平日のスタートとなった。
 自動改札で乗車した人数を基に推計した。市地下鉄南北線の駅で乗車し東西線駅で降りた人は推計に含まれないという。交通局は「あと1万人は上積みできる」と説明するが、それでも予測には届かない。
  駅別の利用者数は表の通り。南北線と接続する仙台(青葉区)が最多だったが1万人に届かなかった。事業所が多く立地する市東部の卸町、六丁の目(若林区)も想定の約半分で、通勤手段として浸透していないことがうかがえる。
  東西の起点の八木山動物公園(太白区)、荒井(若林区)と薬師堂(同)の3駅には駅前広場を設置。パーク・アンド・ライドやバスとの乗り継ぎを見込むが、予測に達していない。
  一方、いずれも青葉区で、市中心部の青葉通一番町、西部の国際センター、川内の3駅は予測を超えた。買い物客や大学の学生、職員の利用が押し上げたとみられる。
  また、通勤通学定期券は7日現在で約1万1000枚が売れた。11月の発売直後は伸び悩んでいたが、今月6、7の両日で約2900枚を販売した。
  1日当たりの需要予測は、市が計画当初の1998年、13万2000人と試算。その後13万人(2002年)、11万9000人(03年)と下方修正を繰り返し、東日本大震災後の12年に8万人とした。
  市交通局幹部は「平日の初日であり、もう少し推移を見たい。8万人を目指し、新年度を見据えて通勤通学者の利用促進を働き掛けたい」と話す。

  仙台市民オンブズマンは東西線建設費用の支出の差し止めを求めて訴訟を起こした。
  裁判の中では、費用対効果や需要予測が争点となった。仙台市は事業計画当初、費用便益比(注:ある公共事業にかける費用とそれによってもたらされる便益の費で1を下廻ると費用に見合った便益が得られないので公共事業は認可されない)
を2.63としていたが、予測が過大であると国土交通省から指摘を受け、数値を1.62に修正して事業認可を受けた。しかしこの数値は国が鉄道を建設する際に比較検討するために用いるマニュアルを仙台市が改変して算出したもので、マニュアル通りだと算出される数値は1.09であった。一審の仙台地方裁判所は判決でオンブズマンの訴えを棄却したが、東西線事業の費用便益比は1.09だと認めた。
 オンブズマンは判決を不服として控訴した。二審では、パーソントリップ調査が争点となった。パーソントリップ調査は、交通モデルに基づき将来のトリップ数(人が移動する回数)を予測するもので、仙台市が主張する東西線の需要予測も1992年(平成4年)の第3回パーソントリップ調査が基となっている。2002年(平成14年)に行われた第4回仙台都市圏パーソントリップ調査では、4通りの予測が行われた。そのうち3つの予測はバス事業者や鉄道事業者への多額の補助金や高速道路の料金引き下げ、居住する地域の制限、採算性を考慮しないなど実現が難しい前提が多く設定されている。現実的な政策・施策を続けた場合の2015年(平成27年)時の鉄道トリップは35万7千人/日と予測とされ、結果として現況より5万8千人トリップ/日しか増えない。また、仙台市が東西線の需要予測の基とした第3回パーソントリップ調査による2015年(平成27年)時の鉄道のトリップ数42万3千/日と第4回パーソントリップ調査結果である鉄道トリップ数を比較すると短期間に鉄道需要が乱高下するという辻褄が合わない事態が発生している。市民オンブズマンは第4回パーソントリップを論拠とし、東西線の利用者数は1日当たり4万9千人から6万人であり、費用便益比は1を下回ると主張した。これに対し仙台市は、パーソントリップ調査から導き出された数値は参考値であり、それがそのまま需要予測になるわけではないと反論した。また、証人尋問では仙台市の交通政策課長が需要予測を検証しなおせば事業自体の見直しにつながると述べ、仙台市の需要予測の危うさを事実上認める証言をした。判決で仙台高等裁判所は、第4回パーソントリップ調査の優位性を一部認める一方で、仙台市の事業の手法に違法性があるとはいえないとして、オンブズマンの控訴を棄却した。費用便益比については、一審同様、市の主張を否定し、1.1であるとした。
  仙台市民オンブズマンはさらに上告したが、最高裁判所はこれを受理せず、二審の判決が確定した。
  今回の1日利用者約4万9400人という数字は仙台市民オンブズマンが裁判で主張した推定利用者数の正に最下限だ。認可時の予測の僅か37%。東西線事業の費用便益比は利用者13万人ですら1.09とすれすれなのだから、その僅か37%しか利用しないのであるから建設費4000億円をドブに捨てたようなものだ。パーソントリップ調査の数字を直視すれば1日利用者約4万9400人という数字は最初から分かっていたことだ。問題は建設費が無駄遣いだったことにとどまらない。この利用者数では運賃収入では建設費の回収はおろか人件費・運行経費というランニングコストすら賄えなえず、単年度収支ですら赤字になることは必定だ。地下鉄東西線を運行する限り、仙台市は永遠に毎年一般会計から巨額の赤字補填をしなければならないことになる。東西線建設を推進した仙台市の歴代市長、幹部、賛成した市議会議員はいったいどうやって責任を取るつもりか。彼らは需要予測を誤ったのではない。過失ではなく絶対に達成できない数字をでっち上げて市民を欺いた故意犯だ。仙台市民オンブズマンは次のとおり奥山市長に対しても事業廃止の申しれをしたが奥山市長はそれを無視した。現職の奥山市長も同罪である。

       地下鉄東西線建設事業廃止の申し入れ
                             平成23年5月18日
仙台市長奥山恵美子殿
                    仙台市民オンブズマン代表十河弘

  仙台市が建設を行っている地下鉄東西線建設事業の実施を断念することを求め、以下のとおり申し入れます。
1.申入れの結論
 今回の東日本大震災の復興事業に総力を尽くすことが必要であり、現在進行中の地下鉄東西線建設工事を中止し、地下鉄東西線事業の実施を断念するよう申し入れます。
2.申入れの理由
  仙台市が将来人口の推計値の減少に伴い、地下鉄東西線の需要予測の見直しを行うことが、今年2月23日の河北新報で報じられました。
  仙台市民オンブズマンは、第4回パーソントリップで為されたはずの計算結果を真摯に受け止めれば、地下鉄東西線の需要は一日11万9000人という従前の需要予測の6割以下であると推測し、仙台市の需要予測は事業推進のため第4回パーソントリップの結果を直視しないものであると批判してきました。
  需要予測が、仙台市民オンブズマンの予測値に近く、地下鉄東西線が福岡市の地下鉄七隈線の実例のようになるとすれば、地下鉄東西線は単年度収支ですら黒字になることはなく、毎年一般会計から巨額の赤字補填をしなければならないという状況になります。
  しかるに、今回の東日本大震災の現状は、地下鉄東西線事業の必要性を、早急かつ真剣に問いかけています。東西線建設に市民の税金を投入するよりも、復興のために税金を投入することが優先されることは明らかです。
  幸いに、建設費の執行額は平成22年度末で事業費総額の約4割の1100億円程度にとどまっていると思われ、震災後は、工事自体が一時中断されているようです。
  事業を再検討し、事業を断念するとすればこの機会を逃してはなりません。
よって,上記のとおり申し入れる次第です。
  なお,仙台市が東西線への支出差止め訴訟の際に頑なに拒んでいた需要予測の見直しを今後行うのであれば、第4回パーソントリップの成果を利用して正しい需要予測を行いその内容を公開すべきであると考えています。

地下鉄南北線の現状
  平成20年10月31日仙台高裁で地下鉄南北線に対する一般会計からの補助金が地方公営企業法17条の3に違反しているか否かの判決がありました。裁判所は、違反するものではないと判断しました。「恒常的に」補助金を出すことが「特別の理由」があるとして許されるのであれば、法律が定めた地方公営企業の「独立採算性」は絵に描いた餅になってしまいます。判決はいろいろ長々と「理由」を述べますが、長々になるのは、論理をごまかしているからに他なりません。
  南北線の赤字と補助金額
  南北線も、乗車人員の過大予測(予測30万人に対して実情16万人)によって、赤字が平成19年度末で約1100億円に達しました。実はこのほかに740億円ほど赤字穴埋めのために補助金が注ぎ込まれているので、実際の赤字は1840億円となります。</u>裁判となっている平成17年、18年の補助金は合計25億円ほどでしたが、平成19年度は約20億円となりました。平成20年度は約25億円、平成21年度以降は30億円を超える補助金を出すことが予定されていて、今後も市民の税金が地下鉄事業のために使われていきます。
  地方公営企業の独立採算原則と補助金
  地方公営企業は、独立採算で企業運営をしなければなりません(独立採算が無理なら企業化せずに一般の都市施設として運営することになります)。但し、政令(地方公営企業法施行令)で定められた特定の経費については一般会計からの補助を受けることができます。政令で定められたもの以外は、地方公営企業法17条の3で定めている「災害の復旧その他特別の理由により必要がある場合」にのみ補助金を受けることができることになっています。
  政令は、概略「性質上地方公営企業の収入で賄うのが適当でない経費」「性質上地方公営企業の収入でまかなうことが客観的に困難な経費」について、補助ができる経費を特定して定めています。
  判決は、政令の定めは「通常考えられる経費」として一般会計が負担すべき経費を特定しているので、「臨時例外的経費・個別具体的経費」については「特別の理由」によるものとして補助ができるという判断をしました。
  補助される補助金のほとんどは、地下鉄建設のために発行した債券(借入金)の償還のための経費です。地下鉄の建設に多額の費用がかかることは最初からわかっていることで、「臨時例外的経費・個別具体的経費」とは言えません。建設費のための借入金の返済に補助が必要ならば、最初から政令は補助を認めているはずです。しかし、そうなってはいません。

  鉄道事業法5条により経営上健全であることが鉄道事業の許可に際しては必要です。鉄道事業許可を受けるときは、独立採算で運営ができなければ「経営上健全」と言えません。従って、地下鉄は補助金なしで運営ができる建前になっているので、地下鉄建設費の償還費用を、政令は補助対象に記載できるはずもないのです。

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